「SMS一斉連絡サービス」が沖縄で有効活用できる理由

「SMS一斉連絡サービス」が沖縄で有効活用できる理由

「SMS一斉連絡サービス」が沖縄で有効活用できる理由

一斉に、簡単にメッセージを伝えられたらいいのに。台風や地震などの災害が起きたとき、新型コロナウイルス感染症のような経験したことのない感染症が流行したとき、住民の生命を守る立場の自治体職員や多くの社員を抱える企業の人事担当者は一度はそんな思いが頭をよぎったかもしれない。その思いを可能にするドコモの「SMS一斉連絡サービス」※。導入した団体は導入前と後で、何がどう変わっただろうか。

「SMS一斉連絡サービス」が沖縄で有効活用できる理由

SMSは到達率・開封率が高い

SMS(ショート・メッセージ・サービス)の一番の特徴は「携帯電話の操作に不慣れな人も含めた多くの人に届けやすく、メッセージを読んでもらいやすい」点にある。Eメールだとメールを届けたい相手がそもそも携帯電話のデータ通信を契約していなかったり、ドメイン受信拒否の設定などで届かなかったり、大量に届くほかのメールに埋もれてしまい開封されなかったりと懸念材料が多い。チャットツールなどのアプリだと受信する人がアプリをインストールする必要があるし、受信者の機種がフィーチャーフォンだとアプリのインストールすらできない。

SMSなら、送りたい相手の携帯電話番号さえ分かれば、相手がデータ通信を契約しているかどうかや使用機種の種類に関係なく届けることができる。これにより到達率と開封率が圧倒的に高くなる。

SMS一斉連絡サービスは登録した電話番号とEメールアドレス宛に一斉にメッセージを送ることができる。災害発生時には「A.無事なのか、B.負傷しているのか、C.助けが必要なのか」などの安否確認メールに対し、受信者が選択肢の英字1文字を返信するだけで、送信者は返信の有無を含めた安否状況をリアルタイムに集約、確認することができる。

▼「SMS一斉連絡サービス」概要図

「SMS一斉連絡サービス」概要図

海外出張中の社員、海外支社に勤めている社員にも、SMS一斉連絡サービスはメッセージを届けやすい。日本で契約した携帯電話でも、国際ローミング対応エリア内であれば送受信できるのに加え、中国や韓国などアジアを中心とした17の国と地域の現地主要キャリアの携帯電話においても送受信ができる。

自宅療養者に確実に届けたい

新型コロナウイルス感染症の第3波とも言われた2021年1月中旬から下旬にかけて、沖縄県では一日あたりの新規陽性者数が100人を超える日が断続的にあった。そのおよそ半年前の2020年8月、沖縄県新型コロナウイルス感染症対策本部は急きょ、SMS一斉連絡サービスを導入した。なぜ、必要だったのだろうか。

自宅療養者に確実に届けたい

「導入した2020年8月はいわゆる『第2波』が来ていて、2回目の県独自の緊急事態宣言を出していた時期でした。病床や確保していたホテルがいっぱいになってきたため、症状の軽い人や家庭の事情で自宅を離れられない人に自宅療養をお願いせざるを得ない状況になってきていました。その方たちに自宅療養中の注意事項を確実に読んでいただくためにはSMSを使った周知が有効だという判断になりました」。対策本部の担当者はそう説明する。

自宅療養中は医師や看護師の目が行き届かないため、陽性者自身に症状の変化に気をつけてもらう必要がある。担当者は説明を続ける。「自宅療養することになった方には電話で『県のホームページで注意事項を確認してください』とお願いしていますが、ホームページには新型コロナウイルス感染症の関連情報が数多く載っているため、見てほしい注意事項までたどり着けているか不安がありました。SMSに直接、注意事項が記載されているページのリンクを送ることで簡単に確認してもらえるようになったと思います」

自宅療養者に確実に届けたい

感染力の高い新型コロナウイルス感染症拡大への対応に使用するということで、ドコモも対応スピードのアクセルを踏み込んだ。通常、SMS一斉連絡サービスで大規模配信やB to C配信をするには配信専用番号の取得が必要になる。この番号は申込みから取得まで約1か月を要する。県が独自の緊急事態宣言を出すほどの逼迫した状況下で、1か月の導入遅れは致命的だ。そう判断したドコモは、自治体や企業が大規模災害時などで緊急に番号を必要としたときのために保有していた発信番号を、沖縄県に割り当てるよう直ちに調整を進めた。県の申し出から1週間後には、県対策本部は自宅療養者にSMSでホームページのリンクを送れるようになっていた。

自宅療養者に確実に届けたい

新規陽性者が100人を超える日も少なくなかった1月は、新規で自宅療養になる人が多いときで一日50人に達した。午後5時過ぎまで、対象者全員に「自宅療養していただくことになりました」と電話で伝えた後、注意事項が掲載されたページに直接アクセスできるURLを記したSMSを対象者に一斉に送る。早いときは午後6時ごろには送り終えるという。「ほとんどの方が携帯電話を持っているので今回の『注意事項』のように確実に見てほしい情報を送る場合は、電話番号だけで送れるこの伝達方法が一番いいと思います」。日々の業務を振り返り、担当者はそう説明した。

