おしゃべり案内板 ®人件費削減と業務効率化に効果大!
案内業務の課題を解決してくれるAI案内板サービス
那覇バスターミナル株式会社様
AIを活用することによって、人件費の削減や業務効率などさまざまな効果を期待することができます。本ページでは、「ドコモAIエージェントAPI ®」を活用したAI案内サービス「おしゃべり案内板 ®」を活用して解決した事例をご紹介します。
お客さまが抱えていた課題とは?
沖縄本島は、那覇市内を走るモノレール「ゆいレール」以外、鉄道(軌道)がなく、島内の移動手段は自家用車、あるいはバスやタクシーなどに限られます。沖縄本島を訪れる観光客はもちろんのこと、高齢者や免許を持たない若年層の交通手段として重要な役割を担う沖縄のバスが抱える課題とは何だったのでしょう?
インバウンド対応と情報発信強化が課題
本島には4社のバス会社があり、それぞれが連携しながら島内中を網羅するバス路線を形成していますが、そのために乗換などが複雑になってしまう傾向があり、地元の人にも行き方がわからないこともあるほどです。また近年のインバウンド需要増加に対応し、海外からの訪問客にバスを利用してもらうには、複雑なバス路線を適切に案内することが必要でした。

課題解決へのアプローチ:AIを活用し適切な案内ができないか?
ドコモでは、研究開発部門と法人営業部門が組織横断的に混成チームを構成し、社会や企業の課題解決に取り組む「トップガン」プロジェクトを推進しています。同プロジェクトでは、早速この沖縄のバスが抱える課題を解決するべく、サービス開発をはじめました。
設置場所・目的に応じたカスタマイズが可能なAIエージェント
ドコモでは、2018年10月に、「ドコモAIエージェントAPI ®」を活用したAI案内サービス「おしゃべり案内板 ®」を開発しました。NTTグループのAI技術「corevo ®」を活用した「ドコモAIエージェントAPI ®」は、AI技術を活用し、自然な会話のなかでユーザーの目的にあった情報を提供する対話型エンジンを、あらゆるデバイスに組み込むことができるサービスです。オリジナルの「エージェント」を作れることも大きな特色で、設置場所の環境や目的など、お客さまのご要望にあわせてカスタマイズできる高い自由度を誇ります。
「おしゃべり案内板 ®」は、この「ドコモAIエージェントAPI ®」を応用し、タブレットやサイネージなどの画面上にCGキャラクター、あるいは実写の人物などを表示させ、彼らとの対話を進める形式で情報を検索・提供するサービスです。画面の中のキャラクターに「話しかけてみたくなる」、コミュニケーションを促す設計で、訪れる多くの人のニーズに応えることができます。また多言語に対応しており、海外からの訪問客に対して適切な情報提供ができることも大きな特徴です。この「おしゃべり案内板 ®」を活用することで、上述の課題を解決することができるのではないかと考えました。

実証実験:バーチャルヒューマン「Saya」が、バス路線を案内
2019年3月から5月まで、那覇バスターミナルにて「おしゃべり案内板 ®」の実証実験が行われました。今回の実証実験ではバーチャルヒューマン(3DCGキャラクター)の「Saya」とコラボレーション。CGとは思えない自然で変化に富んだ表情の「Saya」が案内サポート役としてお客さまを迎えます。
ターミナル内待合室に設置された大型のディスプレイに表示された「Saya」に、ディスプレイのタッチパネル、あるいはマイクを通じていきたい場所を伝えると、適切なバス路線を検索・案内します。「おしゃべり案内板 ®」は日本語のほかに英語・韓国語・中国語にも対応し、海外観光客のニーズにも応えます。日本のおもてなしの心と未来感を表現した衣装に身を包んだ「Saya」とのコミュニケーションを多くの方にお楽しみいただけます。

人件費削減と業務効率化に高い効果を実感
那覇バスターミナルでは2018年10月のリニューアル以来「コンシェルジュカウンター」を設置し、コンシェルジュがバス経路の案内をしています。しかし、混雑時にはカウンターがふさがっていることや、あるいは日本語が話せない海外観光客はコンシェルジュに話しかけることをしり込みしてしまうことがありました。
実証実験ではコンシェルジュカウンターがふさがっているときに「おしゃべり案内板 ®」を利用する、また海外観光客が多言語対応の「おしゃべり案内板 ®」で検索し、その後詳細な情報を知るためにコンシェルジュカウンターを利用するなど、両者の連携により顧客満足度が高まっていることがわかりました。
那覇バスターミナル株式会社次長の田中正美様は「近年急増する海外観光客、地元の生活者のみなさまにもっとバスを利用していただくためには、適切な情報発信が欠かせないと考えています。
顧客満足度を高めつつ、人件費を抑え業務を効率化するという点で、『おしゃべり案内板 ®』には高い効果があることが、この実証実験でわかりました」と評価します。
適切な情報発信で顧客満足を高め、業務も効率化
ドコモでは、今回の実証実験を契機に、「おしゃべり案内板 ®」をさらに展開させていきたいと考えています。全国の駅やホールなどの公共施設、あるいはホテルやレジャー施設など観光スポットで、バーチャルヒューマンの「Saya」や、ご当地のキャラクターたちが現地の観光情報や交通情報を案内するサービスを展開します。さらに公的な役割を担う施設や場所に向けて「防災用サイネージ」としても利用可能な災害情報表示機能を追加し、万一地震や津波、大雨などの災害が発生した場合には、地方自治体などから配信される災害関連情報を、多言語対応した上で表示することができるよう開発中です。
インバウンドへの対応を含め、公共の場における情報発信力の強化は、今後ますます重要な課題になってくるでしょう。ドコモでは「おしゃべり案内板 ®」をはじめとするさまざまなソリューションで、この課題に応えていきます。
※「おしゃべり案内板」は、株式会社NTTドコモの登録商標です。
※「ドコモAIエージェントAPI」は、株式会社NTTドコモの登録商標です。
※「ドコモAIエージェントAPI」は、NTTグループのAI「corevo」の技術から構成されています。
※「corevo」は、日本電信電話株式会社の登録商標です。「corevo」について、詳しくは以下URLでご確認ください。
https://group.ntt/jp/corevo/

(取材日:2019年5月23日)