News Release
平成16年10月12日


ISCとの協業によるFルートサーバの大阪設置について



 NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)はInternet Systems Consortium(略称:ISC、本社:米国カルフォルニア州、代表:Paul Vixie)*1の運用するFルートサーバ*2を大阪にISCと共同で設置し、本日より運用を開始しました。
 ブロードバンド回線の爆発的な普及とともにインターネットは社会のインフラとしてますます安定性・信頼性が必要とされています。ルートサーバはインターネットにおける名前解決という根本的な機能を提供する最も重要なシステムの一つです。しかし2002年10月、全世界的なルートサーバに対するサービス妨害攻撃が発生し、この件を契機にルートサーバのセキュリティについての議論が行われてきました。その中でISCはIPエニキャスト技術*3を利用して自らが運用するFルートサーバを全世界に分散させることで、ルートサーバの安定的提供に向けた活動に積極的に取り組んできました。
 今回の大阪へのFルートサーバ設置は、セキュアかつ安定性・信頼性に優れたデータセンターおよび回線を運用するNTT Comと、アジアにおける経済の中心であり、かつ、ブロードバンド回線の普及率が高い日本へFルートサーバの分散配備を計画するISCが、世界的なインターネットを支えるドメインネームシステム(DNS)インフラの安定化および高信頼化を共同で推進することを合意することにより実現しました。また、大阪にルートサーバを提供することにより、日本におけるインターネットインフラの東京への一極集中構造を回避し、分散化を図ることも目的としています。
 NTT Comは、自らがサービス提供するOCNのお客さまだけにとどまらず、インターネットマルチフィード株式会社の提供するJPNAP大阪*4およびWIDEプロジェクトの運営するNSPIXP-3*5においてもオープンなポリシーでこのFルートサーバとの接続を行う環境を提供します。これにより、日本における安定したインターネット利用の環境整備に貢献していきます。
 今後もNTT ComとISCは、NTT ComのグローバルなIPネットワークおよびデータセンターを利用したルートサーバの展開活動などを協調して行うことを検討し、インターネットのさらなる発展に貢献していきます。


*1 Internet Systems Consortium (ISC)
 米国内国歳入規則(Internal Revenue Code)501(c)(3)項の免税措置の適用を受けるNPO法人で、インターネットを利用する上で広く利用されているBINDやDHCPなどのオープンソースソフトウェアの開発の実績を有する。ISCはFルートサーバの運用を通じて全世界的なDNSの安定化の推進に積極的に取組んでおり、DNSに関する危機コーディネーションセンタ(OARC)の運営も行っている。また、ISCはDNSやIPv6への移行の推進に関わる次世代のプロトコルの開発についても行っている。

*2 ルートサーバ
 インターネット上にはIPアドレスとドメイン名を対応づけるシステムとしてドメインネームサーバが階層構造状に多数存在するが、その階層構造の最上位に位置するネームサーバのこと。AからMと名付けられた13のルートサーバがそれぞれ異なる組織により運用されており、Fルートサーバはその1つでISCにより運用されている。

*3 IPエニキャスト技術
 接続要求元の最も近いところへのアクセスを可能とするように経路制御を行うことでサーバへの負荷分散およびレスポンスの向上を図る技術。RFC3258にて規定されている。

*4 JPNAP大阪
 インターネットマルチフィード株式会社が提供する関西における初のギガビットクラスのトラヒック交換が可能な商用IXサービス

*5 NSPIXP-3
 WIDEプロジェクトが運営する大阪における分散IX
<本件に関するお問い合わせ先>
お問い合わせはこちらまで