サブスクリプションのマーケティングに役立つ本&用語集

2021年10月11日公開

(最終更新日:2021年10月11日)

サブスクリプションのマーケティングに役立つ本&用語集

サブスクリプションのマーケティング手段は「広告」だけと思っていませんか? サービスの継続的な利用を促すには、広告以外にも顧客との関係性強化につながる多面的なアプローチが必要です。その極意をしっかり学べる良書7選と用語をまとめました。

まとめ

この記事では次の内容が約7分で読めます。

  1. 読めば解決! サブスクリプション・マーケティングの厳選書籍
  2. 日本企業に必須な「カスタマーサクセス」の解説本もピックアップ
  3. 良書に触れる前に! 押さえておくべきマーケティング用語集

サブスクリプション・マーケティング――モノが売れない時代の顧客との関わり方

アン・H・ジャンザー 著、小巻靖子 翻訳

英治出版(2017年11月15日)

Netflix(ネットフリックス)、Salesforce(セールスフォース)、Amazon(アマゾン)プライムに代表されるように、あらゆる分野でサブスクリプションへのシフトが進んでいます。「モノが売れない時代」を迎える中、企業はいま何をすべきか。本書では、サブスクリプションビジネスの成功のカギは、顧客との長期的関係にあるとし、利用し続けてもらうためのマーケティングに取り組むべきであると解説します。3部構成の第1部では、さまざまな業界や業種でサブスクリプションへ移行している現状とその考え方(価値育成)について紹介します。第2部では、その価値育成のための15の具体的な戦略を示し、顧客との関係性を構築する手法や価値育成の重要性が理解できます。そして第3部では、価値育成を実践するための課題やリスク、基本的なルールについて解説しています。

サブスクリプションで売上の壁を超える方法

西井敏恭 著

翔泳社(2020年1月23日)

本書では、サブスクリプション成功のカギは、「顧客が商品・サービスを使い続けたい気持ちをつくること」とし、それを実現するにはどうすればいいのかを述べています。はじめにサブスクリプションとマーケティングの考え方を紹介し、続いてサブスクリプション事業のつくるためのフレームワークや、適切なKPIの構造を紹介します。とりわけ、サブスクリプションのKPIの構造においては、売上を「会員数」「稼働率」「単価」に分けてわかりやすく解説されています。さらに、事業計画や顧客中心の組織のつくり方が紹介され、サブスクの要点を順番に理解できる構成になっています。これからサブスクリプションを始めたい方にとっては入門書であり、すでにサブスクリプションビジネスを展開している方にとっては、現状の課題を解決するヒントが得られる実践書となっています。

カスタマーサクセス――サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則

ニック・メータ 著、ダン・スタインマン 著、リンカーン・マーフィー 著、バーチャレクス・コンサルティング 訳

英治出版(2018年6月6日)

あらゆる分野でサブスクリプションビジネスが拡大しつつある中、企業は売ることよりも顧客との長期的な関係をつくることが求められます。そのようなサブスクリプション時代において、カギとなるのが「カスタマーサクセス(顧客の成功)」です。「顧客の成功」が企業の利益につながるといった考えに立ち、企業は顧客に“対応”するのではなく、顧客と“伴走”するといった関係づくりを目指すべきであるとします。新規顧客獲得より既存顧客の保持を重視し、そのためには、データを活用して顧客を支援することが必要だと説きます。カスタマーサクセスは、シリコンバレーのSaaS企業で生まれた考え方であり、本書はそのカスタマーサクセスの最前線で活躍する著者たちが、これからのビジネスの考え方と組織の在り方を実践的に語ります。

サブスクリプション:「顧客の成功」が収益を生む新時代のビジネスモデル

ティエン・ツォ 著、ゲイブ・ワイザート 著、桑野順一郎 監修・翻訳、御立英史 翻訳

ダイヤモンド社(2018年10月25日)

消費者の関心が「所有」から「利用」へと移行しつつある中、企業はどう対処すべきか。その解決策として注目されているのが、サブスクリプション型のビジネスモデルです。Adobe(アドビ)、Netflix(ネットフリックス)、Spotify(スポティファイ)、Salesforce(セールスフォース)、コマツは、どのようにして急成長を遂げているのか。サブスクリプションビジネスのプラットフォームを提供しているZuora(ズオラ)の創業者兼CEOである著者のティエン・ツォ氏が解説します。第1部では、小売りやメディア、テクノロジー、製造などの事例を紹介します。第2部では、企業がサブスクリプション・モデルを導入するための組織改革と戦略をわかりやすく解説しています。

SMARTサブスクリプション:第3世代サブスクリプションがBtoBに革命を起こす!

