試合日程・結果

強豪を相手に、来季への手ごたえを感じさせた一戦

ShiningArcs

17

VS

トヨタ自動車ヴェルブリッツ

50

2月14日、第47回 日本ラグビーフットボール選手権大会第2回戦は秩父宮ラグビー場で行われ、ShiningArcsは、トヨタ自動車ヴェルブリッツと対戦した。
曇りがちな天気が続いていたが、この日は快晴に恵まれ、グランドは連日の雨の影響でやや悪いコンディションではあったが、絶好のラグビー日和となった。
2回戦の相手となるトヨタ自動車ヴェルブリッツは、トップリーグで毎年上位に名を連ねる、言うまでもなく強豪中の強豪チームである。そして、来季のトップリーグでは必ず対戦するライバルでもある。無論、怯んでなどはいられない。前節では学生相手ということもあり、社会人のプライドを堅持するプレッシャーもあったと思うが、もう失うものは何も無い。是非とも日本選手権4強の座を狙って、全力で立ち向かってもらいたい。

この日も多くのファンが応援に駆けつけくれ、トヨタサポーターを上回るShiningArcsサポーターがバックスタンドを埋める。「打倒トヨタ自動車ヴェルブリッツ」の横断幕が掲げられ、選手とともに一丸となって士気を高めている。選手入場の場内アナウンスに導かれ、スターティングメンバーがピッチに現れる。サポーターの熱気も最高潮に達した。

未経験の圧力に、混乱してしまった前半

12時、ほぼ無風の中ShiningArcsのキックで試合が開始。前節の東海大戦では、初の大舞台に立つ緊張のせいか、チームの足並みが揃わず、攻撃のリズムが乱れた。だが、1回戦を乗り越えた経験が選手たちを落ち着かせたのか、序盤から積極的にボールを動かし、早くも敵陣に乗り込んで、ShiningArcsはペースを引き込もうとする。また、課題とも言えるブレイクダウンの攻略には、FW陣は味方同士でバインドし、圧力を増強させてラックやモールなどのポイントから味方へのボールの供給を急いだ。
スクラムやラインアウトなどのセットプレーにおいては、ややトヨタに分があるように見えたが、個々のフィットネスでは引けをとらず、イーブンな立ち上がりを見せる。

だが、徐々にトヨタが牙をむき始める。前半12分、自陣22メートルライン付近でトヨタの攻撃。ラックサイドのディフェンスが手薄になったところへトヨタSHが飛び出し、タックルへ向かうも、後続のスピードに乗ったFBの選手につながれ、そのまま突破を許し、先制のトライを奪われる。コンバージョンも決まり、0-7とトヨタが先行する。
続く16分、トヨタはShiningArcsのタックルを受けながらもフォローに次ぐフォローで畳み掛けるように迫り寄る。ShiningArcsは押されながらもディフェンスラインを整え、何とか食い下がる。ゴール前、CTB JP・ネルが勢いよく飛び出してプレッシャーをかけるが、トヨタはタップパスで素早くかわし、そのまま外側の選手までボールをつなぎ、右隅にトライ。トヨタのファインプレーにより早くも2トライ目を奪われ、0-12。
なおもトヨタの攻撃は続き、19分。自陣ゴール前でトヨタのラインアウトから、モールになる。ShiningArcsはこのモールを耐え切れず、押し込まれ3本目のトライを許す。コンバージョンも決められ、0-19と点差を広げられる。