自宅療養者に確実に届けたい

高齢の農家の方にも簡単に

沖縄島から約400キロメートル南に位置する石垣島。周囲162キロメートルの八重山郡島内で飼育される黒毛和種の牛は約3万5千頭におよぶ。八重山群島で生まれ、育った牛は「石垣牛」のブランドで知られ、観光客から高い人気を誇っている。毎月13、14日になると、その石垣牛を育てる畜産農家の携帯電話が鳴る。「本日のセリは121番からスタートになりますので、農家のみなさまは準備をお願いします」。JAおきなわ八重山地区畜産振興センター 畜産部 畜産課もまたSMS一斉連絡サービスを導入している団体だ。

高齢の農家の方にも簡単に

「石垣牛の畜産農家さんは20代から85歳まで幅広い年齢層の方がいます。Eメールを設定していない方もいるので、一斉連絡のツールを考えたらSMS一択になるかなと思います」。畜産課 新坂貫氏はそう解説する。

高齢の農家の方にも簡単に

1か月に2日ある仔牛のセリの順番はセリ開催の約1時間半前にくじ引きで決まる。時間に余裕をもってセリ順を発表しておくと「順番は後の方だから」と油断して仔牛をセリ会場に連れてくる時間に遅刻する農家が出てくるため、その防止策としてセリ順を当日のセリ開催直前に決めて発表しているという。

SMS導入前は、セリ順発表時刻の直後から「今日は何番から?」という問い合わせで、セリ会場の電話やJAおきなわ職員の携帯電話が鳴り止まなかったという。2015年3月のSMS一斉連絡サービス導入から約6年がたち、セリ順確認の電話は数えるほどに落ち着いた。そのほか、肥育した牛の枝肉を販売する肥育部会のメンバーには毎週金曜日に開かれる枝肉セリの等級ごとの平均価格が届く。

高齢の農家の方にも簡単に

説明会や研修の参加後押しに

八重山群島内の和牛繁殖農家の数は約700人、そのうちSMS一斉連絡サービスに登録しているのはおよそ半分の355人だ。「全員が登録しているわけではないので、補助金の説明会や研修の案内などは封書やはがきで通知を送るようにしています」。新坂氏と畜産課 課長 本若展充氏は連絡手段が完全にデジタル移行しきれていない現状を明かす。「それでも、説明会や研修の前日に『明日、研修会がありますよ』とリマインドをSMSで送ると出席率が上がる傾向にあります」。本若氏たちは郵送とSMSを併用する利点も見出しているようだ。

説明会や研修の参加後押しに

医療機関では緊急招集の可否確認にも

医師や看護師に対する緊急招集の可否確認に活用している国内の医療機関もある。救急搬送があった際や広域災害が発生して多くの医療従事者が必要なときに招集の呼びかけに対応できるかを尋ねる際にSMSを一斉に送り、配信者側は返信状況や対応可否状況をリアルタイムで確認し、必要な人数が確保できるかを見極めるという。

▼病院における活用事例

病院における活用事例

国内の大手不動産会社のなかには、事業を途絶えさせないためにシステムバックアップの位置づけで導入しているところもある。普段の業務ではクラウドベースのシステムを使っていて、そのシステムに障がいが発生した際の社内緊急連絡用ツールとしてSMS一斉連絡サービスを導入している。社内と切り離した通信環境からSMSを配信できるようにシステムを構築しているため、社内システムに障がいが発生したときも「障がいが発生した」という第一報を迅速に社員に送ることができ、システム復旧に向けた作業に集中することができる態勢を整えているという。

▼不動産グループにおける活用事例

不動産グループにおける活用事例

SMS一斉連絡サービスは2021年3月現在でSMSとEメール宛にメッセージを配信することができる。今後はほかのSNSサービスとの連携も検討し、配信者と受信者双方の利便性をさらに向上させていく見込みだ。

医療機関では緊急招集の可否確認にも

沖縄こそ安否や稼働の可否確認を簡単に

九州に拠点を置く運送会社は台風や大雪などの情報を、各地にいるドライバーに送るためにSMSサービスを使っている。SMSを受け取ったドライバーは今から向かう先などの天候情報が分かり、対策を取ることができる。気象庁の統計によると、2011年から2020年の直近10年間で沖縄には年平均八つの台風が接近している。加えて、今後30年の間に70〜80%の確率で起こるとされている南海トラフ地震の被害想定地域に沖縄県は含まれている。沖縄県の自治体や企業こそ、緊急時に簡単に安否や招集可否が確認できるよう、平時のうちに備えておくことが求められているのかもしれない。

※本サービスはドコモにてアプリケーションを開発し、モバイルイノベーション社にてサービスを提供しております。

(本内容は2021年2月26日取材時点のものです。)

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