請求書には印鑑が必要なのか?押印方法や請求書業務の効率化についても解説

請求書には印鑑が必要なのか?押印方法や請求書業務の効率化についても解説 画像

請求書に印鑑を押す義務がないことを知っていますか?請求書に印鑑が必要な理由や使用する印鑑の種類、押す位置や注意点などをご紹介します。また、脱ハンコや業務の効率化などのために請求書を電子化するメリットも説明するので、参考にしてください。

請求書に印鑑が押されている理由

日本では、正式な書類には印鑑を押すのが一般的です。請求書も同様で、印鑑が押されていれば正式なものとして扱われ、商習慣として押すのが当然と考えている方も多いと思います。

請求書にはなぜ押印されているのか、主な理由をご紹介します。

データの改ざんや偽造を防ぐ

印鑑が押されていると、請求書を偽造しにくくなります。押印前の請求書を正式なものとして扱った場合、真似て同様のものを作成することは難しくありません。コピーすることで複製も可能です。

印鑑が押してあれば印鑑イメージの複製が難しく、請求書の改ざんや複製のリスクが下がります。

さらに、押印されている文書を偽造すると、押印されていないものを偽造した場合と比べて厳しく罰せられるように、刑法159条で定められています。押印することで偽造に対する抑止力にもなるでしょう。

請求書の信頼性を担保する

印鑑が押してある請求書は発行者が証明されているため、書類としての信頼性が高い点もポイントです。受け取った側としては、安心して取引を進められます。

企業によっては業務フロー上、印鑑がない請求書は処理ができない場合もあり、受理されない可能性があります。

請求書に使用する印鑑の種類

請求書に使用する印鑑にはいくつかの種類があります。法人と個人事業主やフリーランスでは異なるため、それぞれご紹介します。

法人の場合

法人が請求書に使用する印鑑は3種類あります。開業や法人設立に向けて3種類をセットで販売していることも多いです。

実印

実印は丸印、代表者印とも呼ばれます。形に指定はないものの、丸型が多く使用されています。会社を登記する際に必要な印鑑で、法務局で印鑑登録をした印です。

契約書や申請書類などの重要書類に使用されるため、取り扱いに注意が必要です。また、複製による不正や摩耗を避けるために、請求書のように頻繁に発行する書類に押印しない方が良いでしょう。

銀行印

銀行印は銀行口座開設時に使用する印鑑です。手形や小切手を発行する際にも使います。金融機関への届け出で使用する印鑑なので、不正のリスクを避けるためは、請求書への押印はしない方が良いでしょう。

角印

角印は会社の名前が入った印鑑で、認印として使われます。形に決まりはありませんが、四角形の印鑑が使われることが多いため、角印と呼ばれます。

角印が押された書類は、発行者が承認をした書類と認められます。使用シーンも幅広く、請求書に最も適した印鑑です。

個人事業主やフリーランスの場合

個人事業主やフリーランスの場合、法人のように3種類を揃える必要はありません。ただし、法人と同様に実印や銀行印を請求書に押すことは避けた方が良いでしょう。

また、請求書への押印はシャチハタや三文判でも問題ありませんが、取引先からの信頼性を高めるには、屋号の印鑑や仕事用の印鑑を用意することをおすすめします。

請求書に印鑑を押す位置

会社が使用している請求書フォーマットに押印欄があれば、フォーマットに従います。欄がない場合は、次の2点を確認しましょう。

  • 会社情報の右側
  • 社名や住所に重なるように

請求書には必ず会社名や住所など会社情報を記載します。印鑑は会社情報とセットになるよう、会社情報の右側に押します。その際、社名や住所に部分的に重ねると良いでしょう。

請求書に押印する際に確認するポイント

請求書への押印について、気を付けるべきポイントをご紹介します。

社名に重ねて押印できているか

請求書の信頼性を高めるために、印鑑は社名や住所に重ねて押します。文字と印鑑が重なっていると、複製しにくくなり、不正や改ざんのリスクを下げるのが目的です。

印影が明確に残るように押印できているか

押印する際は、印影がはっきりしていることが大切です。印影が欠けていたり、かすれていたりすると見栄えが悪くなり、本来の印影と異なってしまうため、請求書の信頼性が下がります。

印影が明確に残るように押印するには、紙に対して印鑑を垂直に押すことが重要です。もし、印影が明確に残らなかった場合は、新しい請求書を再発行して押し直すようにしましょう。

訂正印を使用していないか

ミスを訂正するために使用する訂正印は、請求書においては使用しないことが原則です。修正テープも同様で、修正が発生したら一度破棄し、正しい内容で再発行します。

請求書はお金のやりとりに関わる書類なので、信頼性が重要です。会社によっては代表者の承認を得ることもあります。請求書はミスがなくて当然と考え、訂正印は極力使用しないようにしましょう。

そもそも請求書に印鑑は必要なのか?

