真夏の熱戦制す!
集中力高くプレーし、2017-2018シーズン初勝利。
8月25日(金)、東京・秩父宮ラグビー場でトップリーグ第2節の2試合が行われ、我らがNTTコミュニケーションズシャイニングアークス(以下アークス)が、第1試合で東芝ブレイブルーパス(以下東芝)と対戦しました。
開幕戦に続き、この日も高温多湿の8月開催。しかしアークス×東芝という好カードに加え、プレミアムフライデーということもあり多くの観客が詰めかけました。
対戦相手の東芝は、男子セブンズ元日本代表ヘッドコーチ(HC)の瀬川智広氏を新監督に据え、昨季9位からの復活を期しています。
東芝は開幕戦でNECグリーンロケッツに勝利し、勝ち点4を獲得。アークスと同じレッドカンファレンスの3位につけていました。
一方、開幕戦でリコーブラックラムズに破れたアークスは、勝ち点1(7点差以内のボーナスポイント)でレッドカンファレンス6位。
今季の大会方式では、カンファレンスを2位以上で通過できなければ、その時点で優勝への道が断たれてしまうこともあり、アークスとしては何としても初勝利を挙げたいところでした。
負けられない第2節は、日中の暑さが残る午後5時、東芝ボールでキックオフされました。
序盤は東芝が攻勢をかける展開。
しかしアークスは前半1分、自陣深くでNO8アマナキ・レレイ・マフィがボールを奪うと、大きくボールを展開。巧みなハンドリングスキルで果敢なアタックを披露します。
対する東芝は、外側のディフェンダーが飛び出すディフェンスで対抗。立ち上がりから激しい肉弾戦が続きました。
前半4分のファーストスクラム。
アークスはコラプシングの反則を取られ、続く7分にもスクラムで反則のコール。ここで東芝は9番がPG(ペナルティゴール)を狙いますが失敗。スコアは動きません。
押し込まれたスクラムはすぐ修正し、3本目からは安定。また両WTBの小泉将、鶴田諒らが安定感あるプレーでチームを前進させますが、東芝の効果的なキックもあって、自陣でプレーする時間帯が続きます。
しかし前半15分、アークスは自陣左ラインアウトから右展開してWTB鶴田がゲイン。
内返しのパスがサポートランナーへ次々につながり敵陣へ。最後はパスがつながらずトライはなりませんでしたが、バックスタンドのアークス応援団の前で華麗なアタックを見せます。
スコアが動いたのは前半22分でした。
敵陣右ゴール前ラインアウトのチャンスを得た東芝は、FWの連続攻撃から9番がスキを突いてグラウンディング。9番のゴール成功で、東芝が7点を先制します。
しかしCTBカラウリアヘンリー、WTB小泉らが力強い突進を見せるなどして反転攻勢したアークスは、前半32分、東芝が反則を犯してPGチャンスを得ます。
ここはSO小倉順平がPGを決めて3-7。じわりと差をつめます。
直後、東芝はNO8がハンドオフを織り交ぜながらビッグゲイン。自陣ゴール前でようやくSO小倉のタックルで前進を止めると、こぼれたボールを今季初先発のLO杉浦直人が確保。ピンチをしのぎます。
【HIA/前半32分→後半0分】NO8アマナキ・レレイ・マフィ→ラーボニ・ウォーレンボスアヤコ
しかしここからはフィジカルを強みとする東芝の時間帯。アークスも途中出場のウォーレンボスアヤコらがディフェンスで奮闘し、インゴールを割らせません。
すると前半終了間際、自陣からボールを右展開したアークスは、FB小川優輔がゲインラインを突破。
こぼれ球をSO小倉がセービングして攻撃を継続すると、CTB石橋拓也の突破から、SH光井勇人がさらにビッグゲイン!
SH光井が快足を飛ばして敵陣10m付近まで入ると、さらにボールをつないでCTBカラウリアヘンリーが相手ゴールへ突進。トライ目前で止められますが、PR庵奥翔太がパスアウトすると、最後はウォーレンボスアヤコが右中間にトライ!
