司会者:ここからはいただいている質問をしていきます。「経営陣にSaaS導入の意思はあるけれども、社内業務の変化に積極的ではない方々がいる場合、どのようにDXを進めていけばいいでしょうか?」
竹内:非常に難しい問題ですね。僕自身もシステムを作っていて「これまでこの作業をしていた人たちの仕事を奪ってしまうのではないか」と思うことがあります。
一方、システム化することで、その人たちが本当にしたいことや、もっと創造性のある仕事ができるようになる。この考え方を持っていただくのが重要だと思います。
土肥:過去を振り返ってみると、私が最初にインターネットに触れたとき、インターネットがインフラになるなんて考えてもいませんでした。
今ではもう、会社でインターネットが落ちると大騒ぎです。AmazonやGoogleをはじめ、インターネットなしでは過ごせないですよね。
SaaSを含めて、テクノロジー全般的にそういうものだと思います。ぼやぼやしているとあっという間に取り残されるし、化石化していくということを考えていただきたいなと思います。
司会者:「旧来のシステムから新しいものに入れ替える期間が不便だなと感じたり、もっといいものが出てこないかを見極めてから導入したいのですが……」
竹内:確かに移行は大変ですが、きちんと音頭を取って、新しい良いものにちゃんと乗り換えようと言える人を社内につくっていく、あるいは見つけていくことは重要です。
あとは、データを簡単に乗せ換えられる仕組みを持っておくといいですね。
土肥:良い方向だったらどんどん変わっていいと思います。私たちも昨年、クラウドストレージを変えたのですが、社内では不満を漏らす人もいました。
移行期には必ずネガティブな意見は出ますが、使い始めて本当に良いものだったら馴染んでいくので、恐れずに常に良いものを求めて進化・変化していくのが大切だと思います。
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SaaS導入によってなくなる業務がある一方、それを進化と捉えて、未来の従業員が働きやすい環境づくりをしていくことが求められています。
当日はこのほか「マーケティングやセールスといったフロントオフィスだけでなく、バックオフィスにこそDXが必要な理由」、「テクノロジーの進化と浸透の歴史」などについて、深い議論が交わされました。
レポート記事では紹介しきれなかった部分も多数ありますので、ぜひともアーカイブ動画をご覧ください。