デジタル化は中小企業の課題解決にどう役立つか?

デジタル化は中小企業の課題解決にどう役立つか?

中小企業のデジタル化は、今や企業の生産性の向上や売上アップに必須といわれており、政府や自治体の後押しもあって、デジタル化を進める企業が増えています。しかし、何からデジタル化を始めればいいのか、また何が変わるのかが見えづらく、進められないケースも少なくありません。
ここでは、中小企業のデジタル化はなぜ必要なのか、どう進めていけばいいのかを解説します。

目次

1.企業のデジタル化とは?

「企業のデジタル化」とは、大きく2つのことを意味します。
ひとつは、従来アナログで行っていた業務をデジタルで行えるようにすること。たとえば、紙で発行していた請求書をPDF化してメールで送付する、対面で行っていた会議をWeb会議にするといったものです。

もうひとつは、デジタル技術やデータを活用して、新しい価値を創造することです。たとえば、既存の製品にloT(Internet of Things:モノがインターネットにつながる仕組みのこと)を組み込むことで遠隔制御を可能にする、製造ラインにAI搭載カメラを投入して自動で不良品を発見できるようにするといったものです。

デジタル化といっても、業務のペーパーレス化、テレワークの導入、データをデジタル化して作業情報を共有できる体制の確立、loTを組み込んだ製品の生産など、さまざまな形があるわけです。

2.中小企業のデジタル化が必要とされる理由

中小企業のデジタル化が必要とされる理由

中小企業のデジタル化が必須といわれ、政府も力を入れて推進しているのは、中小企業が抱えるさまざまな課題の解決に役立つからです。
ここからは、中小企業の代表的な6つの課題について、デジタル化による解決方法と導入事例を併せてご紹介します。

1.人手不足を解消したい

人手不足は、多くの中小企業が悩む問題です。日本の生産年齢人口は1990年代をピークに減り続けており、2020年時点で7,406万人。2065年には4,529万人になるとの予測で、今後も人材の確保が厳しい状況は変わりそうにありません。
このような状況の中で人材不足を解消するには、少人数でも業務を行える体制を整えていくことが重要になります。

・デジタル化による解決方法
この問題では、人間が手作業で行っているルーティン業務を自動化できる「RPAツール」の活用がおすすめです。
たとえば、NTTグループのRPAツール「WinActor®」は、Windows上で操作可能なアプリケーションで、業務の手順を学習した上、自動で行うソフトウェア型ロボットです。日々の報告書作成やオーダーメイド製品の受発注処理、フォーマットへ転記しての売上報告書の作成など、従来人の手で行っていた業務の自動化が可能で、少ない人数での業務継続につながります。
・導入事例
農業用肥料や資材などを受注販売している農業協同組合さまで、約3万人の組合員さまから受ける注文書の処理に「WinActor®」を導入。注文内容の読み取り、商品ごとの集計、各組合員さまの購買記録作成などを自動化することで、手入力の場合と比較して作業時間を8割短縮できた例があります。

2.人材の定着率をアップさせたい

中小企業の離職率は大企業より高い傾向がある中、人材をいかに定着させるかも大きな課題です。この問題の解決策のひとつが、遠隔地でも仕事ができる環境を整えることです。

・デジタル化による解決方法
テレワークの導入やクラウド型コミュニケーションツールの活用など、柔軟な働き方を可能にすることで、子育て中や介護中の従業員も働きやすくなり、地方や海外の人材を活用することが可能となります。
・導入事例
ドコモのスマートフォン・携帯電話を内線化する「オフィスリンク」を使って、在宅勤務時も会社と変わらない電話環境を整えた例や、場所を選ばずビジネスチャットができる「WowTalk」を導入することで、社外にいる従業員とも円滑で、スムーズなコミュニケーションを実現した例があります。
また、さまざまなツールがそろった「Microsoft 365」とマイクロソフトのクラウドストレージサービス「OneDrive for Business」、クラウド型Web会議・チャットサービス「Microsoft Teams」をセットで導入することで、遠隔地にいる相手とクリアな映像・音声でコミュニケーションが可能な環境を作った例もあります。

3.業務の効率化を行いたい

通常業務に欠かせないツールでも、人力で定期的にチェックやメンテナンスが必要なもの、確認できる場所が限られるため外出先で使用できないものなどは、優先的に別サービスへと切り替えましょう。

