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BIツールとは?上手に活用してデータドリブンな組織へ

DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進しようにも、実行を担う人材の確保に苦戦している企業は少なくないでしょう。データ活用という領域において、人材不足の課題を解決するのがBIツールです。この記事では、BIツールとは何か?その具体的な機能やメリット・注意点、利用シーン、製品選択のポイントについて説明していきます。

1. BIツールの役割・重要性が高まっている理由

1. BIツールの役割・重要性が高まっている理由

BIツールとは?

BI とはビジネスインテリジェンス(Business Intelligence)の略で、 企業に蓄積された大量のデータを集計、蓄積、加工、分析、可視化することで、意思決定に活用する仕組み(プロセス、技術、アプリケーションなど)の総称です。
一般的に、企業は基幹システムをはじめとして、営業支援システムやマーケティングツール、倉庫管理システムなど、さまざまなシステムを組み合わせて事業活動を行なっています。これら各システム内に蓄積されたデータを一箇所に集めて、分析、可視化することで、現場や経営の迅速な意思決定をサポートする役割を担っています。

BIツールの重要性が高まっている理由

BIツールが登場して10年以上が経過し、既に多くの企業が導入していますが、近年より一層その重要性は高まっています。その理由として主に3つのことが考えられます。

・外部環境の劇的な変化
テクノロジーの進歩やそれに伴う顧客の志向の変化は激しく、これまでの経験則や思いつきなど不確実で偏った意思決定では、社会のニーズを満たすことができなくなっています。どんな未来になっていくか予測が難しい状況でも競争優位性を確保するためには、根拠(=データ)に基づいて、高速でPDCAを回していくことが不可欠であり、集計や分析機能をもつBIが注目される一つの理由となっています。

・多様・高精度なデータを容易に取得できるようになったこと
IoTやスマートフォンなどの登場によって、多様かつ高精度なデータを容易に取得できるようになりましたが、それらのデータを経営判断に活用しようにも、莫大なデータを人力で分析するには限界があります。そこで、ビッグデータの解析もできるBIツールの重要性が増しているのです。

・データアナリスト・データサイエンティストの不足
日本におけるIT人材の不足は顕著で、IPAの調査によれば約70%の企業で「データアナリスト/AIエンジニア」が不足している現状であることが分かっています。データアナリストやデータサイエンティストは、分析手法の知見に優れ、分析結果から洞察を生み出すプロであり、データを有効な資源として活用するには欠かせない存在です。柔軟性は劣るものの、BIツールはその一部を代替することができるのです。

2. BIツールの主な機能

ますます重要度の高まりを見せているBI ツールですが、具体的にどのようなことができるのでしょうか?主要な3機能について具体的に説明していきましょう。
(* これから説明する機能は全てのBIツールに備わっている訳ではありません。製品ごとに実装されている機能は異なる点ご認識の上、読み進めてください。)

主要機能1:データ連携・ETL

・DWH連携機能
DWH(データウェアハウス)とは、様々なシステムからデータを集めて整理する、いわゆる「データの倉庫」と言えるでしょう。目的に合わせて取り出された情報が、時系列順に保管されています。BIツールは、分析対象となるデータをDWHと連携することで取得します。
また、基幹システムなど様々なシステムと連携してデータを取得することも可能です。

・ETL(データ抽出・加工・書き込み)機能
ETLとは、Extract(抽出) Transform(加工) Load(書き込み)の略です。「業務システムなどに蓄積されたデータから必要な情報を抽出し、利用しやすい形に加工、対象とするシステムに書き込む」という一連の処理を行います。”加工”というのは、システム毎に異なるデータを統一の形式に変換したり、重複データを削除したりといった作業を指します。

主要機能2:データの集計・分析・予測

・OLAP分析機能
OLAP分析機能とは、複雑な集計・分析を行い、素早くレスポンスを返す機能のことを指します。データアナリストなどの専門家でなくても、集計や分析ができるよう、GUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)が用いられており、エンドユーザーが自分で分析するための機能と言えるでしょう。OLAP分析は以下3つの機能に分類することができます。

