法人のお客さま総合 > Business ADVANCE > ICT用語ガイド > GUIDE 019 スマートフォン(Smart Phone)
パート1 ビジネスモバイルの新しい波、スマートフォン
iPhoneの登場で話題となったスマートフォン。各社から法人向け新製品もリリースされ、新しいビジネスツールとしても注目されています。そのスマートフォンとはどういうものでしょうか。
スマートフォンとは、携帯電話、PHSと携帯情報端末(PDA)が融合したデジタルツールです。専用オペレーティングシステム上で独自のアプリケーションの実行が可能であるなど、PCに近い利用が可能な携帯端末を指します。PCで作成したオフィスドキュメントの閲覧/編集が可能で、PCとほとんど同じフルブラウザでインターネットを利用でき、多くの機種は小さいながらもQWERTY配列※1の標準的フルキーボードを備えています。また、PCと同期を取ることにより情報の一元管理やスケジュール管理も可能になっています。
スマートフォンには専用のオペレーティングシステムが採用されていると説明しましたが、その多くはPCで採用されているオペレーティングシステムのモバイルバージョンで、Linux/Mac OS X 10.5(サブセット※2)/Symbian 6.0、7.0/Palm/Windows Mobile 5、6など、どれも実績のあるものばかりです。これらのオペレーティングシステム上で動作するアプリケーションの開発環境は充実しており、多くのネイティブアプリケーションが利用できます。Webブラウザやメーラだけでなく、PCのオフィスソフトウェアと互換性のあるアプリケーションを利用して、ビジネスで標準的に用いられるWord、Excel、PowerPoint、PDFなどのドキュメントをPCと同じように閲覧したり編集することができる点で、通常の携帯電話とは大きく違っています。
通信機能が充実しているため、単体でネットワークを利用したアプリケーションやサービスの利用が可能となります。さらにWebブラウザが搭載されていることから、SFAやCRMなどのアプリケーションをSaaSとして利用することができます。スマートフォンは、ビジネスモバイルに求められるアプリケーションを実行させるプラットフォームとして、理想的なモバイルクライアントといえるのです。


スマートフォンが話題になり、ニーズが高まっているのは、ITが定着したことによるビジネスの高速化とリアルタイム化が挙げられます。
ビジネスにおけるスケジュール管理を見てみましょう。
社員のスケジュールは、部署のホワイトボードなどに書き込まれていることが多く、電話を受けた女子社員などがその社員のスケジュールを確認することで管理していました。メールなどはグループに同胞メールが送信されるようにして、自分が社内にいなくても誰かに見てもらい、電話で確認するようにしていました。グループウェアの導入で、社員が自分のPCからスケジュールを登録/変更したり管理できるようになりました。さらにグループウェアを社内外問わず利用できるようにすることでさまざまな情報が確認でき、取り次ぎなどの手間とコストが削減できるようになりました。多くのスマートフォンにはスケジューラやメーラが搭載されています。これらとグループウェアなどを連動させることで、ノートPCなどを利用できない場所においてもリアルタイムでスケジュール管理が可能になり、スケジュール管理の方法が変わっていきました。
また、ビジネスの進め方の変化も一因です。
ビジネスがプロジェクト単位で行われるようになり、コラボレーションが増えたことで仕事の専門性が高まり、外部スタッフなどとの連携が増えていきました。効率化や生産性向上のために、ダイナミックでリアルタイムのレスポンスが求められるようになると、ITの活用が欠かせなくなってきます。提案書や見積書の作成、メンバーが分散して行なう資料作成など、プロジェクトの進行プロセスでは多くのドキュメント作成が欠かせません。さらにこれらドキュメントの迅速なチェックや素早い承認といった作業も重要なプロセスであり、そのためには社外でも関連資料をすぐに閲覧できたり、最新データのチェックが必要になるとネットワーク機能を搭載したモバイルが必要となります。
これらのニーズにスマートフォンはマッチしています。現在のビジネスに求められている情報端末の要件を、スマートフォンは満たしているといってもいいでしょう。
スマートフォンを利用したビジネス向けソリューションには、どのようなものがあるのでしょうか。
BlackBerry 8707hには、企業内システムと連動させたソリューションが提供されています。BlackBerry Enterprise Serverを利用することにより、ユーザはBlackBerry 8707hからグループウェアやメールサーバ、業務システム、データベース、各種アプリケーションサービスなどと連携することが可能となり、社内でPCを利用するのと同じような感覚で情報を利用できます。ユーザはFOMAネットワークからインターネットを経由して、自社のBlackBerry Enterprise Serverにアクセスします。通信は暗号化により高いセキュリティが保たれており、さらにセキュリティポリシーに準じたアクセス管理が可能となっています。BlackBerry Enterprise Serverは社内のグループウェアやメールサーバと同期を行なうため、グループに届いたメールやスケジュールは自動的にBlackBerry 8707hのアプリケーションと同期されます。これまでは、出かける前にモバイルとPCの同期を行ない、打ち合わせから戻って再度PCと同期を取るなど手間がかかった上、リアルタイムの情報ではありませんでした。BlackBerryを利用することでオフィス環境を社外に持ち出すことができるようになっています。
また、ある大手百貨店では商品管理にW-ZERO3を利用しています。百貨店商品を在庫するバックヤードは狭く、PCを設置する場所はありません。そのため、通信機能とバーコード読み取り機能を持つW-ZERO3を利用して、在庫管理から値札シールの作成までを専用のアプリケーションにより行なっています。
海外に比べ普及が遅れていた日本のスマートフォンですが、ここにきて活性化の兆しが見え始めています。しかしスマートフォン導入が進むかどうかは、企業がスマートフォンに何を求めるかにかかってきます。
社員に携帯電話を持たせている多くの企業では、音声通話とメールの利用が主な目的ですが、同じニーズにスマートフォンを導入するのはあまり意味がありません。なぜならスマートフォンは、パーソナルユースにおいて高機能な携帯電話である以上に、企業システムのクライアントとなる能力を持ったビジネスツールだからです。スマートフォン本来のメリットを活かすためには、システムを含めた導入が必要ではないでしょうか。
ITがビジネスの大きな部分を占めるようになった現在、素早い意思決定のためにもタイムリーにメールや情報をチェックする必要があります。ノートPCを広げてメールチェックするスペースや余裕がない場合や電車などで移動中でも、社外からでも社内メールサーバにアクセスしてメールチェックができ、PCと同じ感覚で添付ファイルを閲覧し編集することができるスマートフォンは、携帯電話やPDAより高機能なモバイルを利用したいと考える企業やノートPCでは俊敏さに欠けると考える企業のニーズを満たしています。ビジネスのワンプロセスを移動中の電車の中やカフェで済ませられるのは、時間を細分化して効率よく使うワークスタイルにマッチしています。 変化し、より高度化するビジネスニーズに最適と思われるスマートフォンは、今後のビジネスのあり方を変える可能性を持っています。今後ともスマートフォンの動向から目が離せません。