立て続けにトライを奪われ、トップリーグ上位チームの実力をまざまざと見せ付けられる。だが、ShiningArcsはすんなりトヨタにペースを引き渡すことなく、状況の打開を模索する。勢いに乗るかと思われたトヨタの猛攻を抑えて、敵陣での攻撃の機会を増やす。
24分、BKのサインプレーによりWTB河津周平の突破が成功、敵陣深くに攻め込むが後が続かない。28分にSO君島良夫はDGを狙い、まずは得点の奪取を試みるが失敗に終わる。序盤に見せたアタックの積極性を取り戻し、息を吹き返したように思われた。
だが鋭いトヨタのディフェンスが、簡単にはゴールラインを割らせてくれない。逆に30分には、この出足の早いプレッシャーによって、ShiningArcsの攻撃中にボールが乱れ、落ちたボールを拾われて、そのまま敵陣から独走を許しトライを奪われてしまう。コンバージョンも決められ、0-26と点差を引き離されてしまう。さらに33分、タックルを受けても次から次へとボールをつなぐトヨタの波状攻撃に圧倒され、5本目のトライをねじ込まれる。0-31。
バックスタンドのサポーターも思わず圧倒されてしまったかのように、一度は静まり返ってしまう。しかし、このままでは引き下がれないShiningArcsは、前半終盤に差し掛かり、反撃に打って出る。

39分、敵陣22メートルまで踏み込み、リズムに乗った攻撃を仕掛けるが、トヨタ選手の負傷により試合は一時中断。前半の終わりを告げるホーンが鳴ってしまうが、ゴール前ShiningArcsのスクラムで試合は再開。40分、スクラムサイドをSH中山浩司が飛び出し、相手を引きつけたところでNo.8ダレン・マーフィーにパスを回し、そのままゴール中央に飛び込んだ。前半終了間際で、ようやくトライを挙げ、SO君島のコンバージョンも決まり、7-31と一矢を報って前半を折り返した。

スピード、パワー、そして技術と、あらゆる点においてもトヨタは確かにこれまでトップイーストリーグでは対戦したことのないレベルのチームである。一度ゲームのコントロールを許すと、たちまちに相手のペースに飲み込まれる。しかし、ShiningArcsも、終始ゲームの主導を奪われていたわけではない。後半、トヨタのペースに引き込まれず、いかに主導権を握るかが、勝機を掴む可能性となるだろう。

来季への可能性を見出した後半

後半、トヨタのキックで試合が再開。前半最後に見せた勢いをそのままに、ShiningArcsが先手を仕掛ける。CTB JP・ネルの突破を皮切りに、アタックラインが加速をすると、トヨタのディフェンスがやや後退する。その隙を見計らい、後半1分、SO君島がDGを見事決め、早々と追加点を挙げる。10-31。

幸先のいい後半のスタートは、その後もチームを勢いづける。ボール支配も前半より長くなり、敵陣で攻撃を継続する場面も増える。11分、敵陣ゴール前のラインアウトで、FWがサインプレーを仕掛ける。HO種本直人が投げ入れたボールを、ジャンパーがキャッチしてすぐに種本に返し、そのままインゴール目掛けて飛び込んだが、わずかに届かず得点とはならなかった。
なおもShiningArcsの攻勢は続き、14分、右サイドにBKが展開、CTB JP・ネルが内側に切り込んでゲインし、相手のタックルを受けながらも持ち前の突破力ではねのけ、ゴールポスト近くにトライ。コンバージョンは、後半から出場のFBマーク・ジェラードがキッカーを務め、難なく成功して17-31とし、さらなる追い上げを見せる。

17分には、SO君島がトヨタのディフェンスラインの裏側にグラバーキックを放ち、CTB JP・ネルが追いかけチャンスを迎えるが、惜しくも阻まれ、得点には結 ばなかった。後半はトヨタに主導権を譲らず、30分過ぎを迎えるまでは、試合の流れはShiningArcsに傾いていた。
しかし、その後の得点は続かず、そろそろスタミナも切れ始めた試合終盤に、トヨタの攻撃に再び火がつく。この頃になると、ShiningArcsの選手はブレイクダウンへの反応が遅くなり、アタックでは選手が孤立する場面が増え、ディフェンスでは陣形を整えるのに遅れが見え始める。
このタイミングで新たに選手を入れ替えてきたトヨタの勢いは衰えず、33分に、トヨタの連続攻撃に耐え切れず、押し切られる形でBKの突破を許してしまい、とうとう後半最初のトライを奪われてしまう。コンバージョンも決められ、17-38と詰めた点差を広げられる。続く35分、自陣ゴール前でShiningArcsのラインアウトであったが、連携がうまくいかずキャッチミスをしてしまう。そのボールを相手のLOの選手に奪われて、そのまま倒れこむようにインゴールへ押さえられてしまい、追加点を奪われる。17-43。逆転の可能性がさらに一歩遠のいてしまう。