(ドリルダウン)一つの項目を詳細に掘り下げて分析する機能
(例)「期間」という項目について、「年」階層から「月」「日」階層に掘り下げる

(ダイシング)複数の集計軸を掛け合わせて集計する機能
(例)支店別・月別・商品別売り上げ推移表

(スライシング)特定の軸を固定して、一つの軸の推移を比較する機能
(例)「地域別」「製品別」を固定して、「月別」の推移を比較

・データマイニング機能
データマイニングとは、統計解析手法を用いて、大量のデータの中から隠れたパターンや相関関係を発見したり、将来起こりうる事象の発生確率を計算したりする機能です。パターンや相関関係といった法則性を見出すことで、過去に発生した事象の要因が明らかになるだけでなく、今後何をすべきかといった洞察を得ることができます。OLAP分析が仮説検証型の分析手法であるのに対し、データマイニングは発見型の分析手法とも言えるでしょう。

・シミュレーション機能
シミュレーション機能は、過去のデータをベースに、何らかの条件を変更した際に他の指標がどのように変動するか模擬(=シミュレート)する機能です。例えば、仕入れ先を変更して原価を一定数下げた場合に、売り上げや利益がどのように変化するかというようなことをイメージしてもらえば理解しやすいでしょう。

【BIツール例】Visual Mining Studio
ここで、分析機能に強みをもつBIツールの例を紹介しましょう。
Visual Mining Studioは、簡単な操作で本格的なデータマイニングが行えるツールです。もちろん、データの時系列保管や、レポーティング機能も備わっていますが、以下のような分析がプログラミング不要で簡単にできることが特徴です。

  • 関係性を見つけ出す「アソシエーション分析」
    (例)同時に発生する可能性の高い不具合を分析
    (例)ユーザーが同時に行う可能性が高い行動を分析
  • グループ分けする「クラスタ分析」
    (例)製造データから外れ値(異常が発生している可能性)を発見
    (例)さまざまな軸で顧客を分類
  • 将来を予測する「分類分析」
    (例)優良顧客となる可能性の高い顧客を分析
    (例)品質に影響する要因を分析し、歩留まりを予測

主要機能3:可視化・アウトプット

・ダッシュボード機能
ダッシュボード機能とは、重要な経営指標を1画面で直感的にわかりやすく表示する機能です。所属部署や役職によって重要な指標は異なるため、表示される項目や粒度はユーザー毎にパーソナライズされており、画面上でデータの絞り込みや、異常値のアラート表示、ドリルスルー機能(項目毎に詳細表示させる)などが備わっていることが多いでしょう。最新のデータがBI用のデータベースに書き込まれたら、ダッシュボードの表示も自動で更新されるため、日々のデータをタイムリーにチェックするのに有効です。

・レポーティング機能
レポーティング機能は、その名の通りレポートの作成と出力を行う機能です。日報や月報などの定型レポートは、あらかじめ設定を行っておくことで、自動でレポートの作成ができますし、非定型レポートでも、データをドロップするだけで簡単にグラフを作成することができます。特定のタイミングで切り取ったデータを使用するため、BI用のデータベースが更新されても、レポートの内容は更新されません。

【BIツール例】ゼロクリックBI Hyperintelligence
BIツールの集計・分析結果の可視性を高める機能を紹介しましょう。ゼロクリックBI Hyperintelligenceは、BIツールやメールなどの画面に表示された顧客や製品などの文字情報にカーソルを置くだけで、それに関する詳細情報やKPIなどがカード形式で表示される機能です。
例えば、部下からとある営業先についてメールで相談を受けた場合に、通常であれば、BIツールや営業支援ツールを覗きにいき、その営業先の過去の販売実績などを確認する作業が発生します。しかし、Hyperintelligenceを使えば、メールの画面のまま必要な情報がすぐに確認でき、瞬間的な意思決定に役立てることができるのです。BIツールで集計・分析した結果を、他のアプリケーションでも活用できる画期的なツールと言えます。

3. BIツールが活用されているシーン

3. BIツールが活用されているシーン

具体的にBIツールはビジネスの現場でどのように使われているのでしょうか?導入後の姿をイメージしていただけるよう、一例を紹介しましょう。

経営・財務部門

BIのダッシュボード機能やレポーティング機能によって、最新の経営指標をいつでも追うことができます。これまで各部署から報告される月次報告書などでしか把握できなかったものが、よりタイムリーかつ容易に把握できるようになることで、投資タイミングや施策の変更などを、より適切なタイミングで行うことができるようになります。

