試合日程・結果

アウェイのプレッシャーに苦戦するも、トップチャレンジ初戦を完封で制す

ShiningArcs

43

VS

マツダブルーズーマーズ

0

1月16日(土)、2009年度トップチャレンンジシリーズ1位グループ第1戦は、コカ・コーラウエスト広島スタジアムで行われ、ShiningArcsは、トップキュウシュウ1位のマツダブルーズーマーズと対戦した。
昨年末、ShiningArcsはトップイーストリーグを全勝の成績で初優勝を果たし、トップチャレンンジ1に駒を進めたわけだが、言うなれば、この先はチームとしても未踏の領域であり、これまで以上のプレッシャーの中で対戦を続けなくてはならないだろう。対するマツダブルーズーマーズは、トップキュウシュウを全勝の成績で1位通過してきたチームである。また、ShiningArcs同様にチームの体制を一新しながらトップリーグを目指している、強豪チームである。相手のホームということもあり、試合前のアップの時間には、シャノンHCから本年度のチームスローガンである“FIRST”を引き合いに、試合への「入り」の重要さを繰り返し伝えられる。メインスタンドは多くのマツダサポーターが詰めかけているが、それをも上回る多くのShiningArcsサポーターが、遠征の地にも関わらず、駆けつけてくれた。試合開始時間前には朝から晴れていた空に雲が覆い始め、一段と冷え込みが増してきたが、サポーターの熱い応援が心強い。

敵陣で展開するも、攻めあぐねた前半

14時30分。ShiningArcsのキックで試合開始。序盤からボールを支配し、敵陣で攻撃を続けるShiningArcsだが、マツダの激しいプレッシャーを受けてしまい、ラックやモールなどのポイントから、後続の選手にボールを配給するタイミングが遅れて、攻撃の流れを遮断されてしまう。前半4分に、敵陣22メートル付近からBKが左サイドに展開し、アタックラインがディフェンスラインを人数で上回る、いわゆる「余った」状況となり、決定的な場面を迎えたが、ラストパスが惜しくもスローフォワードの反則を取られ、得点には結ばなかった。
その後もShiningArcsは敵陣でボールを支配し、優位に攻撃を進める。体のサイズは一回りほど小さいマツダであるが、低く鋭いタックルを浴びせられゲインラインの突破を許してくれない。また、FWの密集戦ではボールを奪われるなど、最後まで攻めきれない状況が続いた。

逆に、14分にはマツダに攻め込まれ、BK選手のステップにディフェンスが抜かれて、あわや先制トライを奪われそうになるが、相手のスローフォワードの反則により、かろうじてピンチを回避する。
初めて立つトップチャレンジシリーズ1位グループのステージに、未知のプレッシャーが選手たちに圧し掛かっているのだろうか。何度か得点チャンスが訪れるが、決定的な場面で押し返される状況が続き、開始から30分が経っても両チーム共に得点は動かず、サポーターも息を呑んでスタンドから見守る。
だが、徐々にではあるが、2次攻撃、3次攻撃と展開を継続できる場面も増え、攻撃がテンポアップする。34分に、敵陣22メートル付近、左サイドを攻め込むCTB JP・ネルがボールを持つと、フォローについたWTB友井川拓が走りこむスペースを見出し、素早く反応してパスを受ける。スピードに乗ったWTB友井川に相手は追いつけず、ゴール前までゲインするが、惜しくもゴールライン直前で阻まれる。

しかし続く35分、今度は敵陣ゴール前のラインアウトで、モールを作って一度は押し込むが崩されてラックになると、SH中山浩司がボールを持ち出し右隅に先制トライを決める。ようやくこの日最初の得点シーンとなった。角度のあるコンバージョンをSO君島良夫が決めて、7-0と前半終了間際に何とかリードする。さらに追加点を上げておきたかったが、そのまま得点は動くことなく前半が終了した。

7-0とわずかにリードするにとどまった前半だが、ゲームをコントロールしていたのはShiningArcsであった。だが、マツダの出足の早いプレッシャーに苦しめられ、何度も得点チャンスをつぶされている。逆に言えば、あと数歩のところでふいにした得点シーンも多くあった。今季を振り返ると、実はこのような展開は何度か経験している。トップイーストリーグを通じて成長を遂げた選手たちは、きっとこのハータイムを利用して修正をしてくれるに違いない。

チーム本来の姿を取り戻した後半

マツダの選手たちが先にピッチに現れて、十分にミーティングに時間をかけたShiningArcsの選手たちが続いて現れる。日が落ち始め、冷え込みも一層厳しくなるが、サポーターの応援の熱は冷めることなく、「Go to The Top!」とエール送って選手たちを送り出した。
マツダのキックで後半が開始。前半に続き序盤からボールを支配し、敵陣で展開するShiningArcs。ハーフタイムで軌道修正の意思統一を徹底できたのか、今度は前半のように相手にボールを奪われること無く、リズムに乗った展開を見せる。すると、前半に溜まった鬱憤を晴らすかのように怒涛の攻撃が始まる。

