GIGAスクール構想の現状と課題

GIGAスクール構想の現状と課題

文部科学省が主導し、全国の公立学校で学ぶ児童・生徒に対して1人1台の学習用端末と高速ネットワークを整備すべく2019年に始まった「GIGAスクール構想」。2023年度を迎えた現在、その目標はほぼ達成された状況にあります。しかし、こうしたハード面の環境整備は、あくまでも新しい教育を実現していくためのスタートにすぎません。一人ひとりの子どもたちを主体とした授業や教職員の校務改革など、アフターGIGAスクールとして目指していく姿を紹介します。

目次

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GIGAスクール構想の現状

文部科学省が2022年10月に公表した「令和3年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果(概要)」によれば、全国の公立学校(小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校及び特別支援学校)における教育用コンピュータ整備率は平均値109.2%となっています。GIGAスクール構想で目標とした1人1台を上回る端末の配備が達成されたと捉えてよさそうです。【図1】

また、教員の校務用コンピュータ整備率についても2022年3月1日時点で125.4%となっており、1人1台を上回る端末の配備が達成されています。【図2】

なお、これらの整備済み端末におけるOSの割合(台数ベース、2021年7月末時点)を見ると、最も多いのが ChromeOS (40.1%)で、Windows(30.4%)、iOS(29.0%)が続いています。

画像:教育用コンピュータ整備率
画像:教員の校務用コンピュータ整備率

出典:文部科学省 「令和3年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果(概要)」(2022年10月) P10(図1)、P6(図2)

GIGAスクール構想の課題

上記のようにGIGAスクール構想のハード面については、順調に目標が達成されています。ただし、ここであらためて問われるのがソフト面での教育の実施状況です。

文部科学省が全国の都道府県および市町村に対してアンケートを実施した「GIGAスクール構想に関する各種調査の結果(令和3年8月)」によれば、1番目と2番目の課題として「学校の学習指導での活用(701/1761団体、39.8%)」「教員のICT活用指導力(631/1761団体、35.8%)」「持ち帰り関連(568/1761団体、32.3%)」が多く挙げられています。

GIGAスクール構想の本来の目標を達成するためには、単に1人1台の学習用端末を整備するだけでなく、教える側にもITリテラシーが強く求められます。地域間・学校間の格差も生じており、これらの課題の解消に総合的に取り組む必要があります。

画像:自治体におけるGIGAスクール構想に関連する課題について

出典:文部科学省 「GIGAスクール構想に関する各種調査の結果」(2021年8月) P21

アフターGIGAスクールのあり方

児童・生徒が主体となったアクティブラーニングをいかに推進し、同時に教職員のITリテラシー不足を解決していくのか。この答えを模索する中で文部科学省では、「MEXCBT(メクビット)」というオンライン学習システムおよびその関連システムである「学習eポータル」の開発展開を進めています。

MEXCBTは、児童・生徒が学校や家庭において国や各地方自治体の公的機関が作成した問題を活用し、オンライン上で学習やアセスメントができる公的CBT(Computer Based Testing)プラットフォームです。

2021年12月から希望する全国の小・中・高等学校等での活用をスタート。2023年3月現在、約2万5000校の約840万人の児童・生徒・教職員が登録し、日常の授業や家庭学習はもとより、教育課程研究センターが実施する全国学力・学習状況調査、地方自治体が独自に実施する学力調査まで、幅広い用途での活用を推進しています。

一方の学習eポータルは、GIGAスクール構想に基づき整備された1人1台の学習用端末と高速ネットワークを活かしたデジタル学習環境のコンセプトです。学習eポータルがハブとしての役割を果たし、デジタル教科書・教材や学習用のツールなどの部品をあたかもブロックのように組み上げることで、児童・生徒および学校のニーズに合ったデジタル学習環境を構築します。学習eポータルはクラウド上で動作するため、学校側にサーバーの設置やソフトウェアのインストールなどは必要ありません。

これによって「Society 5.0時代を生きる子どもたちに相応しい、誰一人取り残すことのない公正に個別最適化され、創造性を育む学びを実現する」と掲げた、GIGAスクール構想の真の目標達成を目指します。

校務改革も含めたトータルな教育DXへ

一方、学校現場では Google Workspace for Education やMicrosoft 365などのクラウドサービスの導入も進んでいます。これらのツールと上述の学習インフラをSSO(シングルサインオン)で連携させることにより、教職員の校務改革も含めたトータルな教育DXへの道筋が見えてきます。たとえば下記のような課題解決が可能となります。

  • 教育スケジュールおよび教材を一括した管理
  • スタディログに基づいた学習状況の見える化
  • 家庭など学校外での学習状況の把握
  • 一人ひとりに適した教材や課題の割り当て
  • 児童や生徒自身によるデータを元にした振り返り
  • 指導要領コードをベースにしたテスト結果や教科書・教材の連携
  • 進学や転校時のスタディログの引継ぎ
  • スタディログの児童・生徒自身への還元
  • MEXCBTに集約したデータのビッグデータ化による分析とEBPM(エビデンスに基づく政策立案)の実現

まとめ

GIGAスクール構想に基づいた小中学校における端末整備はほぼ完了し、教育現場の取り組みは、アフターGIGAスクールとも言うべき次のフェーズに移っています。ここで浮上してくる多岐にわたる課題解決で求められるのはソフト面の充実にほかなりません。

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