
NTTコミュニケーションズ(略称:NTT Com)は、独立行政法人情報通信研究機構*1(理事長:宮原秀夫、略称:NICT)の委託研究「異種ネットワーク相互接続環境下における最適情報通信サービス実現のための制御技術の研究開発」の一環として、多様なサービスを円滑に利用するための通信制御技術を開発しており、本日、複数の地方公共団体の協力の下でこの技術を用いた実証実験を完了し、その有用性を確認しました。
近年のICT(情報通信技術)の進歩により、全国各地の公共ネットワークはブロードバンド化を始めとした整備が急速に進められています。しかし、これらの公共ネットワークはそれぞれ異なった設計思想や接続条件に基づいて構築されており、相互に接続する仕組みが未整備であるため、全国規模で統一したサービスを提供するまでには至っておりません。
つきましては、本研究開発では、国や自治体を相互に接続した環境において、全国規模の公共サービスを効果的に相互利用するための通信制御技術を開発しています。
・複数レイヤ*2にまたがった環境情報に基づく最適通信制御技術
全国規模の公共サービスを構成する各地域のサービスを連携させる際、SOAP*3メッセージ中に含まれるIDや付加情報を読み取り、誰が(ID所有者の権限)どこから(所在地)、どのような環境で(通信速度や端末の種類)通信を行っているかなどのアプリケーションレイヤの情報と、IPアドレスなどのネットワークレイヤの情報とを組み合わせた環境情報により、各利用者の優先度に応じた最適なサービスを自動的に選択・配信するなどの通信制御を行うことができます。
従来の方式では、特定の権限の利用者のみに特定のサービス配信を可能にするなど、サービス提供の制御は利用者権限に対して固定的でしたが、本技術では複数のレイヤから自動収集する環境情報と利用者のサービスに対する状況毎の満足度を指標化し、その指標に基づいて各利用者の優先度を判定するアルゴリズムを実装したことで、サービスの選択・配信やネットワークの帯域制御を動的に行うことができます。これにより異種ネットワーク環境下において、サービス提供に係わる環境を総合的に考慮した最適な制御を行うことが可能になります。
この技術をネットワーク・プラットフォームの基盤機能として利用することにより、すでに使われているアプリケーションに手を加えることなく、公共サービスにおける通信の最適制御が実現できます。
今回開発した技術の検証を行うため、兵庫県三木市および千葉県浦安市の小学校を、県の情報ハイウェイなどの地域公共ネットワークやJGN II*4を介して相互接続した実証実験環境を構築しました。
この環境下で、児童の出欠情報などを扱う校務アプリケーションや学校の様子を配信する映像情報アプリケーションを使い、緊急時にネットワーク帯域などが逼迫する事態が発生した場合に、利用者(自治体職員、教職員、保護者など)権限などの環境情報およびその予測される満足度に応じて、各利用者へサービスの種類や帯域幅を変えて提供するといった、複数のレイヤにまたがりながら動的に最適制御を行う実証実験に成功しました。
NTT Comは本研究開発で得た成果を関連団体などに報告し、公共ネットワークの相互接続に向けて標準化を進め、全国規模で統一した高付加価値サービスを実現できるよう、引き続き研究開発を進めていきます。