5Gでつなぐ結の心 ICTでやんばるの活性化支援

5Gでつなぐ結の心 ICTでやんばるの活性化支援

5Gでつなぐ結の心 ICTでやんばるの活性化支援

画面の前に立つだけで、あなたにおすすめの特産品が映し出されるー。そんな夢みたいなことが、沖縄島北部(やんばる)の玄関口、大宜味村の「道の駅おおぎみ やんばるの森ビジターセンター」でできるようになった。実現するのは、ドコモの「特産品おすすめサイネージ」。世界自然遺産登録が期待され、今後、一層多くの県民や観光客が訪れることが予想されるやんばるを、ドコモはICT(情報通信技術)で支えていく。

5Gでつなぐ結の心 ICTでやんばるの活性化支援

「地域に住む45歳の女性にはシークヮーサー酢、観光客の29歳の女性にはハチミツがおすすめされました!」。2021年2月22日(月)の道の駅おおぎみ・やんばるの森ビジターセンター一周年記念式典でお披露目された「特産品おすすめサイネージ」の機能に、式典参加者は沸き立った。サイネージの前に立つ人によって、おすすめされる特産品が変わったからだ。大宜味村の宮城功光村長が試した際には、果汁100%のシークヮーサー飲料が表示された。

「5G×AI」で顧客属性を瞬時に判別

「特産品おすすめサイネージ」がおすすめ特産品を表示する仕組みはこうだ。55インチのサイネージの前に立った人が画面内の「あなたへのおすすめを検索!」というボタンをタッチすると、サイネージ前の映像が第5世代移動通信方式(5G)でクラウドサーバーに高速伝送される。映像に映った人の年代や性別、人数を画像認識AI「画像認識エンジン」で判別し、その判別結果をもとに「若い女性にはこの商品」「夫婦・カップルにはこの商品」と店舗側が事前に登録していた特産品がおすすめ品として表示される。「道の駅おおぎみ」は特産品直売所「がじゅまる館」の入り口付近をサイネージの設置場所に決めた。2月22日の設置時点で17の特産品を登録していて、今後も登録商品数を増やしていく予定だ。

「5G×AI」で顧客属性を瞬時に判別

ドコモはこれまでにも沖縄県豊見城市の沖縄アウトレットモールあしびなーと国頭郡本部町の美ら海水族館にサイネージを設置し、5GとAIを活用したおすすめサービスの実証実験に取り組んできた。多くの観光客が訪れる施設で蓄積したサイネージ活用のノウハウを、「道の駅おおぎみ」でも活かしていく考えだ。

やんばる活性化へ 続く取組み

大宜味村とドコモのつながりは、実は長い。2018年7月、大宜味を含む国頭、東の国頭郡3村とドコモはICTを活用した環境保全、観光振興、まちづくりの促進を目的とした連携協定を締結している。それから10か月後の2019年5月には、やんばるの豊かな森などの世界自然遺産登録推薦地域の環境保全、地域振興を目的に世界自然遺産推進共同企業体が発足した。発足時点で沖縄県内の31企業が参加していて、発起企業4社のうち1社はドコモだった。この間、本領である通信技術でやんばる地域の振興を支援してきた。

やんばる活性化へ 続く取組み

「いよいよ、今年は世界自然遺産の登録の年を迎えることができそうです」。道の駅おおぎみ・やんばるの森ビジターセンター一周年記念式典であいさつに立ったドコモ九州支社 沖縄支店支店長 龍秀樹氏は表情をほころばせた。その上で、サイネージ設置による観光活性化や今後の支援に向けた強い思いをこう伝えた。「道の駅おおぎみはやんばる観光の玄関口ですので、昨年、いち早く5Gエリア化しました。みなさま、ぜひ一度、AIサイネージを体験していただきたいと思っています」「世の中は新型コロナウイルス感染症拡大を機にニューノーマル(新しい生活様式)への移行が進んでいます。われわれもキャッシュレスやリモートワークといったICTでみなさまを支えていきたいと思っています」

大宜味基地局

大宜味基地局

特産品おすすめサイネージを担当したドコモ九州支社法人営業部 沖縄振興推進室 担当課長 金正文氏のやんばる活性化にかけた思いもひとしおだ。「サイネージのおすすめを通して、地元の方にも観光客の方にも新しい商品を見つけてもらえたらと思っています。お店側も『これおすすめなんだけど、埋もれてしまっているよな』という商品があったときにサイネージで前面に出してもらう。来場者と店舗業者の双方に、そういう使い方をしてもらえたら、担当としては一番うれしいです」