マーケティング部門

さまざまな集計・分析機能を用いて、顧客の購買行動のパターンをタイムリーに解析することができます。さまざまな軸で顧客をセグメント化し、それぞれがどのような商品や価格帯、販売チャネルを好むのか、どのようなサイクルで購入するのか、何と一緒に購入するのかといったことが分かることで、商品選定や訴求方法を検討するためのインプットとなります。新規顧客の開拓だけでなく、既存顧客のロイヤル化にも貢献します。

販売部門

小売店では、プランニング機能を使って年・月・日別の販売計画を策定することができるでしょう。気象情報やイベント情報などの外部データも取り込むことができるため、より信ぴょう性の高い計画を今までより簡単に策定することができます。また、賞味期限や使用期限に関するアラートを受け取ることで、早い段階で施策をうち、廃棄を減らすこともできるでしょう。

生産管理部門

機械からのセンサー情報を解析して、故障を予知し、事前に整備することで、生産ラインを止めることなく計画通りの生産ができるようになるでしょう。また、根拠に基づく予測を事前に行なっておくことで、販売側からの突貫生産を依頼される機会も少なくなり、製造部門の働き方改革にも寄与する可能性も高くなります。

物流部門

販売計画や生産計画、その実績をベースに、在庫量が予測できるため、P(production)S(sales) I(inventory)の最適化に繋げることができるでしょう。後手に回ることなく保管場所や配送用トラックを手配することができ、それによる売り逃がしや、コストを最小限に抑えることができます。

人事部門

各個人の売り上げや達成率といった実績データを総合的に分析することで、企業への貢献度を測ることができ報酬や役職の決定に寄与します。また、勤怠情報や、パーソナルデータと掛け合わせることで、どのような資質や行動特性を持つ人材が活躍しているのかを可視化することもでき、採用要件の明確化や、離職防止のための施策検討のインプットともなり得るでしょう。

4. BIツールを導入するメリット

データの分析や、表やグラフの作成であれば、Excelでも十分に行うことができます。あえてBIツールを導入するメリットは何なのか改めて整理してみましょう。

複数システムのデータを集約・分析できる

複数のシステムに蓄積されたデータを集計・分析したい場合、Excelでは各システムから必要なデータをcsvなどにダウンロードし、加工した上で、ファイルに貼り付ける手間が生じます。場合によってはシステムへのアクセス権限がなく誰かに頼んでデータを抽出してもらう必要があるなど、欲しいタイミングで欲しい情報が取得できるとも限りません。BIツールでは、複数のシステムに蓄積されたデータを集約・加工する機能を備えており、そのような何ら価値を生み出さない作業を削減することができます。

大量のデータを分析できる

Excelは格納できるデータ量に制限があり、データ量が多くなるにつれて動きが遅くなったりフリーズしたりする傾向があります。BIのデータベースは用途やデータ量に合わせて、データ管理基盤を構築できるため、データ量によって性能が落ちるということは少ないでしょう。データの長期蓄積や、通常では分析しきれないような莫大なデータの分析に対応することができるのです。

専門家以外も多様な分析ができる

データアナリストやデータサイエンティストは、需要が高く採用することが難しいことを前章で述べました。しかし、BIツールを使えば、データ分析の専門知識がなくても集計・分析できるようにユーザーインターフェースに工夫を凝らしており、現場の人たちが、課題の発見や将来の予測をできるようになっています。

簡単にかつ統一された形式でデータを可視化できる

ExcelやWordによる資料作成は、作成者によって資料の見やすさや、分かりやすさが異なり属人化しやすいものです。BIツールでレポートを作成できるようになれば、会議のたびにITスキルの高い社員にレポート作成を依頼する必要もなくなり、会社全体として業務の効率化を図ることができます。図やグラフも感覚的に分かりやすいフォーマットで統一されているため、資料の読み手も内容を理解しやすく、迅速な経営判断に繋げられます。

情報をタイムリーに更新・共有できる

ExcelでKPIの進捗管理などをする場合、データを手動で更新した上で拡散する必要があります。しかし、BIツールでは、BI用のデータベースに書き込まれたタイミングで、ダッシュボードにも反映されるため、よりタイムリーな情報を必要なメンバーに共有することができるのです。

