試合日程・結果 / FIXTURES & RESULTS

2017年12月2日14時00分 KICK OFFジャパンラグビートップリーグ 第10節

NTTコミュニケーションズシャイニングアークスNTTコミュニケーションズシャイニングアークス

vs

神戸製鋼コベルコスティーラーズ神戸製鋼コベルコスティーラーズ

28vs28

前半11 - 21

後半17 - 7

後半土壇場で神戸製鋼にハラハラ劇的ドロー!
金正奎キャプテン「チームは確実に成長しています」。

スクラム

リーグ中断期間で過酷なトレーニングを積んだNTTコミュニケーションズシャイニングアークス(以下アークス)は、12月2日(土)、東京・秩父宮ラグビー場に昨季トップ4の一角、神戸製鋼コベルコスティーラーズ(以下神戸製鋼)を迎えて、第10節を戦いました。

スタジアム正面

秩父宮ラグビー場には約1万人(9784人)の方々が来場。快晴にも恵まれ、絶好のラグビー日和となりました。

この日もチームブースではスーツに身を包んだ選手達が受付に立ち、訪れたファンの方々に対応。写真撮影なども行って交流を深めました。

ブース

ブース

対戦相手の神戸製鋼は、言わずと知れた日本ラグビー界の強豪。1994年度には社会人大会&日本選手権7連覇を達成しました。

今シーズンの神戸製鋼は、第9節を終えて6勝3敗でレッドカンファレンス2位(総勝ち点29)。同じカンファレンスに所属するアークスとしては乗り越えなければならない相手です。

トレイン

迎え撃つアークスは、5勝4敗でレッドカンファレンス5位(総勝ち点23)。2位神戸製鋼との勝ち点差はわずか「6」と大混戦です。

リーグ戦残り4試合を全勝で勝ち進み、各カンファレンス上位2チームによる日本選手権(優勝決定トーナメント)出場を掴むべく、この一か月間は千葉合宿を含む厳しいトレーニングに励んできました。

特にフロントロー(FW第1列)は、FL金正奎キャプテンが「たぶん日本一練習したと思います」と語るなど、練習後のアフター練習や独自の筋力トレーニングに注力。「この一ヶ月は、神戸さんにスクラムで勝つためだけに準備をしてきました」(PR上田竜太郎)。

果たして猛特訓は報われるか。試合前には両軍応援団によるエール交換も行われるなど、天候同様に爽やかな雰囲気のなか、午後2時、運命の第10節は加藤真也レフリーの笛でキックオフを迎えました。

応援団

試合は神戸製鋼がキックオフを失敗したことによるセンタースクラムから。

ここで神戸製鋼がコラプシングの反則を犯し、スクラム戦は幸先の良いスタート。神戸製鋼はさらに自陣のラックで反則を犯して、アークスにペナルティのチャンス。

ここでショットを選択したアークスは、FB小倉順平が右脚を振り抜き、ペナルティゴール(PG)成功。3点を先制します。

PG指示

この日バックスではCTBシェーン・ゲイツが躍動。

自陣での好タックルから相手ボールをターンオーバーすれば、左サイドでもSH光井勇人→CTB石橋拓也とつないでCTBゲイツがラインブレイク。

すると前半11分、敵陣でのスクラムから連続攻撃を仕掛けたアークスは、ショートサイドで22歳のNO8ラーボニ・ウォーレンボスアヤコが突破!