口火を切ったのはまずFWからだった。後半4分、敵陣ゴール前でShiningArcsのボールでスクラムとなる。サイズで上回るShiningArcsのFWがスクラムを押し切り、さらにゴール前まで前進する。最後はFLブラッドリー・ミカがボールを拾い上げインゴールへ飛び込み、12-0と早々に追加点を上げる。コンバージョンは惜しくも外れるが、後半開始直後から幸先のいいスタートを切る。
続く12分。またもゴール前でボールをキープするFWがモールを組んで、じりじりとインゴールへ迫っている。モールは崩れ、一度ラックになるが、SH中山がボールをうまく捌き、FLブラッドリー・ミカにパスを放る。FLミカは相手のタックルを受けるが、パワーで押し切り、なだれ込むようにゴール中央に連続トライを挙げる。コンバージョンは後半交代出場のFBマーク・ジェラードがキッカーを務め、難なく決めて19-0と得点を重ねる。
前半は密集戦でボールを何度も奪われるなど、相手にお株を奪われるような思いをしたFWだが、後半はアグレッシブに攻め続けた。

さらに15分、マツダ陣の22メートルライン付近でShiningArcsのラインアウトとなる。ここで、スローワーのHO種本直人が投げ込んだボールをキャッチすると、すぐさまHO種本にリターンパスで戻し、そのまま自ら持ち込んでトライ。意表をついたサインプレーを決めて追加点を挙げ、24-0とする。コンバージョンは惜しくも外れる。この頃にはマツダはスタミナがかなり消耗してきたのか、前半のような激しさは消え、タックルも甘くなっていた。
24分、ゴール前のスクラムからNo.8川上利明がサイドアタックを仕掛けると、FWがこれに続いて手渡しのパスでつなぎ、ゴールラインに迫る。相手のタックルに持ちこたえながらボールを経由していくと、最後はPR秋葉俊和がボールを全身で抱え込むように突進して右中間にトライを決める。コンバージョンも決まり、31-0とする。FWによる4連続トライで得点を一気に稼いだ。
後半も終盤に差し掛かり、サポーターの興奮もヒートアップしてきたところだが、FBマーク・ジェラードがさらに会場を沸かせる。

30分。自陣10メートル付近でパスを受けたFBマーク・ジェラードは自ら敵陣に切り込んで、スピードに緩急をつけながら絶妙なステップで相手をかわし、ディフェンスに触れられることなくそのまま左中間にトライを挙げる。コンバージョンも決めて38-0とすると、さらに34分。またも自陣10メートル付近でパスを受けたFBマーク・ジェラードが、ディフェンスとの距離感を見極めつつ、次々と相手をかわしてボールを持ち込んだ。しかし、今度はゴール前で相手に捉まってしまう。だが、後ろからFLブラッドリー・ミカがフォローについていることを確認していたため、相手のタックルを受けながらもノールックパスでFLミカにボールをつなげた。最後はさらにフォローについていたWTB佐藤晴紀がラストパスを受け、右隅にトライを決める。コンバージョンは外れたが、43-0として、試合を決定的なものにする。目が覚めるような個人技もさることながら、仲間を信じているからこそ生まれた連携プレーであった。

不完全燃焼気味であった前半とは打って変わり、後半は通算6トライを挙げ、しかも失点することなくこのままノーサイドとなった。ShiningArcsはトップチャレンンジシリーズ初戦を見事完封勝利で飾り、トップリーグ昇格へ大きく前進した。第2戦となる、トップウエスト1位の対豊田自動織機戦は、1月30日に、秩父宮ラグビー場で行われる。トップリーグ昇格の決定は来週に行われる豊田自動織機対マツダブルーズーマーズ戦の結果に左右されるが、昨年の雪辱を晴らすためにも勝利を期待したい。
新たな歴史を刻むこととなろう一戦に、ぜひ多数の皆さまの応援をお願いいたします。

山本和林監督のコメント

山本和林監督

前半を終えた段階では、我々コーチ陣にも選手達にも、こんなはずでは無いという想いがありました。1位グループという初めて立つステージであること、そして初めての地で初めて対戦する相手ということに、精神的に追い立てられたところもあって、違う自分たちになってしまったのではないかと思います。後半はまずはしっかりボールを獲得しようと、FWが再奮起してくれたことで、自分たちのリズムが掴める様になりました。次戦の相手の豊田自動織機さんは、昨年よりもまた一段と力をつけてきていると分析しています。真正面から全力でぶつかっていきます。

シャノン・フレーザーヘッドコーチのコメント

シャノン・フレーザーヘッドコーチ

まず一つ言えるのは、今日はスタートが非常に悪かったということです。今季を振り返ると、どうも宿泊をしてからのアウェーでの試合は、今日のようにスタートが悪い場合が多いように思えます。その原因は、メンタル面の弱さにあると思います。ただ、後半にしっかり修正できたことは評価できることです。間違いなく次の豊田自動織機戦は、昨年の借りを返すためにも重要な試合です。ですが、特別視することなく、チームスローガンに掲げる「FIRST」の言葉の通り、我々はあらゆる戦いの中で1位を狙っていくだけです。今季を通じて我々がどれだけ進歩したのかを知るためには絶好の機会ですので、ファンの皆さま、ぜひグランドに足を運んでください。よろしくお願いします。

中山浩司キャプテンのコメント

中山浩司キャプテン

前半は、ブレイクダウンでマツダさんがしっかり人数をかけてきたのに対し、こちらが遅れてしまうことが多く、マツダさんのプレッシャーを受けてしまいました。リズムが掴めなくて得点に結び付けなかったです。後半ではしっかりボールをキープして、相手よりも早くサポートにまわれるように修正することが出来ましたので、自分たちのラグビーが出来たと思います。豊田自動織機戦では前半から自分たちのプレーが出来るように、これからの2週間でしっかり準備をしていきたいと思います。

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