請求書への押印は義務なのか、また、近年推進されている脱ハンコについてご紹介します。

印鑑を押すことは法律で定められていない

PCで作成した請求書をプリントアウトし、印鑑を押すのは当然と考えているかもしれませんが、法律で定められているわけではありません。請求書に関しては、記載事項や形式は厳密には定められておらず、口頭でのやりとりでも双方が合意していれば有効とみなされます。

ただし、口約束では「言った、言わない」のトラブルのリスクがあるため、請求書の発行が望ましく、改ざんや不正の可能性があるので押印することが習慣になっています。

脱ハンコのメリット・デメリット

企業や行政で脱ハンコが推進されています。脱ハンコを進めるうえで新たにシステムの導入をするケースも多くあります。ここでは、企業がシステムを導入して脱ハンコを進めるメリットとデメリットを紹介します。

メリット

  • 業務の生産性向上
  • テレワーク推進
  • コスト削減

デメリット

  • 新システム導入のためのコストがかかる
  • 業務フローの大幅な変更が必要

印鑑を押すことで代表者などの承認を得たとしている場合、メールなどで承認を得ていても、印鑑がなくては次の業務に進めることはできません。また、請求書の作成はテレワークでも可能ですが、印鑑を押すためだけに出社している例もあります。脱ハンコが実現すると、押印のための業務が不要になり、スピーディーに業務が進められます。

コスト削減においては、ペーパーレスによる紙やインク、機器の費用だけでなく、それらの紙を扱って業務を行う人の稼働費削減にもつながります。紙の書類で起こる可能性のある紛失については、専用システムを使うことでリスクを無くすことが可能です。

デメリットとしては、新システムの導入コストや業務フローの大幅変更のため、一時的に業務の効率が低下することが考えられます。しかし、長期的に見ると、コスト削減のメリットや業務改善による効率化の方が影響は大きいでしょう。

NTTコミュニケーションズが提供するBConnectionデジタルトレードは、請求書電子化支援サービスです。サービス内のワークフローを使用することで承認業務をスピードアップ可能です。

業務効率化のために請求書を電子化

脱ハンコだけでなく、請求書の電子化には業務効率化につながる多くのメリットがあります。

請求書を電子化することのメリット

請求書において次のような課題がある場合は、電子請求書の導入メリットが大きいです。

  • 請求書の作成や訂正に多くの時間を使っている
  • 送付に関わるコストが大きい
  • 保管場所に困っている、検索しにくい
  • 紛失によるトラブルがある

そのほか、請求業務に関する課題・問題点はこちらの記事で詳しく紹介しています。

電子請求書にすることで社内のフォーマットの統一や、作成後の請求書の確認、訂正がスムーズに行えるようになります。また、送付の必要がなくなるので費用がかかりません。

さらに、請求書の量が多くて保管場所に困る場合は、電子化することで場所の確保をする必要がありません。検索も簡単にでき、目的の資料をすぐに見つけられます。バックアップなどにより紛失リスクも減らせます。

電子請求書のメリット・デメリットはこちらの記事でも紹介しています。実際に導入を考える方に向けての注意点なども紹介しているので、参考にしてください。

請求書電子化サービスは BConnectionデジタルトレード

BConnectionデジタルトレードは、クラウド型の請求書電子化支援サービスです。販売管理システムと連携して請求書を自動で作成したり、受け取った請求書の請求データをお使いの会計システムへ自動投入することができます。

また、事前に合意した相手のみと文書のやりとりができる仕組みのため、架空請求によるトラブルを避けることができます。発行した請求書は修正や変更ができない仕様のため改ざんなどの不正も防げます。

電子化などのDXに抵抗がある方もいるかもしれませんが、紙の請求書を作成するような画面でマニュアルがなくても使いやすく、事前の研修がなくても自社・取引先ともに定着しやすいです。

脱ハンコのために請求業務を電子化したいけれど、取引先への対応が難しいと考えている方にも向いています。

まとめ

請求書への押印は義務ではありません。しかし、不正防止や信頼性の担保といった理由から、請求書にも押印されています。

企業や行政の脱ハンコが進んでいることから、今後、請求書においても脱ハンコが進む可能性があります。電子化サービスを利用して、押印なしでも信頼性を担保し、業務の効率化を図るのが良いでしょう。

BConnectionデジタルトレードは、クラウド型の請求書電子化支援サービスです。サービス内のワークフローを使用することで承認業務のスピードアップができます。お使いの販売管理システムや会計システムとの連携が可能であり、紙の請求書を作るようなインターフェイスのため、研修なしで使えるのもポイントです。

脱ハンコをサポート!
おすすめの
請求業務電子化支援サービス

このページのトップへ