最後は左隅をWTB小泉将が切り取り(ゴール失敗)5点を追加。8-0とリードします。

ボニー選手

しかし神戸製鋼もアークス陣で高い集中力を発揮し、前半16分には相手14番が右中間にトライ(ゴール)。リードは1点差(8-7)となり、のちの接戦を予感させる展開となります。

神戸製鋼はディフェンスでアークスを押し戻すなど、鋭い出足の防御を見せますが、たびたびラックで反則を犯して自陣へ後退。

しかし前半24分、スクラム戦では足場の悪いなかで優勢も、アークス陣でのターンオーバーから左サイドで細かいパスをつなぎ防御を突破。

最後は相手12番が抜け出して逆転トライ。ゴール成功でスコアは8-14に。

試合写真

しかし神戸製鋼はやはりディシプリン(規律)に手こずり、前半28分にはFB小倉がふたたびPGチャンスを確実に決めて3点追加(11-14)。

すると前半32分、自陣ゴール前でピンチをしのいだアークスは、迎えたマイボールスクラムで神戸製鋼FWを圧倒!猛特訓の成果を目に見える形で披露しました。

V2

しかし神戸製鋼は前半終了間際、フリーキックからのリスタートで左大外に展開。相手15番が左隅でトライをもぎ取り、神戸製鋼のリードは10点(11-21)に。

両者ともにミスが多くなったゲームは後半へ。しかしFL金キャプテンが「2、3年前であれば大差で負けていた」と振り返った試合で、アークスは後半に強い精神力、進化を披露します。


観客席

10点を追いかける後半はアークスの長い攻撃からスタート。CTBゲイツ、SH光井のライン突破などそれぞれのラン能力を発揮しながら前進すると、神戸製鋼が自陣ゴール前で反則。

ここでFB小倉が3点のショットを決めて、ビハインドを7点(14-21)に縮めます。

試合写真

しかし直後の後半5分でした。

アークス陣に入った神戸製鋼が防御裏へキック。インゴールへ転がったボールをアークスが押さえ損ね、またTMO判定の結果、神戸製鋼の直前のノックオンは認められず、神戸製鋼のトライ(ゴール)が決まりました。14-28。

【選手入替/後半 7分】NO8ラーボニ・ウォーレンボスアヤコ→アマナキ・レレイ・マフィ

ふたたび10点のリードとなり、窮地となったアークス。

しかし後半13分、アークス陣での左スクラムからの一次攻撃で相手9番のパスが乱れ、これをCTBゲイツが敵陣へ蹴り返します。さらにドリブルを重ねてボールを懐へ入れると、そのまま約70メートルを切り返す追撃のトライ!

FB小倉のゴールも成功し、アークスが7点を返して21-28としました。

試合写真

【HIA/後半 14分→後半22分】SO友井川拓→菊池功一郎
【選手入替/後半 18分】LOアイザック・ロス→石神勝
【選手交替/後半 22分】SO友井川拓→菊池功一郎

受けに回った神戸製鋼は自陣で反則を重ねますが、アークスもタッチキックやラインアウトでミスを重ね、敵陣から中盤にかけてエリアを一進一退。

HO三浦嶺の好タックル、ラインアウトでのFL鶴谷昌隆のスティール、途中出場の菊池功一郎の独走など、アークスも好プレーで攻勢をかけますが、神戸製鋼も要所で好ディフェンスを見せて抵抗します。

試合写真

【選手入替/後半 24分】PR上田竜太郎→庵奥翔太/HO三浦嶺→須藤拓輝
【選手入替/後半 31分】PR三宮累→小野慎介
【選手入替/後半 36分】WTB小泉将→溝口裕哉

ビハインドは7点のまま、試合は最終盤へ。

後半終了直前、自陣から攻め立てるアークスに対して、相手12番が故意のノックオン。TMO判定の結果シンビン(10分間の一時退場)となり、神戸製鋼は土壇場で14人に。

試合写真

ペナルティをもらった後半ロスタイム。

ハーフウェイライン付近から1トライ1ゴール(7点)を狙ってアタックを始めたアークス。しかしディフェンスに回った神戸製鋼がノックオンを誘い、ボールを奪取。

そのまま神戸製鋼がタッチへ蹴り出して無念の敗戦、と思われましたが、相手19番にハイタックルがあったとして、これもTMO判定の結果、相手19番の選手がシンビンに。

溝口選手

【HIA/後半 42分→後半47分】FL鶴谷昌隆→三浦嶺

相手が13人の状況でペナルティをもらったアークスは、敵陣左サイドからラストアタック。しかしここでも神戸製鋼にハイタックルがあり、ペナルティをもらったアークスは途中出場の溝口裕哉が右奥へ好タッチキック。

