サブスクリプションビジネスの課題解決!収益のポイントとは

2021年9月30日公開

(最終更新日:2023年2月3日)

サブスクリプションビジネスの課題解決!収益のポイントとは

サブスクリプションビジネスの課題を解決し、安定した収益を上げるポイントはどこにあるのでしょうか。今後の市場規模予測や成功事例のポイント、失敗の原因などを交えて、効果的な取り組みの進め方を解説していきます。

まとめ

この記事では次の内容が約6分で読めます。

  1. サブスクリプションビジネスの将来性を知り、投資リスクを抑えた第一歩を踏み出すには
  2. サブスクリプション事業の収益を黒字化する大前提のポイントは「見える化」にある
  3. 解約・継続の明暗はどこで分かれる? サブスクの失敗の原因、成功事例を徹底比較

課題1:サブスクリプションビジネスの将来性を知り、投資リスクを最小化したい

サブスクリプションビジネスの課題解決!収益のポイントとは | 課題1:サブスクリプションビジネスの将来性を知り、投資リスクを最小化したい

解決策:市場規模予測を把握する

国内BtoCサブスクリプション市場規模は、2020年で8,000億円となっており、上記に含まれないBtoBの領域を加えると、国内サブスクリプション市場は2024年時点で50兆円になると見込んでいます

  • 弊社独自の算出方法により予想

国内市場が急伸する一方、動画や音楽配信などのデジタルコンテンツ分野や、食品・化粧品類の定期宅配サービス分野以外は、まだまだ小規模な分野が多いことも事実です。見方を変えれば、サブスクリプションビジネスの課題をクリアにして新規参入すれば、収益拡大のチャンスが十分見込まれる魅力的な市場と言えるのではないでしょうか。

解決策:契約や請求業務が管理できるシステムを導入してコストを抑える

サブスクリプションビジネスへの参入にあたり、従来の商品やサービスの契約や請求処理を「売り切りタイプ」から「継続的な課金タイプ」に移行する必要があります。移行には大規模なシステム投資や業務プロセス変更が必要になるため、いかにコストや稼働を抑えるか工夫することも重要でしょう。あらかじめパッケージ化されたサブスクリプションのシステムを導入することで、ゼロからスクラッチで開発するよりも初期コストや開発に要する時間を抑えることができます。さらに運用の大部分を自動化できるため、無駄な稼働や人件費を抑える効果もあります。

NTTコミュニケーションズが提供する「Subsphere(サブスフィア)」は、サブスクリプションビジネスに必要な機能を網羅したクラウドサービスです。バックオフィス機能やフロント機能、商流管理機能を提供するうえ、基幹システムや決済代行会社などの外部連携も可能にします。

課題2:サブスクリプション事業収益の黒字化に向け「見える化」を図りたい

サブスクリプションビジネスの課題解決!収益のポイントとは | 課題2:サブスクリプション事業収益の黒字化に向け「見える化」を図りたい

解決策:KPI(重要業績評価指標)を設定して、分析する

サブスクリプションビジネスでは、事業の「成長性」「効率性」「顧客ロイヤルティ」の3つの観点で運営を続けていくことが非常に重要です。明確なKPIを設定して見える化を図り、分析することで収益の黒字化を目指す必要があります。特に重要な5つのKPIを紹介します。

「ARR」(Annual Recurring Revenue)は年間経常収益と呼ばれるもので、毎年決まって得られる年間の収益や売上を指し、初期費用やコンサルティング費用などの一時的に発生する収入は除外して算出します。「NRR」(Net Revenue Retention)は売上継続率、対象月の売上から数値を算出することで翌年の同時期、どの程度の売上規模になっているのかを把握する指標です。ともにサブスクリプションビジネスの成長性を測るKPIとなります。

「CAC」(Customer Acquisition Cost)は顧客獲得コスト、つまり広告やマーケティング、販売など顧客を獲得するためにかかった経費全般を指します。「Payback Period」は顧客獲得コスト回収期間、利益を上げてCACを回収するまでにかかる期間のことです。これらはサブスクリプションビジネスの効率性を測るKPIとなります。

「LTV」(Life Time Value)は顧客生涯価値というもので、顧客から生涯にわたり得られる利益です。自社製品・サービスの契約から解約まで、合算でどのくらいの利益をもたらしてくれるのかを示す値です。サブスクリプションビジネスの顧客ロイヤルティを測るKPIの1つです。

