後半4トライの猛攻で連勝!
近鉄を1トライに抑えて、ボーナスポイントも獲得。
トップリーグは第3節に突入。我らがNTTコミュニケーションズシャイニングアークス(以下アークス)は、9月3日(日)、奈良・奈良県立橿原公苑陸上競技場で、近鉄ライナーズ(以下近鉄)と相まみえました。
会場となった橿原公苑陸上競技場は、初代天皇である神武天皇と皇后を祀った橿原神宮に隣接。
観光にも好立地の競技場は、この日がトップリーグ初開催でした。
記念すべき初試合の当日は、天候に恵まれたこともあり、約5000人収容の会場に4023人が来場。メインスタンドは立ち見が出るほどで、会場はキックオフ前から熱気に満ちていました。
対戦相手となったホームの近鉄は、アークスと同じレッドカンファレンスに所属し、1勝1敗(総勝ち点4)でカンファレンス7位。昨シーズンからスクラムなどのセットプレーを強化しています。
今シーズンはフィジー出身のセミシ・マシレワや、現役南アフリカ代表のルアン・コンブリンクといった強力ランナーが新加入。着実に成長しているチームです。
そして、先週は東芝ブレイブルーパスから今シーズン初勝利を挙げたアークス。
順位は1勝1敗(総勝ち点5)で、カンファレンス4位につけました。
昨シーズンの近鉄との対戦では、第4節に18-3で勝利。ここは連勝を飾って次節のサントリーサンゴリアス戦へ向けて、勢いをつけておきたいところ。
連勝の懸かる第3節は、陽射しの照りつける午後4時、河野哲彦レフリーの笛でキックオフされました。
立ち上がりは、お互いに敵陣でボールを失う展開が続きました。
前半4分、アークスは近鉄の角度をつけたスクラムに押されてボールを失います。しかし近鉄はその後、アークス陣ゴール前でノックオン。
風下に立ったアークスも前半6分、LOヴィリー・ブリッツがラックで絡んで攻撃権を奪いますが、連続攻撃でボールを前に落としてしまいます。
角度をつけたスクラムに自信を持った近鉄は、自陣22m付近でもスクラムで勝負。前半12分にはアークスからペナルティを奪います。
しかしアークスも、この日好守に魅せたCTBシェーン・ゲイツのビッグゲインなどで反撃。
お互いの粘り強いディフェンスもあり、スコアの生まれないこう着状態が続きます。
最初にスコアボードを動かしたのは近鉄でした。
前半24分、アークスは自陣ゴール前でボールを展開しますが、ここで近鉄の13番がインターセプト。すぐにトライラインを越えて先制トライ。10番のゴール成功で0-7とします。
しかし前半31分、アークスも鮮やかに反撃。
敵陣左ラインアウトからWTB小泉将が大きくゲイン。敵陣右隅でポイントを作ると、ここでSO小倉順平が逆サイドへキックパス。
これを大外にいたLOブリッツがキャッチし、掴まれながらも片腕一本でトライ!SO小倉のゴールは失敗も、5点を返します。
【HIA/前半34分→後半0分】FL栗原大介→牧野内翔馬
しかし前半36分、アークスボールの自陣中央スクラム。
ここでレフリーは角度をつけたとして、アークスに対してアングルの反則をコール。
ペナルティを得た近鉄はショットを選択し、3点追加。スコアは5-10と近鉄がリードします。
攻勢に転じたいアークスは前半37分。
SO小倉がギャップを突いてビッグゲインを披露。敵背後へのキックにより、一度は相手にボールが渡りますが、相手9番のキックをCTB石橋拓也がチャージ。
敵陣でボールを奪い返すと、ふたたびSO小倉が大外へキックパス!これを好調のWTB鶴田諒が空中で敵と入れ違いながらキャッチ!
そのままインゴールへボールを運び、笑顔の同点トライが生まれました。コンバージョンキックは失敗も、スコアは10-10のイーブンに。
前半終了間際には、この日トップリーグデビューのSH湯本睦がラックサイドを突破。
NO8ラーボニ・ウォーレンボスアヤコの突進も重ね、相手ゴールへ迫りますが、ここは近鉄が守りきり、10-10で前半を折り返します。
【選手交替/後半0分】FL栗原大介→牧野内翔馬
後半はアークスが多くの見せ場を作りました。
風上に立ったアークスは、SO小倉のキックで敵陣を目指します。後半10分頃からはキックを交えた長い攻防が続きますが、近鉄が攻勢をかけたところで、HO三浦嶺がラックでノットリリースを誘発する好プレーを披露。
【選手入替/後半14分】CTBシェーン・ゲイツ→ブラッキン・カラウリアヘンリー
【選手入替/後半15分】PR上田竜太郎→庵奥翔太
【選手入替/後半15分】PRレイルアマーフィー→白隆尚
すると後半16分でした。
近鉄が自陣で反則を犯すと、SH湯本がすぐにクイックリスタート。途中出場したばかりのブラッキン・カラウリアヘンリーがさらに突進し、相手インゴールの目前へ。
最後はSH湯本がスキを突いてインゴールへ潜り込み、勝ち越し&トップリーグ初トライ。SO小倉のゴールも成功し、17-10と勝ち越しに成功します。
勢いに乗ったアークスは、さらに5分後。確実にゲインを切る小泉、鶴田の両WTB、そして途中出場のPR庵奥らが地道なキャリーを繰り返し、迎えた11次攻撃目。
キレのある動きを見せるカラウリアヘンリーから、今シーズン初先発のFB小野寛智へロングパス。
大外でボールを受けたFB小野が、タックラーを振り切り、左隅へグラウンディング!ゴール成功でリードを14点(24-10)に広げます。
【選手入替/後半23分】LOヴィリー・ブリッツ→アイザック・ロス
後半25分頃からは、近鉄がアークス陣内でスクラム勝負。さらに連続攻撃を仕掛ける近鉄ですが、最後はノックオン。アークスはゴールを背負って好守を続け、インゴールを守り切ります。
【選手入替/後半32分】HO三浦嶺→種本直人
【選手入替/後半32分】SH湯本睦→友井川拓
この日チーム5本目のトライは、後半35分。
ラインアウトから連続攻撃を仕掛ける近鉄に対して、FL金正奎キャプテンがラックでボールを奪い取る十八番を披露。
ボールを奪ったアークスはすぐに左サイドへボールを振ると、大外にいたSO小倉が左タッチライン際を疾走し、左中間にトライ(ゴール失敗)!29-10とさらにリードを広げます。
【選手入替/後半37分】NO8ラーボニ・ウォーレンボスアヤコ→マックス・ウッドワード
トドメは後半38分。
各種のキックを捨ててトライを狙う近鉄。すると9次攻撃目で相手のパスアウトをFB小野がインターセプト!約60メートルを走り切り、ゴール下にこの日2トライ目!SO小倉がゴールも沈めて36-10としました。
ラストワンプレーは、自陣右でのマイボールスクラム。
ここはFW8人が安定したボールを供給し、途中出場のSH友井川拓がタッチへ蹴り出してノーサイド。
最終スコアは36-10。今シーズン初の連勝に加え、今シーズン初めて3トライ差以上のボーナスポイント「1」も獲得。マン・オブ・ザ・マッチには2試合連続でSO小倉が選出されました。
開幕戦を落としたものの連勝したアークスは、2勝1敗(総勝ち点10)でレッドカンファレンス4位と変わらず。
次節は同じレッドカンファレンスに所属するサントリーサンゴリアスと中5日での対戦。決戦の舞台は、9月9日(土)、東京・秩父宮ラグビー場です。