この最終盤で巡ってきたラストチャンスについて、FL金キャプテンは試合後、「鶴谷(昌)が抜けてしまい、ラインアウトについて不安に思われていたと思いますが、僕たちはモールに自信を持っていこうという話をして、上手く意志統一ができました」。

FW出身のロブ・ペニー ヘッドコーチ(HC)、大久保直弥FWコーチらの指導で磨いてきたラインアウトモールの見せ所がやってきました。

モール

途中出場の須藤拓輝がスローインしたボールは、この日キャリアーとしても奮闘し続けたLO牧野内翔馬の手へ。モールは相手に引き倒されても後方は自立し、そこから手薄となった右方向から前進。

モール最後尾は日本代表戦の直後にも関わらず後半投入のアマナキ・レレイ・マフィ。そのまま力強くインゴールへ雪崩れ込み、少しの間があってからトライ認定の笛。26-28!

しかしビハインドはまだ2点。同点となるか、敗戦となるか――チームの命運はゴールキックを蹴るFB小倉に託されました。

勝利後

やることは何も変わらない――そんな平常心で臨んだというFB小倉のゴールキックは、バックスタンドのアークス応援団が見守るなか、見事にHポールの間をすり抜けました。

そしてノーサイド。同点ゴールが決まったのは後半47分。最終スコアは28-28。

勝利こそなりませんでしたが、神戸製鋼に対しては2011年度以来6年ぶりという黒星以外の決着を迎えました。

勝利後

劇的なドローとなったことに関しては、ペニーHCは試合後「我々は勝利したような気持ちで、おそらく神戸さんは負けたような気持ちでしょう」と表現。

TOP4入りへ自信を深めるドロー(勝ち点2)を土壇場でもぎ取りました。

須藤選手

試合後、FB小倉順平選手の日本代表キャップ授与式が行われ、ラグビーらしいノーサイドの精神で両チームの選手が混ざっての記念撮影。お互いの健闘を称えました。

集合写真

今シーズン初の同点決着となって勝ち点2を加えたアークスは、総勝ち点25でレッドカンファレンス5位のまま。

第10節を終えて、レッドカンファレンス2位は第12節で対戦予定のトヨタ自動車ヴェルブリッツ、3位は神戸製鋼、4位は東芝ブレイブルーパス。

試合写真

リーグ戦は残り3試合。まだまだカンファレンス2位以内に入る道は残されています。

次戦の第11節の舞台は、ふたたび東京・秩父宮ラグビー場。12月9日(土)、4勝6敗でホワイトカンファレンス5位のキヤノンイーグルスと相まみえます。

試合写真

ロブ・ペニー ヘッドコーチの声

ロブ・ペニーHC

我々は勝利したような気持ちで、おそらく神戸さんは負けたような気持ちでしょう。勝つことはできませんでしたが、最後まで頑張って引き分けにすることができました。

2、3年前はこういう難しい試合をすることはできませんでした。みなが成長できたことを誇りに思います。一歩一歩レベルアップしているので、これから自信をもってトップ4を目指したいと思います。

ネガティブな面については、トライを取る機会がたくさんありましたが、最後まで取り切ることができませんでした。またエラーが多くありました。それは課題として受け止め、これから成長したいと思います。

最後に、スクラムについては本当に改善することができました。大久保FWコーチ、斉藤展士スクラムコーチに感謝を伝えたいです。文化的に我々はスクラムが弱みでしたが、今シーズンから強みになると思います。フロントローは本当に努力をしました。