5. BIツール導入の注意点

このように多くのメリットがあるBIツールですが、以下のような点にも注意が必要です。

データ準備・初期設定に時間がかかる場合がある

BIツールを活用するためには、データの準備や初期設定が必要ですが、これらは簡単・直ぐに行えないケースもあるため注意が必要です。どの製品を導入するかによって異なりますが、一例として、以下のような作業が必要になり、これらを行うには、外部のベンダーやIT部門の協力がなければ難しいでしょう。

  • データ形式の決定、データクレンジング・整形
  • ユーザーの役割や責任に応じた、ダッシュボードのカスタマイズ
  • アラート表出のための正常値/異常値の設定
  • 目的別の分析手法や計算式の定義
  • 分析用のデータベースや作業テーブルの準備

分析したいデータが取得できていなければ効果が得られない

既に取得できているデータを分析する目的で、BIツールを導入するのであれば問題はありませんが、分析したいデータが未取得・精度が低い場合には、BIツールの導入効果は得られないでしょう。また、データを得るための仕組みをこれから構築する場合には、コストがかかる可能性が高いと言えます。
例えば、生産状況をリアルタイムで把握したい場合、生産設備へのセンサー設置、MESの導入、ERP連携といった作業が必要になるでしょう。また、営業担当者であれば、訪問回数や進捗度など、アクションの度にシステムに登録しなければならず、作業負荷を高める可能性もあります。データを得るために追加で対応すべきことを整理した上で、それだけの費用対効果があるかどうか見極めることも重要です。

一定の導入・利用コストがかかる

最近では無料のBIツールもありますが、機能・非機能ともに一定のレベルを求めるのであれば、有償のものを使うべきです。有償のBIツールを使用する場合、安くはない費用がかかることは念頭に置いておくべきでしょう。SaaS型の場合はツールの利用料、オンプレミス型の場合はパッケージ費用、また、導入を外部ベンダーに依頼する場合には導入費用もかかることを認識しておくべきです。

6. BIツール選定のポイント

BIツールの選定を失敗しないために、以下を留意しておく必要があります。

自社の課題を解決できる機能の有無

前章で紹介した機能が全てのBIツールに備わっている訳ではありません。分析に特化しており可視化は最低限のものや、基礎的な分析のみ行いビジュアライズに重きを置いているものなど様々です。
BIツールの導入は手段であって目的ではありません。どんな指標を分析して何の意思決定に利用したいのか、を明確にしておかなければ、製品や実装機能を適切に選択できず、使用されない、または、機能追加によるコストの増加という事態を招きかねません。

既存システムとの連携のしやすさ

業務系システムとの連携ができない場合、BIツールの恩恵を受けることはできません。特に、主なデータ元となる基幹系システムとの連携ができない場合、手動でデータを取り込むにはデータの量が莫大で、余計に手間がかかってしまうこともあるでしょう。BIツールは意思決定のスピードと精度を高めるために導入するものであり、そのために工数がかかっていては元も子もありません。基幹系以外のシステムともできるだけ手間がかからずに連携できる製品を選ぶことが重要でしょう。

提供形態

オンプレミスかクラウド(SaaS)かで享受できるメリットが異なります。オンプレミスであれば、導入費用やメンテナンスの手間がかかるというデメリットがある一方で、自社が利用しやすいようカスタマイズできる、利用人数が増えてもコストが変わらないというメリットがあります。SaaSでは、機能面での柔軟性は低いことや、利用人数が増えればその分費用がかかる一方で、メンテナンスやアップデートに手間がかからない、初期費用が安く済むというメリットもあります。どちらが自社にあっているのか、見極めが必要でしょう。

操作性の高さ

使いにくい製品を導入してしまうと、作業の非効率化を招いてしまいます。実際に使用する人が使いやすいインターフェースであることや、高いスキルが求められないことなどを、デモや無料トライアルで確認することが重要です。

7. まとめ

この記事では、BIツールが期待される背景や、BIツールの機能、利用シーン、導入するメリット・注意点、選定のポイントについて説明しました。変化が激しい時代においては、データに基づいて、迅速に課題を特定し施策を打っていかなければ、顧客のニーズを満たせず離れていってしまうリスクが高くなってしまいます。データアナリストを確保することは難しい状況ですが、BIツールを導入することでデータに基づく意思決定を進めることができるでしょう。まずは、データを十分に活用できているかどうか振り返り、活用できていない場合には、そのために生じている課題を洗い出してみるところから始めてみてはいかがでしょうか?

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