・デジタル化による解決方法
メンテナンスの手間を低減できて、どこでも使用可能なツールを導入することがポイントです。従来のやり方で発生していた手間がかからなくなり、業務にかける手間も時間も短縮できます。
・導入事例
クラウド型メール機能のあるサービス「 Google Workspace 」や「Microsoft 365」に切り替えれば、自社メールサーバー管理の負担を低減できます。大容量な上、容量の追加も簡単で、どちらも独自ドメインを設定できるため企業への信頼性が下がることもありません。
また、顧客からのFAXを確認しに会社に戻ったり、商談の資料として重いカタログを持ち歩いたりするのは大きな負担です。「 Google Workspace 」を導入すれば、FAXやカタログのデータをPDF化してDriveに格納・共有し、外出先でもスマートフォンやタブレットで確認できます。

4.ランニングコストを削減したい

紙の書類の管理には、紙代、印刷代、保管コストがかかります。また、契約書や請求書を作成すると、印刷代などに加えて郵送費や印紙代、印刷・封入・発送などの作業を行う人件費もかかってきます。

・デジタル化による解決方法
上記のようなコストは、書類をペーパーレス化することで削減できます。電子帳簿保存法の改定により、帳簿や領収書、請求書などは、一定の条件を満たせば電子データによる保存が可能となりました。また、契約書類については電子署名法により、電子文書と電子署名も認められていますので、電子データで保存・管理すれば管理の費用も場所もほとんどかかりません。
・導入事例
ペーパーレス化を進めるには、社内業務をオンライン化することが第一歩です。まずは「 Google Workspace 」や「Microsoft 365」といったツールを活用して、クラウド上でファイルを共有する、打ち合わせ資料はWeb会議での画面共有とデータ配布とするなど、取り組みやすいところから始めましょう。

5.情報セキュリティを強化したい

パソコンやUSBメモリにデータを移動させたり、紙に印刷したりして重要情報を持ち運ぶのはセキュリティの面で不安があります。電車内での置き忘れや紛失は、重要情報の漏洩にもなりかねません。

・デジタル化による解決方法
上記の問題を解決するのに役立つのが、手元の端末からインターネット経由で社内のパソコンに簡単にアクセスできるRDS(リモートデスクトップサービス)です。
中でも、ドコモが提供する「Splashtop」は、申込みから3ステップで導入でき、なめらかな動作でストレスを感じず作業が可能です。デバイス認証や2段階認証などにも対応しており、契約書や個人情報といった機密性の高いデータを扱う部署でもリモートワークができます。
・導入事例
導入事例としては、不動産事業を中心として事業を展開する企業さまが、現場で活躍するスタッフが多いことから、「Splashtop Business Lite」を導入。情報確認のために帰社する必要がなくなり、業務の効率化と生産性アップに成功した例があります。

6.顧客満足度を向上させたい

デジタル化は、顧客満足度の向上にも役立ちます。たとえば、お客様相談窓口といえば電話やメールが一般的ですが、電話がつながりにくい、待ち時間が長い、メールで返答が来るまでに時間がかかるなど、お客さまからの不満も少なくありません。

・デジタル化による解決方法
「FAQチャットボット」を導入すれば、よくある質問に関しては応答を自動化できます。24時間365日対応可能ですし、同時に大量の顧客対応ができるので、オペレーターは人でなくては対応できない本当に重要な案件に集中することが可能です。待ち時間が短くなるので、顧客満足度の向上も期待できます。
・導入事例
ツールを活用して顧客満足度を向上させた事例としては、総合印刷会社さまがスピーディーな顧客対応をめざして「 Google Workspace 」を導入。クラウドへのデータ保存・共有で、どこからでも業務が進められる環境により時間のロスが削減され、生産性・顧客満足度が向上しました。

3.デジタル化ツールは、すべてを導入する必要はない

一口にデジタル化といっても、中小企業のデジタル化に役立つツールは数多くあり、取り組み方もさまざまです。しかし、すべてを導入する必要はありません。

デジタル化は、あくまで中小企業の課題を解決するための手段です。その目的は、人材不足の解消や業務の効率化といった各企業の課題を解決することですから、自社の状況に合わせて必要なものを選び、優先順位をつけて段階的に導入していくのがおすすめです。

4.デジタル化は中小企業の課題解決に役立つもの

中小企業のデジタル化は、人手不足の解消や業務効率化、顧客満足度の向上など、企業が抱える課題の解決に役立つものです。

ドコモでは、リモートワークの環境構築からペーパーレス化によるコスト削減、業務効率化による少ない人数で業務継続が可能な環境の構築まで、中小企業が抱えるさまざまな課題の解決に役立つサービス・ツールをご提供しています。
導入企業の事例やそれぞれのサービス・ツール、取り組みなどもご紹介していますので、ぜひお問い合わせください。

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