FL金正奎キャプテンの声

金正奎キャプテン

ポジティブな点で言いますと、スクラムは目に見えて成果が出ました。この一ヶ月間、たぶん日本一努力をしたといっても過言じゃないくらい、フロントローは努力をしていました。必然として結果が出たと思います。

ネガティブな面は、本当にミスが多かったです。コントロールできるミスが多かったと思うので、そこは一人ひとり改善、成長しなければいけない部分だと思います。

僕自身、パフォーマンスについてもっと成長しなければいけない部分だと思っていますが、しかしチームは確実に成長していると思います。

2、3年前であれば、たくさんミスしているゲームは大差で負けることが多かったです。しかし同点で終われたということで、年々成長していると感じました。

PR上田竜太郎選手の声

PR上田竜太郎選手

きょうは強豪・神戸製鋼のフォワードをスクラムで押し、コラプシングの反則も奪いました。

ウィンドウマンスの一ヶ月間、神戸さんにスクラムに勝つためだけに、フロントローで準備してきました。練習が終わってもフロントローだけで練習したり――それがうまく形に出たかなと思います。

――金キャプテンが記者会見で「この一ヶ月間、たぶんフロントローは日本で一番練習した」と仰っていました。

今年6月から斉藤さん(スクラムコーチ)がきて、アフター練習はちょくちょくやっていましたが、この11月はどこのフロントローにも負けないくらい練習したと思います。

――試合の全体についてはいかがですか?

練習で上手くいっていた部分が、ミスで終わったことが心残りです。準備的には問題なく毎週やることができています。

残りの3試合、フロントローからチームの流れを変えられるように頑張っていきたいです。

FB小倉順平選手の声

FB小倉順平選手

――後半ロスタイム、チームに同点決着をもたらしたゴールキックを振り返ってください。

全部入れようと思って蹴っています。自信をもって蹴るだけです。

きょうはフォワードが頑張ってくれた試合でした。僕個人もそうですが、ミスが多かったので、しっかり反省して次に活かしたいです。

――これまでの本職はスタンド(オフ)で、きょうはフルバックでの出場となりました。フルバックというポジションについてはいかがですか?

スタンドの人とコミュニケ―ションを取って、二人でゲームを作ると言いますか。スタンドよりもよく見えます。

あと言えることは、個人のミスをどれだけ減らすかだと思います。

――リーグ戦残り3試合へ向けて意気込みをお願いします。

勝たないと後がないので、しっかり全部勝てるよう、チームとしても個人としても頑張ります。

LO石神勝選手の声

LO石神勝選手

――今シーズン初出場となったきょうの試合を振り返ってください。

チームとしては、ミスが多かったことと、前へ行く勢いがなかったところが反省するところです。それさえあれば勝てる試合だったと思います。

個人的にあまり良いパフォーマンスは出せませんでしたが、あの状況から引き分けまでもっていけたので、それは“良し”かなと思います。

――チーム8年目を迎えましたが、今年のアークスとそれまでとの違いを挙げるとすると?

これまでも格上のチームを倒すことはありました。しかし今年は、順位的に下のチームにはしっかり勝てますし、上のチームに対しても挑戦ができるチームになりました。

底力がついたというか、ボトムアップしてきたなという感じがします。

――練習を重ねてきたラインアウトモールのアタック、ディフェンスに関してはいかがでしたか?

最後に一本(ラインアウトモールで)取れたのは大きいかなと思います。今までモールで押されるシーンもありましたが、きょうはそんなシーンもなかったですし、逆にこちらが一本取ったことが収穫になったと思います。

個人的には、フロントローの頑張りのおかげもあるのかなと思っています。

――12月の残り3試合へ向けてひと言お願い致します。

順位的にも上げていかなければいけない状況なので、もちろん3試合すべて勝つつもりでやります。

チームとして強みを活かせれば、絶対に勝てると思います。しっかり練習でやって、本番でもしっかり力を出せるように頑張りたいです。

試合写真
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*試合写真は、公式facebookページにも多数掲載しています。