試合日程・結果

メンタルの大切さを思い知らされた試合

ShiningArcs

33

VS

釜石シーウェイブス

21

10月31日、2009年度トップイーストリーグ第6戦はアウェーの地、いわきグリーンフィールドで行われ、ShiningArcsは釜石シーウェイブスと対戦した。木々が色づき始め、都心より一足先に秋の訪れを感じさせる遠方にも関わらず、この日も多くのサポーターの方々が応援に駆けつけてくれた。

幸先の良いスタートを切ったと思われたが…

前節では勝利を収めたものの、思わぬ苦戦も強いられた。六日間という短いインターバルで試合を迎えて、チームはどこまで調整できたのか。
ShiningArcsが風上に陣を取って試合が始まると、前半5分、センターライン付近でのラインアウトからBKが右サイドに展開。WTB菊池功一郎まで渡り、ステップでデフェンスを切り崩しながらゲインすると、ラックで一度ポイントを形成。前のめりになった勢いを止めることなく、今度はCTB川本祐輝が逆サイドに展開、WTB友井川拓にパスが渡ると、相手の対応の間も与えず、左隅みに先制トライを決める。コンバージョンは惜しくも外れるが、5-0。スピイディーなアタックを見せ、幸先の良いスタートを切った。

コンタクトの強さに定評のある釜石シーウェイブスは、その評判通り、ボールを持つと縦への突破を繰り返し、パワフルなアタックをたたみ掛けてくる。ShiningArcsはこれに対し、低く前へ出たタックルでディフェンスラインを割らせることなく応戦する。しかし、ブレイクダウン(密集)の場面では、劣勢を強いられることが多かった。ディフェンスでは相手のボールを奪うことが難しく、アタックでも相手のプレッシャーにより、味方へのボールの供給が遅れてしまい、ShiningArcsが得意とする突破力のある選手を起点とした連続攻撃も不発に終わってしまう。
先制のトライからおよそ20分間、陣地を押しては返される平行線を辿った展開が続いたが、激しいコンタクトによる消耗からか、または思うように展開できない苛立ちからか、油断が生まれる。26分、相手FWによる縦への連続攻撃により、ぐいぐいと陣地を下げられるとディフェンスラインを整えるのが追いつかず、密集のサイドに一瞬空いたスペースに走りこまれそのまま中央にトライを奪われてしまう。コンバージョンも決められ、5-7となり、逆転を許す。

屈辱的な中央突破を許し、気を引き締めなおしたのか、SO君島のプレースキックで試合を再開すると、ShiningArcsはFW、BK一体となった攻撃で反撃に打って出る。28分、CTB川本が右サイドに展開、前へ出たところでCTB JP・ネルが手渡しのパスを受け、さらにゲインを切ると、相手に捉まるがPR秋葉俊和がこれをしっかりフォローする。足を掻き前進しながらモールを作ると、密集の真ん中にスペースが空き、CTB JP・ネルがこれを見逃さないで再びボールを受けるとそのまま走り抜けて中央にトライを決める。SO君島のコンバージョンも決まり、12-7と、再びリードを奪い返す。
だが、ShiningArcsは、この波に乗ることができず、また、相手の強いプレッシャーも緩まず、試合は再び激しい肉弾戦が続く展開となる。
前半終了間際、釜石シーウェイブスにホームでの意地を見せられる。自陣ゴール前で相手FWがモールを形成、じりじりと押し込まれゴールラインを脅かされるが、ShiningArcsも低く構えて耐え凌ぐ。しかし相手も食い下がる様子を見せず、なおも相手FWのプレッシャーを受ける。ゴール前で緊張した時間が続く。41分、ついに反則を犯してしまい、相手のスクラムとなると、ここで緊張の糸が切れてしまったのか、あっさりとNo.8のサイドアタックを許してトライを奪われる。コンバージョンも決められ12-14と、再逆転を許す。前節に続きビハインドを背負ったまま前半を折り返した。

ハーフタイム、ピッチから控え室に戻る選手の顔には、思うようにプレーをさせてもらえなかったことの悔しさがにじむように見えた。前半は、モールやラックなどの相手とのコンタクトのある接点で苦戦を強いられて、結局最後まで試合の流れを呼び込むことができなかった。

相手の気迫に押され、最後まで本来の力を出し切れず

相手の勢いを断ち切り、巻き返しを図りたい後半だったが、敵地で戦うことの難しさなのか、相手も簡単には譲らなかった。しびれるような時間が続く中、ようやく得点が動いたのは、後半15分。相手の反則によりペナルティを獲得し、まずは逆転を狙いPGを選択。ここで、後半交代出場のFBマーク・ジェラードが、この日キックが不調だったSO君島に代わってキッカーを務める。若干の向かい風ではあったが、難無くPGを成功。15-14としてようやくビハインドは返したが、一点差のわずかなリード。更なる追加点を目指す。
23分、敵陣22m付近でラックから左サイドに展開、後半交代出場のHO加藤昭仁、CTB川本とパスを回すと、相手ディフェンスが一枚足りずWTB友井川の前が開いた。WTB友井川はこのチャンスを確実に決め、左隅にトライを叩き込み、20-14。コンバージョンは惜しくも外れる。

