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未来を拓くICTソリューション Vol.7

ICTで地震国・ニッポンの安全性向上に貢献。企業の顧客サービス向上やBCP(事業継続計画)に役立つ緊急地震速報配信サービス

更新日:2007年7月26日
注目キーワード:災害、地震、BCP

大きな揺れが到達する前に、地震発生を素早く知らせます・・・


NTTコミュニケーションズは、2007年7月、気象庁が発信する緊急地震速報を企業向けに配信する「緊急地震速報配信サービス」を本格的に提供開始した。緊急地震速報とは、地震発生後に震源に近い観測点で最初に到達する地震のP波(初期微動)をとらえ、その観測データから「地震の発生時刻」「震源の位置」 「マグニチュード」等を推定し、可能な限り素早く知らせるものである。気象庁が発信するこの情報を元に、各地でのS波(主要動)到達時刻や震度を推定し、大きな揺れが到達する前に機器の制御を行ったり、迅速な避難行動をとることにより地震被害の軽減が期待できる。※1
NTTコミュニケーションズは、この緊急地震速報を、全国の契約企業へNTT東日本・西日本の「フレッツ」回線※2を介して、IPv6マルチキャストにより即時に再配信する。企業の安全対策やBCP(事業継続計画)の強化、顧客サービス向上、マンションの付加価値アップなど、ビジネス利用の可能性を後押しする。


※1 緊急地震速報は減災に役立つ有効な情報だが、


※2 利用エリアにより、以下の組み合わせで回線とサービスを準備する必要がある

Chapter1.こんな時、こんなことができます

緊急地震速報配信サービスは、利用目的やシーンに応じて様々な用途に活用できる。以下にその一例を紹介する。


オフィスの中で警報を鳴らす オフィスの中で警報を鳴らす ―デスクの下に隠れたり、タバコの火を消したり
―サーバの停止やデータのバックアップを自動的に実施


工場では、すかさず警戒放送 工場では、すかさず警戒放送 ―機械のそばから離れるなど、事故防止・安全確保
―工場のラインを制御して被害を軽減


「備えあり」でマンションの付加価値アップ 「備えあり」でマンションの付加価値アップ ―エレベーターを最寄り階で止める、備えあり
―各住居のインターホンで一斉放送する、備えあり




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Chapter2.なぜ、緊急地震速報配信サービスが可能なのか?

効率的な一斉配信を実現したNTTコミュニケーションズの技術

IPv6マルチキャストで効率的な一斉配信

阿部 剛

NTTコミュニケーションズ株式会社
ブロードバンドIP事業部
サービスクリエーション部
阿部 剛

気象庁の緊急地震速報は、2004年2月から開始した試験運用を通じ、活用方策の検討が行われてきた。試験運用の中で、安価な伝送手段としてインターネットでの配信も試みられていたが、伝送遅延や情報の欠落などの品質面での課題が挙げられていた。また、将来的に多くのユーザが利用した場合に、従来の1対1 で通信を行うユニキャスト配信には限界があることが目に見えており、一斉配信する技術への期待が高まっていた。

このような業界での課題に対し、通信事業者として検討し、行き着いたのがIPv6マルチキャストでの配信だ。IPv6マルチキャストによる緊急地震速報配信は、唯一NTTコミュニケーションズだけが行っている。

IPv6は現在一般に利用されているIPv4に比べて膨大な数のIPアドレスを設定できるため、パソコン以外のものを含め様々な機器をネットワークに接続し、相互に通信するなど、ブロードバンド・ユビキタス時代のコア技術の一つとして注目されている。また、マルチキャストは、ネットワーク上にある複数の端末に対して、データを一斉に配信する技術で、緊急地震速報のように、同時に同じ情報を効率よく配信するのに適した通信方式だ。このIPv6マルチキャストをすぐにでも全国レベルで利用することが出来るネットワークが必要だが、NTT東日本・西日本が提供している「フレッツ」回線のIPv6サービスを利用することで、実現可能となった。


より確実な配信を実現するIPv6

より確実な配信を実現するIPv6


緊急地震速報は「配信」、「伝送」、「受信」、「制御」と大きく4つの機能に分類することができ、その4つがそろって初めて有効に活用できる。NTTコミュニケーションズは、この4つの機能において、「配信」、「伝送」を中心に取り組んでおり、受信端末におけるIPv6マルチキャスト配信サービスに対応した通信仕様の定義も行っている。
また、NTTコミュニケーションズは、より確実な配信を行うために、各企業に設置してある受信端末とサーバ間の通信が正常に行えるかを確認する死活確認(ヘルスチェック)を実施している。具体的には、数十秒間隔で受信端末とサーバ間でハードウェアヘルスチェック、アプリケーションヘルスチェック、配信ヘルスチェックの3段階で確認を行っており、ヘルスチェック結果で異常があると、企業の担当者へ警告メールを送るなどのサービスも提供し、確実な配信をサポートしている。すべての受信端末にIPアドレスを付与してダイレクトな死活確認ができるのも、IPv6環境だからこそのメリットである。

