しかし、そこで、課題となってきたのが、ITインフラの整備と顧客データベースの統合である。合併前は、各事務所でインターネット接続はされていたものの、顧客情報はやりとりされておらず、拠点ごとに扱っていた。しかし、「顧客データベースが別々にあると、顧客のニーズに応じたトータルなサービス提供は難しくなります。今まで、賃貸目的で事務所を訪れていただいても、次にその方が結婚して、分譲マンションを購入する場合は、その顧客情報が引き継がれず、ご迷惑をおかけしたこともありました」(三瓶氏)といった経緯もあり、ITインフラの整備と顧客データベースの統合が大きな課題であった。
とはいえ、顧客情報の扱いは慎重に慎重を期す必要がある。2005年に施行された個人情報保護法では一定数の個人情報の扱いに対して厳密な管理体制を要求されるようになる一方で、昨今ではウイルスやP2Pソフトなどによる情報漏えい事件も数多く起きている。
不動産という商材の性格上、ミブコーポレーションの扱っている顧客情報は、資産や家族構成、趣味、嗜好まできわめて重要度が高いものだ。そのため、これまでも各営業所では情報漏えいを防ぐため、厳重な顧客情報の管理を行なってきた。「インターネットに流れないよう、今まではネットワークに接続していないスタンドアロンのPCで顧客情報を管理していました。当然、受け渡しはフロッピーディスクなどを用いたり、いったん紙に書き出して使用していました」(三瓶氏)という徹底ぶりだ。しかし、これでは顧客への適切な提案のために情報を活用することが難しく、利便性を犠牲にしていた面がある。顧客に対するサービスの拡充のためには、セキュリティを確保しながら、情報を柔軟に活用できるITインフラが必要だったわけだ。そこで、同社が導入したのが、NTTコミュニケーションズの「Group-VPN」とオプションサービスの「VPNセキュリティ」である。「Group-VPN」は、フレッツやADSLなどの経済的なブロードバンド回線をアクセス回線として利用することにより、インターネットを経由しないセキュアな拠点間通信を低コストで実現するVPNサービスである。
「Group-VPN」を選択した理由について、三瓶氏は「やはり数多くの実績を積み上げた安心感もありましたが、私が読んだユーザー事例がとても親近感を持てたことも大きかったです。もちろん、コスト面でも魅力的でした」と語っている。 |