試合終了の時間が迫り、焦るが一度逃した流れは戻ることなく、試合終了を知らせるホーンが鳴った40分には、さらにトライを追加され、コンバージョンも決められる。最終的には17-50でノーサイド。ShiningArcsは敗れ、第47回 日本ラグビーフットボール選手権大会第2回戦敗退の成績で、長かった今季の幕を閉じた。今季初の黒星は、大差をつけられ、実力差を感じさせられる試合ではあったが、同時に来季に期待を込められる場面も多く見られた。悔しい敗戦ではあったが、サポーターからは大きな拍手が沸き、そして感動を与えてくれた感謝の意を込めて選手たちをねぎらうように暖かく迎えた。

昨年の9月に今シーズンのトップイーストリーグが開幕し、ここまで実に半年間にわたる長い戦いであった。トップイースト初優勝、悲願のトップリーグ昇格、トップチャレンジ1を1位通過、そして日本選手権初出場と、多くの感動を与えてくれた選手たちには、「お疲れさま。ありがとう」と言いたい。選手たちを支えてくれたスタッフの方々にも同じ言葉を送りたい。そして何よりも、今日までチームを応援してくれた多くのサポーターの方々へ感謝したい。

SiningArcsは、来季、いよいよトップリーグという最高峰の舞台に挑みます。
来季も是非とも変わらぬ声援を、そしてチームとともにトップリーグを戦っていただきたいと願います。

今シーズンの応援、ありがとうございました。

山本和林監督のコメント

山本和林監督

今日敗れたことは本当に悔しく思いますが、来季につながるいい内容の試合だったと思います。この試合を経て選手一人一人が肌で実感したことが、やがてチームに浸透し、今後の成長につながることを期待しています。選手たちはこれまでに体験したことのないプレッシャーとストレスの中、本当によく戦ってきたと思います。しばらく休んで、トップリーグという我々がまだ体験したことのないステージで精一杯のプレーが出来るように、しっかりと良い準備をしていきたいと思います。

シャノン・フレーザーヘッドコーチのコメント

シャノン・フレーザーヘッドコーチ

今日の試合では、良かったところ、悪かったところ、それぞれたくさんありましたが、我々に何が必要なのか、多くのことを学んだ試合であったと思います。いいレッスンになりました。選手たちが1年間を通じて、ハードに自分たちの課題に取り組み、強く成長を遂げ、この舞台まで辿り着けたことを誇りに思っています。また、我々が掲げた「FIRST」というスローガンに対し、選手たちが結果を残してきたことに対しては大変満足しています。お疲れ様と伝えたいです。また、サポーターの方々の多くの声援が本当に選手たちに勇気を与え、力づけてくれました。本当に感謝しています。来季も引き続きサポートいただけることを願っています。これからも応援よろしくお願いします。

中山浩司キャプテンのコメント

中山浩司キャプテン

トヨタさんには、トップイーストでは体験したことのない圧力を感じました。僕たちも、トップリーグのチームだからといって、特別な意識を持たず準備をしてきたつもりでしたが、やはり潜在的に意識してしまうところもあり、トヨタさんのプレッシャーを受けてしまうところもありました。もっと体を合わせていかなくてはいけないと思いました。後半にかけては、一歩でも二歩でも早くサポートに回ることを心がけたことが、いい展開につながったと思います。今季を振り返って、本当に苦しい時期もありましたが、サポーターの皆さんの応援のおかげもあって、ここまで戦ってこられました。本当にありがとうございました。来季も応援をよろしくお願いします。

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