BtoC サブスクリプションサービスの国内市場規模(推移と予測)

2020年の8,000億円から2024年には1.2兆円へ拡大
国内BtoCサブスクリプション市場規模は2020年で8,000億円、2024年には4,000億円増の1.2兆円に達すると見込んでいます※。サービス領域としてはファッション、美容、飲食、教育、ソフト、各種物品、食品、自動車、音楽配信、動画配信、ニュース配信、電子書籍など多岐にわたり、幅広い業界・業種の企業が参入している状況です。
- 弊社独自の算出方法により予想
5割超の消費者が「できるだけモノを持たない暮らしに憧れる」
国内BtoCサブスクリプションの市場規模が拡大する背景には、「心の豊かさを重視する」消費者(62.0%)が、「物の豊かさを重視する」消費者(29.6%)の2倍以上に達する調査結果が示すように※、消費者の価値観の変化が大きく影響しています。さらに「できるだけモノを持たない暮らしに憧れる」に当てはまるとした回答が51.9%を占める調査結果もあり※、今後も「モノを所有する」から「コトとして利用する」へ移行する消費者は増えていくと考えられます。

- サブスクリプションサービスの動向整理(消費者庁)(https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/meeting_materials/assets/internet_committee_200205_0002.pdf)を加工して作成
下記のページでサブスクリプションビジネスのメリット・デメリットを詳しく解説しています。
特に動画配信・音楽配信の利用者数を中心に増加
国内のBtoCサブスクリプションサービスで人気を二分するのが動画配信と音楽配信です。有料動画配信の利用率は16.3%に達し、うち86.5%が定額の見放題サービスを利用しています※。音楽配信でのサブスクリプションの売上高は、音楽配信全体644億円のうち49%にあたる315億円です※。いずれも2018年の調査結果であり、現在は売上高と利用率、利用者数はさらに伸びていると考えて間違いありません。DVDやCDなどの「モノ」を購入して所有するから、動画や音楽の配信サービスを「コト」として気軽に利用するというスタイルへ、消費者の行動が明らかにシフトしていると見るべきでしょう。


- サブスクリプションサービスの動向整理(消費者庁)(https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/meeting_materials/assets/internet_committee_200205_0002.pdf)を加工して作成
下記のページでサブスクリプションビジネスの事例を詳しく解説しています。
年代別サブスクリプションサービスの利用率※
次に、BtoCサブスクリプションサービスを「利用したことがある」「自身で契約した」と回答した利用者への調査結果をひも解いてみましょう。まず利用率の高いサブスクリプションサービスは、動画配信、音楽配信に次いで電子書籍・雑誌・コミック、ゲームといったデジタル系サービスが上位を占めています。これらのサービスはスマートフォンなどで手軽に利用できることから、年代が若くなるほど利用率が高くなっています。
さらに現在利用しているサブスクリプションサービスの数については、「1つ」(48.3%)、「2つ」(31.2%)、「3つ」(12.7%)となっており、約8割が1つないし2つのサービスを利用している状況です。なお20代、30代については、他の世代よりも3つ以上のサービスを利用する割合は高くなります。

BtoCサブスクリプションサービスではデジタル系サービスが上位を占め、まだまだファッション、飲食、生活系といった非デジタル系サービスの利用率はそれほど高くはありません。これを逆に考えれば、非デジタル系サービスには十分に新規参入のチャンスがあると言えるでしょう。
- サブスクリプションサービスの動向整理(消費者庁)(https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/meeting_materials/assets/internet_committee_200205_0002.pdf)を加工して作成