新しい情報の活用で安全対策やBCPが一段と進化
受信端末の開発はパートナー企業が進めており、用途に応じて受信端末の選択が可能だ。現在利用できるのは、IPテレビ電話「フレッツフォン」シリーズをはじめ、WindowsR XP搭載のパソコンで動作する緊急地震速報受信・警報表示アプリケーション、防災・通信機器メーカーが開発した外部機器制御用の装置などがある。これらの受信端末には、あらかじめ経度緯度や地盤の情報などを入力しておく。緊急地震速報を受信すると、設定情報に基づいて受信端末が設置された場所での主要動(S波)到達時刻と震度を計算し、計算の結果、例えば震度4以上であれば、警報を鳴らしたり他の装置を制御したりするのである。オフィス、工場、商業施設、マンションなど、活用の場は多彩だ。
NTTコミュニケーションズには、すでに、安全対策やBCPへの関心が高い企業から、多数の引き合いがある。
不特定多数の一般市民がいる商業施設では、混乱が予想されるため、利活用方法の検討は慎重に行う必要があるが、将来的には当たり前のように利用されることが期待される。過渡期では、こうした施設の防災センターから、各テナントの責任者にだけわかるキーワードを使った放送を行い、火元管理をいち早く行うといった対応が行われている。
またマンションの場合には、各住居のインターホンで一斉放送する機能、あるいはエレベーターを最寄り階で止める機能や警報をエントランスや館内駐車場に放送する機能などを備えていることをアピールすれば、賃貸客や購入客への付加価値を高めることにもつながる。
いずれにしても、10秒ほどの猶予の間に最適な行動をとるには、普段から実地の練習を何度も行っておかなければならない。受信端末を設置した企業は、さまざまなレベルの警報が発せられたときを想定した対応策をBCPに取り込み、定期的に訓練を行うことが不可欠であろう。
また、学校の防災教育に、緊急地震速報に対応する訓練を取り入れれば、長期的には、社会全体が、緊急時の対応を落ち着いて的確に行えるようになるに違いない。

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Chapter3.サービスデモンストレーション

緊急地震速報配信サービスデモンストレーション
(2分49秒)

NTTコミュニケーションズが提供する緊急地震速報配信サービスと機器やソフトウェアを組み合わせることで、様々な分野での活用の可能性が広がります。 ここでは、そのいくつかの例をご紹介します。


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Chapter4.担当者インタビュー

担当者に訊いた3つの質問

担当者インタビュー


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Chapter5.今後の展開

現在サービスの配信経路に用いている「フレッツ」網は、閉域網であるため、なりすましなどの攻撃を受ける心配が少ない。それでも、サービスレベルを保証しないベストエフォート回線であるため、より信頼性の高い配信体制を確保するには、VPNなど品質保証制度を備えたネットワークを用いることも必要になるかもしれない。NTTコミュニケーションズは、こうした多様なニーズに応えるため、Arcstar IP-VPNなどの企業向けネットワーク上での配信も今後予定している。
またNGN(次世代ネットワーク)が実用化された段階では、パケット単位での帯域制御機能を利用して、マルチキャスト内での優先処理もできるようになるかもしれない。緊急地震速報が、より確実に届くようになるのである。
“つなぐ”技術のひとつであるIPv6はもちろん、各種VPNなどの伝送バリエーションを豊富に有しているNTTコミュニケーションズは、技術とサービスにさらに磨きをかけながら、安心・安全な社会環境づくりを推進していく。


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用語

BCP

事業継続計画。台風や大地震などの自然災害、テロ攻撃などに遭遇したとき、短期間で事業を再開するための計画のこと。

IPv6

現在、一般的に使用されている IPv4 に代わる、インターネットプロトコルの次世代版 (Version 6) となる通信プロトコル。IPv4ではアドレス資源の枯渇が心配されることから、事実上、無限の数のIPアドレスを付与できるIPv6が登場した。

マルチキャスト

指定した複数の相手に、同一のデータを一斉送信する通信方式のこと。一度に複数の送信先を設定するため、データ送信が一度で済み、送信処理にかかるネットワークの負担を軽減できる。


今回の記事で紹介しているサービス

緊急地震速報配信サービス

「緊急地震速報配信サービス」は、実際に揺れを感じる前に震度や到達時刻といった地震情報を配信するサービスです。初期被害の予防や安全確保が可能になり、地震後の事業の早期復旧が見込めるため、BCP(事業継続計画)を策定する上で非常に有効なサービスといえます。



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