手に汗握る逆転勝利。
NTTドコモとの"NTTダービー"制し今季4勝目!
NTTコミュニケーションズシャイニングアークス(以下アークス)の負けられない闘い――。
トップリーグは第7節を迎え、アークスは10月7日(土)、東京・秩父宮ラグビー場で、NTTドコモレッドハリケーンズ(以下NTTドコモ)との"NTTダービー"に臨みました。
試合当日は雨も予想されていましたが、キックオフ前になって秩父宮上空には晴れ間がのぞきました。ダービーマッチへの期待感はふくらみ、聖地・秩父宮には7408人の方々が集いました。
この日は『"Arcs Blue" Day(アークス・ブルー・デイ)』と題し、チームグッズおよび青いものを身につけて来場した方に、限定500枚のフェイスシールをプレゼント。選手達もフェイスシールを貼るお手伝いをしました。
対戦相手のNTTドコモは、2015年度に下部リーグ(トップウエスト)へ自動降格したものの、シーズン全勝でトップリーグに返り咲きました。
今季はここまで3勝3敗で、レッドカンファレンス6位のNTTドコモ。総勝ち点は12で、同じく3勝3敗で同カンファレンス4位であるアークスとの勝ち点差は、わずかに「2」。
負ければ順位の逆転を許してしまうという、まさに"絶対に負けられない"一戦となりました。
アークスのこの日の先発メンバーは、フォワード陣が、PR庵奥翔太、HO種本直人、PR三宮累、LO牧野内翔馬、LO杉浦直人、FL鶴谷昌隆(ゲームキャプテン)、FL栗原大介、NO8ヴィリー・ブリッツ。
バックスのスターターは、SH光井勇人、SO小倉順平、WTBマックス・ウッドワード、CTB石橋拓也、CTBシェーン・ゲイツ、WTB鶴田諒、FBブラッキン・カラウリアヘンリー。
リザーブには、三浦嶺、楢山直幸、白隆尚、アイザック・ロス、ラーボニ・ウォーレンボスアヤコ、金正奎キャプテン、友井川拓、小野寛智という陣容。
注目のダービーマッチは午後2時、戸田京介レフリーの笛でキックオフとなりました。
開始直後にスコアを動かしたのはNTTドコモでした。
前半2分、アークスが自陣のラックで反則を犯すと、NTTドコモはペナルティゴール(PG)を選択。相手15番のPG成功で、3点を先取されます。
今季のアークスは、ここまですべての試合で相手に先制トライを許していることもあり、立ち上がりが懸念されていましたが、前半8分、そんな不安を払拭するトライが生まれます。
SH光井が自陣から積極的にさばき、敵陣に入ったアークス。PR庵奥、FL鶴谷、CTBゲイツらがボールキャリーを重ねていきます。
すると敵陣左サイドで一度はボールを失ったものの、相手のキックミスからふたたびマイボールに。ここでSH光井がボールを左へ持ち出す好判断から、左タッチライン際でFBカラウリアヘンリーが激走!
そのままインゴールへ持ち込み、先制トライ!SO小倉のゴール成功で7-3と逆転に成功します。
勢いに乗ったアークスは前半11分、SO小倉のキックで大きくエリアを挽回。直後のラインアウトでFL鶴谷がスティールするなど、以後しばらく相手を自陣に釘付けに。
CTBカラウリアヘンリーが相手ゴールへ迫る突破を見せるなど、NTTドコモは防戦一方となります。
前半23分頃には、相手の自陣22mドロップアウトからアタックを続け、1年目のLO牧野内が巧みなステップから抜け出すと、続いてSO小倉が切れ味抜群のラインブレイクを披露。会場を沸かせます。
しかしパスが乱れて自陣に攻め込まれた前半27分、アークスはラックでふたたび反則。ここでNTTドコモはショット選択し、PG成功で7-6。少ないチャンスを活かすNTTドコモに詰め寄られます。
リードを広げたいアークスですが、NTTドコモの規律ある好守もあってトライラインに迫ることができません。両チームがエリアを前後進しながら、前半終了が近づきます。
迎えた前半39分。
アークスは相手の反則から敵陣右の22mラインアウトへ。ボールを確保してキャリーを重ねたところで、相手にラックでボールを奪取されてしまいます。
すぐにショートサイドでボールをつないだNTTドコモは、相手8番が左タッチライン際を快走。
懸命に戻ったCTBゲイツが飛びついたもののインゴールを割られ、前半ロスタイムの独走トライ(ゴール成功)で、7-13と逆転されてしまいます。
(この日はハーフタイムに人気グループ「EXILE」メンバーと中学生300人がダンスを披露する「中学生Rising Sun Project2017」が行われ、会場を盛り上げました)
6点を追いかけるアークスは、応援団の声援を受けながら後半は奮起。
防御裏へのキックに対するWTB鶴田の足でのドリブルがノックオン判定になるなど、難しい展開になりつつあった後半6分。
相手のハイパントをWTB鶴田が空中で競り合いキャッチ。すぐにボールを動かすと、右サイドでこの日攻守に絶好調だったCTBゲイツがゲインラインを切ります。
すぐさま左展開したアークスは、PR庵奥のパスを受けたHO種本が大きくラインブレイク!
