

朝の通勤電車で読む日経新聞、毎日届くメルマガ、ネットに溢れる情報、TVや書籍に流れるコネタ… と私たちは毎日たくさんの情報に囲まれて生活しています。ノイズのように流れる情報から、自分にとって本当に役立つものを選び出し、整理活用できていますか?溢れる情報を持て余している人を「情報メタボリック症候群」というそうです。今回は『情報ダイエット仕事術』の著者である堀正岳氏にメタボ予備軍の傾向と解決策を伺いました。
堀 E. 正岳 氏
1973年アメリカ、イリノイ州生まれ。ライフハック、GTD、自己啓発をテーマとしたブログ、Lifehacking.jpの管理者。海外のブログ記事や、自分が実践してきたライフハックや仕事術をちょっといい話にして紹介する活動を続けている。Gihyo.jpにて「ライフハック交差点」を連載中。本業は某国立大学で気候変動・地球温暖化を研究する研究者。理学博士。
本当に必要な1つの習慣を中心にすえ、仕事のスタイルをダイエットすることで、かえって大きな力を自分から引き出すことができる…できるビジネスパーソンが行っている「スリムの習慣」を紹介する書。
「情報を集めたはいいけど、情報量が多すぎてなにから手をつけていいかわからない」…皆さんはこんな経験はありませんか。そう、いくら情報を集めても、活用できなければ意味がありません。このような「情報メタボ」の人には、共通のクセ、ついやってしまう行動があるようです。情報メタボ検診で、まずはあなたのメタボ度をチェックしてみましょう。
いかがですか。意外と当てはまる項目が多かったのではないでしょうか。情報メタボやメタボ予備軍の方には共通の特徴があると話すのは、仕事術ブログ「Lifehacking.jp」の管理者である堀 E. 正岳さん。そのあたりを解説していただきましょう。
「情報メタボの方は、情報の整理ばかりしているという特徴があります。情報を集めるというのは情報を脳にインプット※することですよね。インプットされた情報は、アウトプット※されてなんらかの形になってこそ価値を生みます。情報の整理というのは、あくまでアウトプットのための準備に過ぎないわけで、本人は忙しいと思っているかもしれませんが、それでは仕事をしていることにはならない。それに、情報が多いことがストレスになって、自分の能力を出しきれないといった事態にもなりかねません。情報の海におぼれてしまわないよう、情報ダイエットを日頃から心がける必要があるんです」
※インプット コンピューター用語で、情報を記憶装置へ入れること。今コラムの場合、脳という記憶装置に情報を入れること。
※アウトプット インプットしたものを仕事の成果として表すこと。
それでは、情報の海におぼれないためにはどうすればよいのでしょうか。ここで堀さんが勧める「情報ダイエット3カ条」をご紹介しましょう。

フロー情報とは、日々のニュースやメールなど、日を追うごとに鮮度を失っていく情報のこと。これらを集めて取っておく意味はほとんどありません。フロー情報は、基本的には時系列に並べておいて、一定期間が過ぎたら処分することをお勧めします。一方のストック情報は、自分が興味を持ったもの、蓄積されることで価値を生む情報です。たとえば同じニュースでも、ニュースそのものはフロー情報ですが、その中で自分の興味を引くような知的発見があれば、その発見はストックすべき情報といえます。

基本的に仕事というものは、なかなか自分の自由にならないものです。クライアントの都合、納期、予算的制約など、皆さんも日々苦労されているのではないでしょうか。ならば、仕事を管理しようと思わず、時間をしっかりコントロールし、自分のペースで仕事を進めるのが現実的。情報の集め方ひとつ取ってみても、企画やアイデアを練るためにいろんなサイトでソースを探してはいませんか。ソースの入手先を信頼できる1カ所に絞れば、大幅な時間の節約になります。実は有名ブロガーたちも、この手法で時間をコントロールしているんです。

「80:20の法則」とは、「作業にかかる時間や価値は、目安として全体の20%に偏っている」という法則。そう、価値ある情報の80%は、全体の20%の部分に偏在しているのです。逆にいえば、あなたが集めた情報のうち80%は、なくても大きな問題はないということ。大事なのは、この価値ある20%を見極める目を養うことです。日頃からこの法則を頭に入れて、情報ダイエットに励みましょう。
余分な情報を捨てればアイデアを生み出す余裕が生まれる
「情報ダイエット3カ条」が頭に入ったところで、いよいよ実践といきましょう。
「3カ条のその二では情報ソースをひとつに絞るという方法を紹介しましたが、これはインターネット以外でも当てはまります。たとえば新聞や雑誌。信頼できる1紙(1誌)に絞るだけでも、かなりのダイエットになります。テレビの情報番組などは録画・録音しておいて、コマ送りや飛ばしながらチェックした方が効率的ですよね。時間の節約という意味では、たとえば面白くない本や映画は途中でやめてしまうのも大事。メールチェックの回数やウェブ閲覧の時間に上限を決めるという方法もオススメです」
なんだか大変なことのように思えるかもしれませんが、堀さん曰く、なにもかも減らさなければいけないというわけではないとのこと。実際のダイエットでも、あれもダメ、これもダメでは長続きしませんよね。ダイエットすべきはあくまで『過剰な情報と時間の浪費』であることをお忘れなく。
情報ダイエットの効果は、単に情報を減らすだけにとどまらないと堀さんはおっしゃいます。
「情報の取捨に留意する結果、自分なりのフィルターが自然と構築されてきます。実はこれこそあなただけの"ブランド力"なのです。また、インプットとアウトプットを意識することは、業務の"見える化"にも効果があります。情報ダイエットをきっかけに、仕事のスタイルまでスリム化することが可能なんです」
情報化社会といわれる現代、情報を捨てるのはなかなか勇気のいることですが、案ずるより生むが易しです。今年もそろそろも大詰め、新年に向け、新たな気持ちで情報ダイエットに挑戦してみませんか。