SO小倉のコンバージョンも成功し、前半終了前に貴重な7点を追加。酷暑の消耗戦は10-7で後半へ向かいます。
【選手交替/後半0分】ラーボニ・ウォーレンボスアヤコ→アマナキ・レレイ・マフィ
後半最初にスコアしたのは東芝でした。
ハーフウェイライン付近でボールを奪った東芝は、後半10分、左右にアタックを続けながら8番が再三にわたってゲインを切り、最後は5番がゴールポスト右に逆転トライ。
9番のゴール成功で、10-14とふたたびリードを奪われます。
【選手入替/後半11分】PR庵奥翔太→上田竜太郎
【選手入替/後半12分】PRレイルアマーフィー→白隆尚
後半14分、相手の反則でSO小倉がショットを狙いますが失敗し、3点追加はならず。
アークスのトライは、その3分後でした。
後半17分、相手15番のショートキックで生まれたラックで、FL栗原大介が左隅にいたCTBカラウリアヘンリーへパス。大きくゲインし、内側をサポートしていたFL金正奎キャプテンへつないで、そのまま頼れる仕事人が左隅にグラウンディング!
ビデオ判定の結果トライが認められ、SO小倉のゴール失敗も、15-14と再度リードを奪います。
【選手入替/後半18分】HO三浦嶺→種本直人
アークスの勢いは止まりません。
後半20分には、相手のノックオンを途中出場のHO種本直人が確保。すばやくボールを右へ配球すると、大外でWTB鶴田が防御裏へチップキック。
東海大学出身の28歳が技アリのキックを続けて、相手陣へ侵入します。
【選手入替/後半21分】SH光井勇人→友井川拓/CTBブラッキン・カラウリアヘンリー→シェーン・ゲイツ
すると東芝が自陣でハイタックルの反則。ここでSO小倉がPGを成功させて3点追加。18-14とリードを広げます。
その後も試合はアークスのペースが続き、後半24分には途中出場のCTBシェーン・ゲイツが、相手6番をタッチラインへ押し出すビッグタックル。スタンドを湧かせます。
【選手入替/後半25分】WTB小泉将→マックス・ウッドワード
逆転に懸ける東芝ですが、ハンドリングエラーが頻発してチャンスを活かせません。
さらにプレッシャーをかけるアークスは後半31分、相手のノックオンによる自陣10m付近でのマイボールスクラム。
PR白隆尚、HO種本、PR上田竜太郎に替わっていたFW第1列を中心に相手を押し切って、FW陣が雄叫びを上げるビッグスクラム!この日初めてスクラム戦でペナルティを獲得します。
そして、このスクラム戦勝利が起点となってトライが生まれます。
ペナルティからのタッチキックで敵陣に入ったアークスは、後半34分。
敵陣右でのラインアウトは乱れ、一度は相手ボールになったものの、NO8アマナキが相手10番へ猛タックル。FL金キャプテンを始めとしたFW陣が殺到し、相手陣でボールを奪います。
すると、すかさず途中出場のSH友井川拓がボールを左へ持ち出し、相手2人を引きつけながらCTBゲイツへパス。そのままアークス2年目の24歳がインゴールへ駆け抜けて、歓声を浴びながらチーム3トライ目!
SO小倉のゴール成功で25-14! 試合時間残り5分で11点のリードを得ます。
【選手入替/後半38分】LO杉浦直人→牧野内翔馬
最終盤、東芝の猛攻を受けますが、こぼれ球へ素早い反応を見せるなど、最後まで集中力高くプレーしたアークス。
最後はボールをタッチへ蹴り出し、ノーサイド。
8月末の蒸し暑い気候のなか、フィジカル自慢の東芝相手に80分間激しいプレーを続け、最終スコアは25-14。マン・オブ・ザ・マッチ(MOM)にはSO小倉が選出されました。
今季初勝利を手にしたアークスは、これで1勝1敗。勝ち点4を手にして、カンファレンス6位から4位(総勝ち点5)に浮上。
9月3日(日)の第3節近鉄ライナーズ戦へ向けて、チームに勢いを与える勝利となりました。