サポートしていたCTB石橋がステップを刻み、相手インゴールへ迫ると、生まれたラックでPR庵奥&HO種本が相手を排除。SH光井が左展開し、SO小倉のロングパスをインゴール目前で受けたのはFL鶴谷。
タッチラインに出ることを避けるため、ジャンプし身体を地面と水平にさせながら左隅にタッチダウン!
SO小倉のゴールキックはポストに当たって不成功も、FL鶴谷のトライで1点差(12-13)に迫ります。
ディフェンスでも奮闘するアークスは後半8分、NO8ブリッツがピッチに倒れて一時的に14人となりながらも、最後はノックオンを誘発する好守を見せ、インゴールを守ります。
【選手入替/後半9分】NO8ヴィリー・ブリッツ→ラーボニ・ウォーレンボスアヤコ
【選手入替/後半18分】HO種本直人→三浦嶺
すると後半18分、相手ボールの敵陣右10m付近ラインアウトで、FL鶴谷がスティール。ランニングセンス溢れるSH光井&SO小倉のハーフバック団が、それぞれ防御網を裂きながらゲイン。
崩れた相手ディフェンスをさらにCTB石橋、FBカラウリアヘンリーが押し下げて、最後はオフロードパスを受けたCTBゲイツが左中間へ逆転トライ!SO小倉のゴール成功で19-13とします。
【選手入替/後半19分】WTBマックス・ウッドワード→小野寛智
【選手入替/後半22分】LO杉浦直人→金正奎
さらに後半24分にSO小倉がショットを成功させ、リードを9点(22-13)に広げます。
しかしその2分後、相手ハイパントのキック処理を誤ってしまい、チェイスしてきた相手15番が確保して独走からトライ(ゴール失敗)。2トライ目を許し、22-18と迫られます。
【選手入替/後半27分】PR三宮累→白隆尚
接戦模様となって観客のボルテージが上がるなか、後半29分、NTTドコモボールのラインアウトをFL鶴谷がまたもやスティール。
逆転に懸けるNTTドコモの勢いを削ぐと、後半33分には、自陣で13次攻撃を耐えてノックオンを誘発。
70分を超えても高い集中力で身体を張り続けます。
【選手入替/後半33分】FBブラッキン・カラウリアヘンリー→アイザック・ロス / FL栗原大介→友井川拓
そして待望のチーム4トライ目が生まれます。
CTBゲイツがビッグタックルを見せるなどした後半37分、マイボールスクラムからSH光井が持ち出し防御裏へキック。WTB鶴田がチェイスすると、青いジャージーが殺到してターンオーバー!
ボールを確保したSH光井がすぐ左展開すると、ここでスタンドオフの位置に入っていた途中出場のラーボニ・ウォーレンボスアヤコが、大外へキック!
無人の相手インゴールへ転がったボールに反応していたのは、大外から駆け上がっていたSO小倉!そのまま難なくインゴールへ押さえて、チーム4トライ目(ゴール失敗)が生まれました。
【選手入替/後半40分】PR庵奥翔太→楢山直幸
最後はNTTドコモが意地の連続攻撃を仕掛けますが、アークスが耐え切りノーサイド。27-18でNTTダービーを制し、今季4勝目を挙げました。
マン・オブ・ザ・マッチには前半8分の先制トライをはじめ、再三のライン突破で存在感を示したFBカラウリアヘンリーが選出されました。
勝ち点4を獲得したアークスは、これで4勝3敗となってレッドカンファレンス4位(総勝ち点18)。
リーグ戦の折り返しとなる節目の第7節、NTTダービーを制したアークス。
次節は10月14日(土)、静岡・エコパスタジアムで、ヤマハ発動機ジュビロと対戦します。