国内における訪日外国人数のなかでも、観光目的の外国人数は年々増加傾向にあります。このページでは、外国人のお客さまとのコミュニケーションに対して企業様が実際に抱えていた課題と、解決へのアプローチについてご紹介します。
お客さまが抱えていた課題とは?
前述したように、外国人のお客さまへのコミュニケーションにおいては、国内の多様な業界で対応に対する課題が顕在化しています。
さらには、訪日外国人観光客の8割以上は中国、韓国、台湾、香港などの非英語圏の方々であり、英語以外の言語対応へのニーズも高まっており、多言語によるコミュニケーション体制の構築は急務と考えられます。
また、訪日外国人観光客における旅行中に最も困ったこととしては、 「施設等のスタッフとのコミュニケーションがとれない」という声が最も多く、施設スタッフとのコミュニケーションが円滑に取れるツールや翻訳サービスが求められています。
今回、ドコモと一緒に課題解決へ取り組まれた企業様では、外国人のお客さまも多数来店する飲食店を展開していました。その中で、具体的には以下のような課題を抱えていました。
- 外国人対応に費やす時間を短縮して業務効率を上げたい。
- バイリンガル人材を追加雇用せずに多言語対応したい。
- 外国語が出来る特定のスタッフにばかり業務が集中してしまい、スタッフ間に不公平感が漂っていた。
このような課題に対して、現場スタッフがカタコトの英語でなんとか会話していたり、場合によっては音声翻訳アプリを使用することでコミュニケーションを行なっていましたが、翻訳アプリは雑音の多い場所では音声入力が出来なかったり、おかしな誤訳が発生するなどの問題も抱えておりスムーズな会話が出来ていませんでした。
また、外国人のお客さまの中には、円滑なコミュニケーションが取れないことによって諦めて帰ってしまうという機会損失も発生していました。
課題解決へのアプローチ:多言語で外国人のお客さまと指差し会話できるタブレット端末
現場スタッフの能力だけでは、スムーズなコミュニケーションができないことが最大の課題でした。とはいえ、スタッフ全員に多言語による接客を取得してもらうことは現実的ではありません。
そこで、ドコモの「タッチで会話 ®」を活用し課題解決へのアプローチを実施しました。
*「タッチで会話 ®」とは?
「タッチで会話 ®」は、外国語が話せない人でも、外国人と「簡単」「素早く」「正確な」コミュニケーション可能にするiPad向けの外国人応対支援ツールです。接客スタッフが外国語による会話ができなくても、画面上のアイコンや定型文をタッチするだけで外国人とのコミュニケーションを可能にし、目的に応じた対話文を呼び出すことで感覚的な対話を実現します。
また、iOSの音声読み上げ機能を利用して、あらかじめアプリケーションに設定した外国語を読み上げることができ、38地域27言語に対応させる事が可能です。(2019年12月末現在)
アプリケーション上に表示させるコンテンツ(外国語訳、地図画像、アイコン等)は、企業様の対応マニュアルに合わせて柔軟に設計することが可能で、自由自在に編集できるという手軽さが特徴です。
*「タッチで会話 ®」の3つの強み
今回の課題解決に活用した「タッチで会話 ®」には、大きく3つの強みがあります。
①画面をタッチするだけの簡単操作
あらかじめ外国語文章が入力済みなので音声入力は不要です。画面をタッチするだけですぐに外国語表示と音声が流れます。
②音声再生のレスポンスが早い
機械翻訳の場合、通信状況が悪いとレスポンスが遅くなる場合がありますが、「タッチで会話 ®」はあらかじめ入力している外国語を読み上げるので、スピーディな対応が可能です。
③意図しない誤訳が出ない
随時機械翻訳するのではなく、あらかじめ入力している外国語文章を読み上げるので、意図しない誤訳によるミスコミュニケーションを防ぎます。
これらの強みを上手く活用することで、今回の課題に対して効果的なアプローチを実施することができました。
課題の解決によって得られた効果とは?
今回のアプローチによって、企業様が抱えていた課題を解決していく中で、店舗の現場では以下のような具体的な効果を得られました。
- アプリケーションを使うことで、例えば飲食店で、食べ放題のルール説明にかかっていた時間が5分程度から1分程度に短縮され、コミュニケーションコストが改善
- カタコトの英語が通じない外国人のお客さまにも、案内事項を伝えることが可能に
- 外国人のお客さまに喜ばれて感謝される事が増え、結果として顧客満足度が向上
これまで課題となっていた特定スタッフへ業務が集中するという事象が改善できたことで、スタッフ間に漂っていた不公平感を解消することにつながり、そして新たなバイリンガル人材の雇用によって生じるコストを投じる必要がなくなりました。
何よりも、コミュニケーションができないことによって外国人のお客さまが帰ってしまうという機会損失を改善できたことは、企業様の売上にも大きく寄与する結果となったといえます。
※「タッチで会話」は、株式会社NTTドコモの登録商標です。