インタビュー / INTERVIEWS

ロブ・ペニー Rob Penney

ヘッドコーチ

※インタビューは、宮崎合宿中の6月8日に行いました。

ロブ・ペニーヘッドコーチ写真

世界のラグビー界の流れと自らのコーチング哲学

――まず世界のラグビー界のことをお訊きしたいのですが。昨年ラグビーワールドカップでニュージーランドが優勝したのは必然ですね。

優勝に値するチームであったと思います。ただ簡単だったわけでは無く、セミファイナルの対南アフリカ戦はオールブラックスにとってとても重要な試合でした。最終的には2点差でオールブラックスが勝ちましたが、どちらに転んでもおかしくない試合でした。

――トップ4に残ったチームが全部南半球の国だったのは予想していましたか?

はい、そうなると予想していました。

――それは現在ヨーロッパのトップクラスの国々よりも南半球の国々の方がアドバンテージがあると考えているからですか?

ええ、南半球のトップクラスの国々の方が世界のラグビーをリードしていると感じています。

――具体的には南半球のどういったラグビーが勝っていたのですか?

コーチングが優れているのではないかと思います。いいコーチングが選手にうまく還元されて、それが強さにつながっているのだと思います。

――ニュージーランドのラグビーは高い個人能力あってのものだとも思うのですが、ロブHCが2年間シャイニングアークスを指導してきて、チームにフィットしてきましたか?

トップ8に2年続けて入ることができていますので、フィットしてきているのではないでしょうか。

――今後トップリーグの他のチームもニュージーランドスタイルのラグビーを志向していくと思いますか?

そうは思いません。ただ大くくりでニュージーランドスタイルと言っても、私がシャイニングアークスに指導しているラグビーはその要素が入ってはいますが、自分がカンタベリーでコーチをして培ってきた私独自のスタイルでもあります。

私がこれまでの経験から学んだことに、個人のラグビー哲学を加味しています。

ロブ・ペニーヘッドコーチ写真
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昨シーズンの結果とコーチの仕事に関して

――昨シーズンの結果に関して。目標はトップ6に置いていたと思いますが。

チームの力が十分ではありませんでした。セットピースの部分がうまく機能しなかったり、判断の部分でもぶれがありましたし、コンスタントにいいパフォーマンスが出せませんでした。

――シーズン後半からチームの調子が悪くなっていった理由を選手に訊くと、「メンタル」という答えが多かったのですが。

そうですね。そう言うのが一番答えやすいかもしれません。ただそれぞれの選手によって受け止め方は違うと思います。

具体的なこととしては、チームとして「集中する」「出すべきところで力を発揮する」といったことが重要でしたが、1分1分を大切にして80分間コンスタントに力を発揮することができませんでした。それができれば、どんなチームにでもやられることは無いと思っています。それは、東芝戦やパナソニック戦でも証明できたと思います。

メンタルが足りていない時間をどんどん少なくしてことによって、ミスも減り自分たちのゲームができるようになります。そこが、自分たちにとってこれから成長するべき点だと思っています。

――ヘッドコーチの仕事に関してお訊きしたいのですが。チームの年間スケジュールなどは、シーズン前にすべて決めているのですか?

年間スケジュールに関しては、昨シーズンが終わってニュージーランドへ帰る前にもう作っています。年間スケジュールに限らず、プレシーズンの取り組み方に関しても帰る前にはもう決めています。それによって、各個人の選手が取り組むべき課題が見えている状態になっています。またそれを十分に機能させてくれるコーチも揃っています。

そして、自分はオフシーズンの間にビデオを確認して更に深い分析を行っていきます。

ロブ・ペニーヘッドコーチ写真
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1分1分を大切にベストを尽くしていく

――今シーズン、今までと何か変えたところはありますか?

大幅に変えたところはありませんが、いつも微修正は行っています。
練習に関しては、ラグビーの要素とフィットネスの要素を絡めてやっています。

――金選手と石橋選手が新たに日本代表に選ばれたり、4選手がニュージーランド留学から帰ってきたりしたことが、チームにいい刺激を与えていますか?

ええ、もちろん。金選手は、いつもポジティブでありますし生まれ持ったリーダーの素質を持っています。石橋選手は昨シーズンが一年目でしたが、シャイニングアークス・チーム内での新人賞を獲得しました。これからまた一年、コミュニケーション能力も上げて成長していってくれると思います。ニュージーランド留学から帰ってきた4人に関しては、いい経験をしてきてマインドセットの部分でも大幅に変わったのではないかと思います。
彼らの成長がチームにいい刺激を与えてくれています。

――この宮崎合宿では、どういう部分にフォーカスしていますか?

まず一日に2回フィジカルトレーニングをすることによって、体のサイズを大きくしていくことにフォーカスしています。

FWに関しては、スクラムやラインアウト、そしてキックオフの場面といったセットピースの部分にフォーカスしています。BKに関しては、キック戦術を磨いています。ディフェンスに関しては、このキャンプではまだほとんど手を付けていませんので北海道合宿でやっていきます。

――昨シーズンはセットピースで苦しみましたが、勝つためにはやはりセットピースが重要なファクターとなりますか?

セットピースのクオリティを上げていくことは、もちろん大切です。他チームに比べて、FW8人の中に帰化した外国人選手がいないことなど、試合面で不利な点もあります。そういった環境の中でもベストを尽くしていくことが大切です。

――トライに関するボーナスポイントのルールが変わったことによる影響は?(*1)

大きな違いは起こらないと思います。ただ昨シーズンまでのルールでは、4トライ取っていたらそれ以上攻めるリスクを取りませんでしたが、今シーズンはたとえ4トライ取っていたとしても相手より2トライしか多くない状況ではボーナスポイントを狙ってより攻撃的になるのではと思います。それは観る側にとっても面白くなるのではないでしょうか。

ただ戦術的なことなどがルール改正によって変わることはありません。

(*1)これまで4トライ以上のチームに与えられたボーナス勝ち点1は、相手より3トライ以上多く獲得した場合に付与されることになりました。

――今シーズンはどんなラグビーを見せてもらえますか?ファンの皆さまに向けてコメントを。

シャイニングアークスの戦い方に関しては、大きく変わることはありません。現時点でトップリーグのトップ4に入っているのは強いチームばかりです。それらのチームには帰化外国人選手がいたり、ビッグネームの外国人選手を毎年獲得したりして更に強くなっていきます。トップリーグのそういったチーム状況でも、選手たちの能力をいかんなく発揮して波を少なくコンスタントにいいパフォーマンスを出していき、毎週毎試合1分1分を大切にしていきます。そうしていくことによって、ファンの皆さまに誇りを持っていただくことができると信じています。そしてどのチームと戦ってもいいゲームをお見せして、楽しんでいただければと願います。

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