平成14年4月17日
報道発表資料
NTTコミュニケーションズ株式会社
株式会社 日立製作所
日本オラクル株式会社


東京・大阪iDC間でギガビット・クラスの遠隔SAN(ストレージ・エリア・ネットワーク)間
通信実験に国内で初めて成功

−3社の連携により、ミッション・クリティカルな情報システムの耐災害性の向上と
ビジネス継続性を確保するネットワーク・ソリューションを開発−


 NTTコミュニケーションズ株式会社(略称:NTT Com)、株式会社 日立製作所(以下、日立製作所)、並びに、日本オラクル株式会社(以下、日本オラクル)は、東京・大阪iDC(*1)間でのギガビット・クラスの長距離・超広帯域IPネットワーク(*2)を用いた遠隔SAN(ストレージ・エリア・ネットワーク)(*3)間通信実験に成功しました。
 東京・大阪間の実回線を使用したギガビット・クラスの超広帯域IPネットワークによる大規模SAN間通信としては、国内で初めてのものです。

 ミッション・クリティカルな情報システムを有する企業にとっては、地震などの災害時におけるビジネスの継続性(*4)を確保し、情報システム停止に伴うビジネス機会の損失を最小限とするため、遠隔バックアップ・サイトの構築や運用は必須の課題となっています。しかしながら、従来は超広帯域ネットワークを使用したバックアップ・サイト構築は伝送帯域、距離による遅延、コスト・パフォーマンスなどの課題があり、実現することは難しいと考えられてきました。
 今回の実験では、NTT Comの超広帯域IPネットワーク・サービス(ギガウェイ・サービス(*5)、および、ギガイーサ・プラットフォーム・サービス(*6))を用い、NTT情報流通プラットフォーム研究所(以下、NTT研究所)の技術と日立製作所の大容量ストレージ・テクノロジー、並びに、日本オラクルのデータベース・テクノロジーを結集したソリューションにより、毎秒数千トランザクションを超える大規模データベース・システムやテラ(*7)バイト・オーダのデータベースを有するシステムの遠隔バックアップ・サイトが実用可能であることが実証されました。
 今後、NTT Com、日立製作所、日本オラクルの各社は、それぞれのテクノロジーと今回の成功により得たノウハウを活用し、それぞれの事業分野で、ミッション・クリティカルな情報システムの耐災害性の向上とビジネス継続性を確保するネットワーク・ソリューションを提供して参ります。


<実験概要>
(1) 各社の役割
NTTコミュニケーションズ
 実験コーディネート
 回線提供(ギガウェイ回線、ギガイーサプラットフォーム回線)、データセンター提供
日立製作所
 ストレージ装置提供、サーバ装置提供、ストレージ関係テスト
日本オラクル
 データベース関係テスト

(2) 実験内容
 NTT研究所によるレイヤ接続技術(*8)とNTT ComのIPネットワーク技術による高信頼、かつ、高セキュアでコスト・パフォーマンスに優れたギガビット・クラスの長距離・超広帯域IPネットワーク・サービスを用いて、東京・大阪iDC間でSAN同士を接続し、遠隔ミラーリング(*9)、遠隔バックアップ(*10)を伴う遠隔バックアップ・サイト実証実験を行いました。
 本実験では、日立製作所の高信頼・大規模RAIDディスク(*11)である、SANRISE 2000シリーズ(*12) とHITACHI9000VシリーズEnterpriseサーバ(*13)上に日本オラクルのデータベースであるOracle9i TM(*14)によりミッション・クリティカルな情報システム(別紙参照)を構築し、HORC(*15)などの災害回復技術(*16)の性能検証を行いました。
 具体的には、
(1) 遠隔バックアップ・サイトへのデータベース・バックアップ
(2) 遠隔バックアップ・サイトへの同期・非同期モード(*17)でのデータベース・ミラーリング
(3) ホスト・システムデータベースに重大なトラブルが発生した際の、遠隔バックアップ・サイトへのフェイル・オーバー(*18)によるビジネス継続性の確保
の項目について、実証実験を行いました。


 本実証実験の結果、ギガビット・クラスの長距離・超広帯域IPネットワーク・サービスを使用して遠隔バックアップ・サイトを構築することにより、災害回復に十分実用的な性能を発揮することが確認され、ミッション・クリティカルな情報システムを有するエンタープライズ・ユーザがビジネス継続性を確保するためのネットワーク・ソリューションの提供が可能となります。


参考資料:遠隔ストレージ実験関係会社

(*1)iDC:
Internet Data Centerの略
(*2)IPネットワーク:
伝送プロトコルとして、IP(Internet Protocol)を使用したネットワーク
(*3)SAN(ストレージ・エリア・ネットワーク):
FC(Fibre Channel)プロトコルを使用して、サーバとストレージ間を繋ぐ専用ネットワーク
(*4)ビジネスの継続性:
ビジネス・コンティニュイティとも呼ばれ、災害などにより発生した障害から情報システムだけでなく事業活動全般に渡って復旧を行い事業活動を継続させること
(*5)ギガウェイ・サービス:
NTT Comが提供する、最大2.4GbpsのSONET/SDHインタフェースの超高速専用線サービス
(http://www.ntt.com/gigaway/)
(*6)ギガイーサ・プラットフォーム・サービス:
NTT Comが提供する、最大1Gbpsのイーサ・インタフェースのイーサ・ネットワーク・サービス
http://www.ntt.com/gigae/
(*7)テラ:
10の12乗(1テラ・バイトは1兆バイト)
(*8)レイヤ接続技術:
iDCサービスの継続性を実現するために各レイヤ間(WDMネットワークとIPネットワーク間、IPネットワークとSAN間など)での機能の重複や不整合を補い複数レイヤにまたがるサービスの可用性を向上させる技術
(*9)ミラーリング:
データの複製を別の場所にリアルタイムに保存すること
(*10)バックアップ:
データの写しを取って保存すること
(*11)RAIDディスク:
複数のハードディスクをまとめて1台のハードディスクとして管理する技術を用いた記憶装置
(*12)SANRISE 2000シリーズ:
日立製作所が提供する本格的なSAN環境に対応する新世代のディスクアレイサブシステム
http://www.hitachi.co.jp/Prod/comp/storage/diskarray/index.html
(*13) HITACHI9000VシリーズEnterpriseサーバ:
日立製作所が提供する高性能と拡張性を備え、豊富な実績を誇るEnterpriseサーバ
(http://www.hitachi.co.jp/Prod/comp/OSD/ws/h9000v/sv_l.htm)
(*14)Oracle9i TM
日本オラクルが提供するE-Businessプラットフォーム
http://www.oracle.co.jp/9i/index.html
(*15) HORC:
Hitachi Open Remote Copy。SANRISE2000シリーズが提供するサブシステム間遠隔二重書き機能
(*16)災害回復技術:
ディザスタリカバリ技術ともよばれ、致命的な大惨事というレベルの障害からの復旧技術
(*17)同期・非同期モード:
ホストからの書き込みに同期してミラーリングする方法とホストからの書き込みとは同期せずミラーリングする方法
(*18)フェイル・オーバー:
サーバに障害が発生した場合に、代替サーバが処理やデータを引き継ぐ機能


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