さらに32分、SO君島が自陣から敵陣22mラインまでボールを深く蹴りこむと、相手BKが対応に回るがWTB菊池がすぐ後を追っていた。相手の対処ミスからボールはWTB菊池に転がり、そのまま右隅にトライをねじ伏せた。コンバージョンは決まらなかったが、25-14とし、この日初めて1トライ差以上のリードを奪った。ところが、まだ釜石シーウェイブスの勢いは断ち切れてはいなかった。
38分、自陣15m付近からモールで一気にゴール前までラッシュを掛けられると、そのまま押し込まれて追加点を許してしまう。コンバージョンも決められ、25-21と、逆転の射程内に迫られる。

再び緊張の時間が訪れた。だが、41分に敵陣でペナルティを獲得すると、冷静に判断してPGを選択。FBマーク・ジェラードが落ち着いて決め、28-21。最悪の危機は脱するものの、ロスタイムは4分と告げられ、なおも予断は許されない。試合終了間際、ようやく決着が着く。FBマーク・ジェラードがタッチを狙って蹴りだそうとしたところ、プレーを切りたくない相手ディフェンスがボールを何とか叩いて戻し、インプレーとしたが、WTB友井川がしっかりと追いかけていて、このボールを拾いそのまま決勝のトライ。33-21となり、ここでようやくノーサイド。厳しい戦いであったが、結果としてShiningArcsは5トライを挙げて勝利し、開幕試合以来連続しての勝ち点5も収めることができた。

だが、決して手放しで喜べる試合内容では無い。シャノン・フレーザーHCは、「もっと点数を取れる場面もあったはずだが、満足のいく結果を残せなかった。」と試合後コメントを残したように、スキルレベルでも、フィットネスレベルでも、ShiningArcsはチームとしての潜在的な能力は勝っているはずだ。しかし、釜石シーウェイブス選手全員の必死さ、気迫といったメンタリティレベルでは負けていたのではないだろうか。それは、厳しい練習を重ねてきた選手たち自身が一番身をもって実感したに違いない。次戦では、最高のパフォーマンスでメンタリティの立て直しを実証してくれることを期待したい。

トップイーストリーグ第7戦となる対セコムラガッツ戦は、11月15日。舞台はホームに戻り、NTT千葉総合運動グラウンドで行われる。また、11月7日にはトップリーグの強豪、サントリーサンゴリアスを迎えてのサテライトリーグも行われる。この2連戦が、今季最後のホームでの試合となる。ぜひ多くのファンの方々に応援に駆けつけていただきたい。

山本和林監督のコメント

山本和林監督

釜石さんが試合に臨む姿勢に対し、我々が少し浮き足立っていた部分があったかもしれません。その差が、今日のように苦しい展開を招いたと思えます。私たちも常に危機感を持って、高い意識で試合に臨もうとしていますが、今回は改めてメンタリティーの重要さを痛感させられました。

シャノン・フレーザーヘッドコーチのコメント

シャノン・フレーザーヘッドコーチ

アウェーでの対戦でしたが、勝ち点5を取って勝利したことは良かったと思います。しかし、プレーのミスや状況判断のミスなどによって、本来取れるべき得点を、スコアボードではなく、フィールドに残したまま試合を終えてしまったことは反省すべき点だと思います。また、試合に臨む選手達の意識に、弱さがあるように感じます。これからもっと強いチームと対戦していく上では、この弱さは絶対に克服していかなければいけません。スキルやフィジカルは確実に向上していますので、チームレベルとしてのメンタリティーを作っていく必要があります。

佐藤元太選手のコメント

佐藤元太選手

自分たちがやろうとしているプレーが出来ませんでした。強いプレッシャーにも対抗できるように修正していくことが必要だと感じました。これまで勝つには勝ってきていますが、まだ満足のいく内容は残せていません。まだまだこれから強いチームと対戦していきますから、高い意識を持って調整していきたいと思います。

友井川拓選手のコメント

友井川拓選手

立ち上がりで一本トライを取ることができて流れに乗るかと思いましたが、相手のペースに乗せられて受けに回ってしまい、思うように試合を組み立てることが出来なかったです。スキルなどの面ではレベルアップしていると思います。しかし、試合に臨む意識が足りなかったのか、前節に続いて立ち上がりが良くないので、メンタルの部分もさらに改善していく必要があると思います。

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