後半猛攻も"千葉ダービー"に惜敗。
2017-2018シーズンのリーグ戦成績は6勝1分6敗に。
国内最高峰の戦い「ジャパンラグビー トップリーグ2017-2018」は、いよいよリーグ最終戦となる第13節を迎えました。
クリスマスイヴの12月24日(日)、NTTコミュニケーションズシャイニングアークス(以下アークス)は、千葉・フクダ電子アリーナでクボタスピアーズ(以下クボタ)と激突。
同じ千葉県に本拠地を持つ者同士の"千葉ダービー"となりました。
アークスは6勝1分5敗でレッドカンファレンス5位(総勝ち点30)。前節のトヨタ自動車戦に惜敗(15-22)し、カンファレンス5位が決定していました。
一方、5勝7敗(総勝ち点22)でレッドカンファレンス6位のクボタは、第13節の展開次第で下部リーグとの入替戦へ回る状況。
入替戦を回避するべく、高いモチベーションで挑みかかってきました。
この日のアークスは、南アフリカ代表の司令塔に成長したエルトン・ヤンチースが、10番で今シーズン初先発。小倉順平はポジション最後方のフルバックでの先発となりました。
曇天の下、千葉ダービーは午後1時2分に戸田京介レフリーの笛でキックオフ。
前半2分、ファーストスクラムで反則を取られたアークスは自陣へ後退。
しかし相手の波状攻撃に対し、自陣22m内でPR三宮累がラックでプレッシャーをかけ、イーブンボールを確保してターンオーバーに成功。
ピンチを脱出したものの、ふたたび自陣インゴールを背負ってのディフェンスで反則(ラインオフサイド)を犯してしまい、ここでクボタがショットを選択。
相手10番がPG(ペナルティゴール)を決め、クボタが3点を先制します。
前半11分にはSH光井勇人のボックスキックに対し、追いかけたWTB鶴田諒が空中戦に勝ってボールを確保。すぐさまSH光井が無人エリアにキックを放り込み、アークスが敵陣へ侵入します。
迎えた敵陣右でのラインアウト。
NO8ヴィリー・ブリッツの突進を交え、右展開からのリターンパスを受けたFB小倉がラインブレイク。
さらに抜群のサポートランからFL山下弘資→FL金キャプテンへとボールはつながり、右展開からHO三浦嶺が防御裏へグラバーキック。
トライこそなりませんでしたが、鮮やかな攻撃を披露します。
しかし前半は反則に苦しみました。
キックの応酬からハーフウェイラインに戻ったアークスは、ラックでの反則(ノットロールアウェイ)により自陣左ゴール前のピンチ。
ディフェンスではクボタのアタックを問題なく止め続けますが、ここでふたたびラインオフサイドを犯してクボタがショット選択。
前半18分、クボタのPG成功で、スコアは0-6となります。
自陣ゴール前のピンチをしのぐなどディフェンスで奮闘を続けますが、アークスは前半28分のスクラム戦でふたたび反則の笛を吹かれ、クボタのPG成功でさらに3点を失います。0-9。
さらに3分後には南アフリカ代表の相手13番(ライオネル・マプー)に右サイドを突破され、ゴール下を奪われます。相手10番のゴール成功でビハインドは16点(0-16)に。
ゲームが拮抗する前半に反則を重ね、主導権を掌握できないアークス。しかし後半からマインドを切り替えて、16点差を跳ね返す展開となりました。
【選手入替/後半 0分】LOアイザック・ロス→アマナキ・レレイ・マフィ
陽射しものぞいた後半は、アークスがスタートダッシュ。
クボタの反則から敵陣右へ侵入したアークス。相手の反則があり、迎えた2度目のラインアウト。
精度の上がったラインアウトからモールを組むと、相手の勢いをいなしながら相手インゴールへ猛進。
そのまま相手インゴールへなだれ込み、途中出場のアマナキ・レレイ・マフィがグラウンディング!ゴール失敗も5点を返します。5-16。
さらにトライ直後のキックオフで、相手3番がノーバインドタックルによりシンビン(10分間の一時退出)。相手が14人となり、流れはさらにアークスへ傾きます。
アマナキ・レレイ・マフィが豪快な突進で再三相手を押し込めば、SOヤンチースのキックパスをNO8ブリッツが大外でキャッチ――。
クボタを翻弄しながら押し込むと、後半7分、SOヤンチースの巧みなランから、パスを受けたWTB鶴田が右大外でフィニッシュ!
ゴール失敗もさらに5点を返し、6点差(10-16)に迫ります。
ここからさらにクボタが再三にわたり反則を犯しますが、アークスもチャンスを仕留めきれず一進一退。
しかし自陣でPR三宮がラックで絡みつきノットリリースの反則を奪うなど、これ以上の失点を許したくない状況で好守を続けます。
すると後半27分でした。
敵陣での長い連続攻撃から、ノックオンからの相手のアタックを受け続けるアークス。ここでクボタもノックオンでボールロスト。
体力的に厳しい状況でボールを手にしたアークス。ここでショートサイドでボールを受けたCTB溝口裕哉が、防御裏へWTB鶴田を走らせるキックを披露。
これをWTB鶴田が快足を飛ばして確保すると、献身的にフォローしていたNO8ブリッツへボールが渡り、そのまま左隅へ独走!インゴールに押さえると、SOヤンチースが難しい角度のゴールキックを見事に成功。
自陣でのターンオーバーからトライを取り切り、試合時間残り約10分でこの日初めてリードを奪います(17-16)。
【選手入替/後半 29分】PR三宮累→小野慎介/LO牧野内翔馬→石神勝/SOエルトン・ヤンチース→ブラッキン・カラウリアヘンリー/CTB溝口裕哉→小野寛智
しかし後半31分でした。
自陣ラックでアークスの攻撃権を奪ったクボタは、ハーフウェイライン付近から右奥へキック。
これがラッキーバウンドとなってチェイスしていた相手13番の懐に入り、そのまま左中間を奪われ逆転トライ。ゴール成功でふたたびビハインドは6点(17-23)に。
【選手入替/後半 38分】PR上田竜太郎→楢山直幸/SH光井勇人→湯本睦
試合時間残り3分。
これ以上の失点を許したくないアークスは、クボタの連続攻撃を受け止め、最後はFL金キャプテンが十八番のジャッカルで攻撃権奪取。
敵陣へ入って再逆転に懸けるアークス。
相手のハイタックルがあった直後、ボールキャリアーと戸田レフリーが衝突するアクシデントがあってプレーは中断しますが、アークスボールでプレーは再開。
フルタイムまで残り30秒。
相手陣左ゴール前ラインアウトからモールで勝負に出たアークス。しかし両選手が入り乱れてモールが崩れ、レフリーはクボタボール(モール・アンプレイアブル)を宣告。
直後にホーンが鳴り、スクラムからクボタがボールを蹴り出してノーサイド。最終スコアは17-23となりました。
6敗目を喫したアークスはレッドカンファレンス5位。
7点差以内の敗戦によるボーナスポイント「1」を獲得して、今シーズンのリーグ戦は6勝1分6敗の総勝ち点「31」という結果になりました。
しかしアークスには順位決定トーナメント(T)という戦いが残されています。
次戦の決勝T第1節は、新年明けて2018年1月6日(土)。福岡・ミクニワールドスタジアム北九州が舞台です。
声援に応える2連勝でシーズンを締めくくりたいアークス。第1戦の相手は、今シーズンの第5節で勝利(32-24)している豊田自動織機シャトルズです。