やんばる活性化へ 続く取組み

村存続へ必要なものとは

大宜味村や「道の駅おおぎみ」の受け止めはどうだろうか。宮城村長は式典が終わった後、感慨深くこう語った。「大宜味村をいろいろな形で盛り上げていこうというドコモさんの気持ち、大変うれしく思います。サイネージの説明を聞いて、大宜味村の特産品を全国、世界に発信できるのではないかと期待しています」

村存続へ必要なものとは

宮城村長がドコモに期待するのは、先端技術を活用した観光振興の支援だけではない。沖縄県は人口の社会増減数と自然増減数がともに「増加」という全国で唯一の県だ。しかし、それは沖縄県全体で見たときの話であり、大宜味村の状況は大きくかけ離れている。大宜味村まち・ひと・しごと創生総合戦略によると、大宜味村の人口のピークは今から70年以上前の1950年。最大9,208人だった村人口は2020年12月末時点で3,074人、ピーク時の3分の1に落ち込んでいる。人口減少を緩やかにするための村民や若者の定住促進のカギの一つは「携帯電話の電波環境」だと、宮城村長は指摘する。「今の時代、電波の普及は生活していくためには必要なものです。ドコモさんには携帯電話の電波が届かない地域への施設整備を積極的にやっていただいて大変感謝している」

村存続へ必要なものとは

「道の駅おおぎみ」を運営する指定管理者、株式会社ファーマーズ・フォレスト 代表取締役 松本謙氏(代読・取締役 沖縄支社長 宮城健氏)も式典のあいさつでサイネージ設置をこう歓迎した。「当施設の設立目的である大宜味村とやんばる地域の観光と物産の発展振興に沿った素晴らしい取組みです。5G高速通信におけるデジタルサイネージ設置で、特産品の販売促進に大きく貢献することに期待を持っています」

村存続へ必要なものとは

出張ショップで料金相談やプラン変更も

記念式典に合わせて、ドコモは2月22と23の両日、携帯電話の料金相談やプラン変更、端末の点検を行う出張ドコモショップを道の駅おおぎみ敷地内に出店した。「ご家族のみなさんで携帯電話、何台使われていますか」「毎月のインターネット料金はいくらぐらいですか」。スタッフは来場者にそう声掛けしながら、今より安い料金プランに変えられないかなどの相談に乗っていた。「お母さんの携帯電話の料金が見直しできないかなと思って」。ショップを訪れた女性の相談を、スタッフは真剣な眼差しで聞き入っていた。

出張ショップで料金相談やプラン変更も

キッチンカー出店で賑わい創出

出張ドコモショップの横にはタピオカミルクを販売するキッチンカーが両日とも出店し、道の駅おおぎみ・やんばるの森ビジターセンター一周年記念式典を盛り上げた。出張ドコモショップとのコラボレーション企画で、ドコモショップでもらったクーポンを持参したお客さまは月々の携帯電話料金と一緒に支払える「d払い」で支払うことで商品が全品200円引きになる割引も利用できた。2月下旬だが、日中は23℃近い暑さだったため、冷たくて甘いドリンクを買い求める来場者の姿が多く見られた。

キッチンカー出店で賑わい創出

ICTを使ってできることとは

やんばる地域で、ドコモがめざすことは一体なんだろうか。道の駅おおぎみ・やんばるの森ビジターセンター一周年記念式典が終わった後、やんばる地域を担当するドコモ九州支社 法人営業部 沖縄振興推進室 沖縄・奄美世界自然遺産推進担当 担当部長 谷口崇士氏に尋ねてみた。「2021年には地域のみなさんが待ちに待たれた世界自然遺産に登録される予定になっています。登録された際にも、ドコモとしてはICTの力で支えて参りたいと思っています」

ICTを使ってできることとは

具体的にドコモが見据えるのはどんな「支え」なのだろうか。谷口氏は説明を続けた。「世界自然遺産に登録されると、知名度が高まり、これまでより多くの観光客が来ることが予想されます。人が集まるのはいいことの反面、希少な動植物が持ち出されてしまうのではないかという心配の声も地域では上がっています。ドコモで開発したAIを使って、希少な動植物を判定できるようになれば、空港や検疫などと協力して、持ち出されることを防ぐことができます。実現を目指して、環境省さまと一緒にAI開発に取り組んでいます。そういう風にICTを使って、自然保護と観光振興の両立に貢献していきたいと考えています」。世界自然遺産登録を間近に控えたやんばるとドコモの連携はこれからも深化していきそうだ。

(本内容は2021年2月22日取材時点のものです。)

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