宮崎琢磨 著、藤田健治 著、小澤秀治 著

‎東洋経済新報社(2019年10月4日)

サブスクリプションは、「コンテンツ見放題」「ソフトウェア使い放題」など、ともすれば定額課金などの料金の支払い方と捉えられがちです。しかし、本書ではそれはサブスクリプションの一面に過ぎないと言い、サブスクリプションの本質を「顧客との継続的な関係を担保する」こととします。さらに昨今では、シェアリング・エコノミーなど新たな経済の考え方が広がり、デジタルテクノロジーが進化する中で、次世代のサブスクリプションが登場していると語ります。サブスクリプションの進化を第1世代から第3世代に分け、最新の第3世代を「SMARTサブスクリプション」と定義し、「SMARTサブスクリプション」こそ、ビジネス革命を起こす可能性があると解説します。さらに「SMARTサブスクリプション」をいち早く展開している日本企業の事例も紹介しつつ、その具体的な進め方を提言します。

THE MODEL(MarkeZine BOOKS) マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス

福田康隆 著

翔泳社(2019年1月30日)

近年ビジネスにおいて、マーケティング、インサイドセールス、営業、カスタマーサクセスという流れで、商談化のプロセスを分業で担当していくスタイルが注目されています。その原点ともいえる、セールスフォース・ドットコムの「The Model」が生まれた経緯やプロセスについて解説しています。Oracle(オラクル)、Salesforce(セールスフォース)を経て、マルケト代表取締役社長に着任した著者が、自身の成功体験や失敗例にもとづいて、顧客のステージに沿った各プロセスの機能と現場でのオペレーションのポイントを語ります。さらに市場戦略、組織の作り方やリーダーシップ論にまで触れ、米国セールスフォース・ドットコムのマーク・ベニオフCEOをはじめ、日本オラクル設立者の佐野力氏など、日米の経営者やマネジメント層の貴重なエピソードも多数収録しています。

カスタマーサクセスとは何か――日本企業にこそ必要な「これからの顧客との付き合い方」

弘子ラザヴィ 著

英治出版(2019年7月3日)

世界的に広がるビジネスの新常識「カスタマーサクセス」は、日本企業にこそ必須の概念であるというのが本書のテーマです。カスタマーサクセスは日本古来の商慣行の進化形であり、「商いは買っていただいた後が大切」の精神は今も昔も変わりません。リクルートマーケティングパートナーズ、メルカリ、Sansanなどの事例を紹介しつつ、この不可逆的なトレンドを読み解き、カスタマーサクセスの必然性と本質、成功要因などを解説します。第1章では日本企業にとってカスタマーサクセスがなぜ必要なのかを説き、続く第2章ではカスタマーサクセスをわかりやすく解説します。さらに第3章では、カスタマーサクセスの日本における現状に触れ、デジタルを活用して顧客に成功を届け続ける対応が必須にも関わらず、対応の鈍い日本企業に警鐘を鳴らします。

サブスクリプションのマーケティングで最初に押さえたい7つの用語

サブスクリプションのマーケティングに役立つ本&用語集 | サブスクリプションのマーケティングで最初に押さえたい7つの用語

Churn Rate(解約率)

前月から今月に失った顧客数や収益の率です。顧客数ベースは「カスタマーチャーンレート」、収益ベースは「レベニューチャーンレート」と呼びます。

ARR(Annual Recurring Revenue/年間経常収益)

毎年決まって得られる年間の収益や売上のこと。初期費用やコンサルティング費用などの一時的な収入は除外して算出します。サブスクリプションビジネスの成長性を測るKPIです。

NRR(Net Revenue Retention/売上継続率)

対象月の売上から数値を算出することで翌年の同時期、どの程度の売上規模になっているのかを把握する指標です。サブスクリプションビジネスの成長性を測るKPIです。

LTV(Life Time Value/顧客生涯価値)

自社製品やサービスの契約から解約まで、もたらされる合計の利益を示す値です。サブスクリプションビジネスの顧客ロイヤルティを測るKPIの1つとなります。

CAC(Customer Acquisition Cost/顧客獲得コスト)

広告やマーケティング、販売など顧客を獲得するためにかかった経費全般を指します。サブスクリプションビジネスの効率性を測るKPIです。

Payback Period(顧客獲得コスト回収期間)

サブスクリプションビジネスで利益を上げてCACを回収するまでにかかる期間のこと。サブスクリプションビジネスの効率性を測るKPIです。

カスタマーサクセス

顧客を成功に導くことでLTVの最大化を目指す一連の取り組みです。顧客の成功と自社の収益を両立させる目的のもと、能動的に顧客に働きかけます。

  • 記載されている会社名や製品名は、各社の商標または登録商標です。

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