元3連覇王者に悔しい敗戦。
華麗なトライ見せるも、前半苦しみ今季3敗目。
トップリーグ2017-2018シーズンは第6節を迎え、NTTコミュニケーションズシャイニングアークス(以下アークス)は、10月1日(日)、ひとめぼれスタジアム宮城で、パナソニックワイルドナイツ(以下パナソニック)と対戦しました。
昨季は第5節で悔しい敗戦(●14-42)を喫したアークス。
2015年度に3連覇を遂げた元王者へチャレンジする舞台は、アークスにとって今季唯一の東北開催でもある「ひとめぼれスタジアム宮城」です。
対戦相手のパナソニックは開幕5連勝中。総勝ち点「25」でホワイトカンファレンスの首位に立っています。
多くの日本代表・候補選手を抱え、今季はここまで1試合平均7トライ。リーグ屈指の攻撃力で、3位に終わった昨季からの王座奪還に燃える「4強の一角」です。
アークスは第5節を終え、3勝2敗でレッドカンファレンス4位(総勝ち点14)。
リーグ戦も中盤戦へ突入し、トップ4入りを目指すアークスはもちろん白星を積み重ねたい状況。
格好の腕試しにもなる一戦は、快晴の午後1時、麻生彰久レフリーの笛でキックオフ。
キックが押し戻されるほどの強風のなか、風下に立ったアークスボールで始まりました。
序盤は強烈な風下とあって、アークスがボールを保持してアタック。対する風上のパナソニックは、キックを多用して敵陣を目指します。
前半2分頃から始まったアタックでは、CTB石橋拓也→LOヴィリー・ブリッツへパスがつながり突破。
PR庵奥翔太も低い姿勢でゲインを切ると、PR三宮累、LO牧野内翔馬というルーキーもそれぞれ持ち味を発揮します。
開始直後にスピーディーな連続攻撃を見せたアークスですが、先制点はパナソニック。
前半6分、パナソニックは相手陣での中央スクラムからフェイズを重ね、左サイドで相手11番にずらされると相手13番が走り切ってトライ(ゴール成功)。7点を先制されます。
パナソニックは前半13分、相手10番がペナルティゴールを成功させて3点追加。
追いつきたいアークスはボール保持の戦略を続けますが、オブストラクション、ノックオンなどの反則が続いて攻撃権を失います。
すると前半19分、左右にサポートランナーを従えていた相手13番に再び突破を許して失トライ(ゴール成功)。17点のビハインドとなります。
ここから試合はこう着状態に。
前半25分頃には、相手5番の突破から攻め込まれインゴールを背負いますが、アークスは攻撃的なディフェンスで失点を許しません。
27分にはパナソニックがアークス陣ゴール前でスクラムプッシュをかけますが、PR庵奥が「(今日の試合は)上手く自分たちのスクラムを組めました」と語った通り、スクラムは動かず。
しかしこの日のアークスは前半に反則が多く、前半34分には自陣ゴール前でペナルティを与えてしまい、相手10番がショット成功(0-20)。
同37分には相手10番が大外へ技アリのキックパスを通して、相手14番が右隅にグラウンディング(ゴール失敗)。
前半は強烈な風下に加え、ペナルティとハンドリングエラーを重ねて敵陣で持ち味を発揮できず。個の力でタックルを外される場面もあり、0-25(3T2G2PG)で折り返します。
前半の反省を活かし、FL金正奎キャプテンが「切り替えることができました」と振り返った後半。
後半開始直後、風下となってボールキープするパナソニックは14次攻撃を展開。ここで今季初先発のFL鶴谷昌隆が快心のジャッカルを披露。
パナソニックを敵陣へ押し込むと、続けざまに2本目のジャッカル!ゲームにフィットし実力を発揮します。
【HIA/後半4分→後半13分】FL鶴谷昌隆→栗原大介
そして待望のチーム初トライは後半8分、WTB鶴田諒のキックカウンターから。
WTB鶴田が防御背後へショートパントを落とすと、自身で捕球する好プレー!
ここからFL金キャプテン→WTB鶴田→CTB石橋→LOブリッツと細かくパスをつなぎ、最後はふたたびパスを受けたCTB石橋が右中間にグラウンディング!
スタンドを湧かせるトライ(ゴール失敗)で5点を返します。
勢いに乗りたいアークスですが、後半13分でした。
アークスのラインアウトミスから敵陣へ攻め込んだパナソニックは、連続攻撃から相手10番が防御裏へグラバーキック。相手13番がチーム4トライ目(ゴール成功)を決めて、自身はハットトリック達成。スコアは5-32となります。
【選手入替/後半14分】WTB小泉将→小野寛智
【選手入替/後半15分】SH湯本睦→友井川拓
風上のアークスは敵陣に入ると深いバックラインから大外へ展開。ダイナミックな攻撃を仕掛けますが、パスミスが続くなどしてボールを継続することができません。
後半20分を超え、ここからは疲労の蓄積する時間帯に。
アークスは途中出場の友井川拓が中心となってパスやキックでゲームメイク。パナソニックもメンバーを入れ替えて攻防しますが、ミスもあってお互いにエリアを前後進します。
【選手入替/後半20分】PR庵奥翔太→楢山直幸/HO三浦嶺→種本直人
【選手入替/後半23分】FBブラッキン・カラウリアヘンリー→シェーン・ゲイツ
【選手入替/後半24分】LOヴィリー・ブリッツ→アイザック・ロス
【選手入替/後半29分】PR三宮累→小野慎介
均衡が破れたのは後半33分。
パナソニックは6番が中央でゲインを切ると、途中出場の18番がインゴールの先に押さえ(ゴール成功)、スコアを37-5とします。
このままで終われないアークスは後半ロスタイムでした。
後半40分、相手のラックでの反則からゴール前へ侵入すると、意地のトライを目指してフォワード陣がラックサイド勝負。
最後は80分間出場のルーキーLO牧野内が突進してトライ!最後にLO牧野内のトップリーグ初トライ(ゴール成功)が生まれ、最終スコアは12-39。
随所で質の高いアタック、粘り強いディフェンスを見せてくれましたが、課題である前半の失点も響いて今季3敗目(3勝)。
勝ち点の積み上げはならず、レッドカンファレンス4位に残留となりました。
選手・スタッフ一丸の組織力、そして有形無形のサポートで後押しする関係者・ファンの期待も背負い、アークスのチャレンジは続きます。