これらのKPIを設定、見える化して分析することが、収益を黒字化するポイントになります。

解決策:戦略的なプライシングをする

プライシングとは、製品やサービスの取引価格を決めることを意味し、目標利益率の達成、市場でのシェア拡大、競合企業への対抗などを考慮して行う必要があります。収益の黒字化や売上を拡大する重要な要素となるため、原価などを基準とする機械的なプロセスのみならず、さまざまな観点からの戦略的なプライシングを行うべきでしょう。

課題3:顧客に解約されない仕組みをつくりたい

サブスクリプションビジネスの課題解決!収益のポイントとは | 課題3:顧客に解約されない仕組みをつくりたい

解決策:カスタマーサクセスを提供できる組織づくり

カスタマーサクセスとは、顧客を成功に導くことでLTVの最大化を目指す一連の取り組みです。受動的に顧客の要望を満たすサポートではなく、顧客の成功と自社の収益を両立させることを目的に、能動的に顧客に働きかけます。部門や部署を越えて全社的にカスタマーサクセスの目的を把握・共有し、緊密に連携しながら推し進める必要があります。カスターサクセスにおいて、特に重要となるのがオンボーディングです。これは顧客のサービス利用時(特に初回利用時)に課題を解決し、「このまま使い続けたい」と感じる成功体験を提供すること。このオンボーディングの成否によって、顧客の定着率は大きく変わってきます。

解決策:データをフルに利活用して解約率を抑える

サブスクリプションビジネスの成功ポイントは、顧客にとって「なくてはならないサービス」であり続けることです。つまり悩みや課題を解決し、成功体験を提供し続けることができれば、利用は継続され、解約率を下げることができます。さらにサービスの機能充実に加え、カスタマーサポートを含めて顧客の支持を高めるサービスに改善していくことも重要です。

サブスクリプションビジネスでは、サービスの申し込みから利用、支払い、解約といった一連のデータをCRMなどのシステムで管理することにより、蓄積された顧客にひも付くパーソナルデータをさまざまな用途で活用できるようになります。たとえば、カスタマーサポートに寄せられた意見をもとにした新機能の実装、サービスやサポートの改善などです。このような施策により、サービスの品質を向上し、顧客の支持を上げ、解約率を抑える効果が期待できます。

サブスクリプションビジネスの撤退事例に学ぶ

サブスクリプションビジネスの課題解決!収益のポイントとは | サブスクリプションビジネスの撤退事例に学ぶ

満を持してサブスクリプションビジネスに進出しても、必ずしも成功するとは限りません。ここでは国内外、大手企業2社の撤退事例をご紹介します。

AOKI「suitsbox」

利用者の好みやサイズに合わせてスタイリストが選定したスーツやシャツ、ネクタイのセットを月額7,800円より提供する「suitsbox」は、サービス開始からわずか半年で撤退を迎えました。「若者のスーツ離れを脱却する」というターゲットの想定が外れたこと、利用者のニーズに応えられる豊富なデザインやバリエーションを用意できなかったこと、想定以上に倉庫やクリーニングなどの運用コストがかさんでしまったことなどが原因として考えられています。

ミールキット宅配大手「Blue Apron(ブルーエプロン)」

「Blue Apron(ブルーエプロン)」は2012年、利用者がシェフの料理を再現できる高品質な食材が届くミールキット宅配を開始。しかし2019年に顧客が大きく減少し業績は低迷します。最大の理由は宅配トレンドの変化です。調理済みの料理を直接届けるスタイルが主流になり、調理が必須のミールキットの需要が低下。週2~3回の注文が必要なこと、料理の選択肢が限られるなど、サービスの柔軟性に欠けていたことが原因として考えられます。

サブスクリプションビジネスの課題を解決する「Subsphere」(サブスフィア)

サブスクリプションビジネスの課題解決!収益のポイントとは | サブスクリプションビジネスの課題を解決する「Subsphere」(サブスフィア)

自社のみの力でサブスクリプションビジネスに関する情報収集から立ち上げまでを達成できるケースは2%に過ぎません。「Subsphere」は、NTTグループとして培った20年以上のサブスクリプションビジネスの経験・知見を活かして、プラットフォームや支援サービスを提供。豊富な支援実績を持つコンサルタントが、事業・業務設計からシステム設計までをトータルにサポートします。

  • ベイカレント・コンサルティング「サブスク参入を目指す企業の検討ステータスとその到達状況(300社ヒアリング結果)」
  • 記載されている会社名や製品名は、各社の商標または登録商標です。

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