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2019年7月18日(木)UP

マツダデザインの挑戦

 

マツダ株式会社 常務執行役員 デザイン ブランドスタイル担当 前田 育男 氏

デザインには哲学が必要である

続く第二部では、マツダのカーデザイナーでブランドスタイル統括責任者の前田育男さんが登壇。デザインチームのリーダーとしてデザインコンセプト「魂動」を軸に掲げ、経営難によるブランド喪失の危機から立ち直らせた、10年間の取り組みについてお話しいただきました。

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自動車が誕生して120年。歴史の分岐点と言われる今、その価値をどう進化させていくか?その考え方次第でクルマの将来像が大きく変わっていくと考えています。 2015年、あるメーカーが自動運転車を発表し、ドライバーが不要になる世界を描きました。 車のレイアウトを決める上で一番難しいのが、どの様にドライバーを座らせ、如何に運転に集中できる空間を創り出すか? だと思います。それが安全に直結しているからです。この技術開発に注力しつつ、クルマは人が操るマシン(道具)としての進化を続けてきました。最近業界が注目するCASEと呼ばれるイノベーションは、クルマを人が使う道具から移動の手段に変える、価値の変革を狙ったものです。この変化は、クルマの骨格を大きく変える可能性があり、その形態をドラスティックに変えるチャンスでもある一方で、100数十年掛けて培ってきた自動車デザインの方程式、美意識を崩壊させるリスクもあります。

 

さらに、デザインツールは進化し、全世界のカーデザイナーがほぼ同じツールを使って、短時間で車のデザインができるようになりました。効率化に繋がる色んなメリットが生まれる一方、稚拙なデザインが乱造されてしまうリスクもあります。 これらのメリット、リスクを踏まえた上で、総合的にカーデザインの正しい進化の方向性を、我々デザイナーは真剣に考えなければならない時代になったと言えるでしょう。 マツダは、クルマを人が操る道具としての究極の姿、究極の美しさを追求し、進化ではなく“深化”していくことをものづくりの哲学、ビジョンに制定しました。今日はそこに至った経緯をお話します。

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私がデザインチームのリーダーになったのは2009年。まずデザインの哲学となる普遍的な考え方を模索することから始めました。「人馬一体」がマツダの車の作りの根底にある哲学ですが、それと同じ志を持つデザイン哲学を持たせたい。結果、「魂動(KODO)」というテーマで表現することにしたわけです。「クルマに命を与える」それが魂動デザインのフィロソフィーです。
次はその哲学を形に置き換えようと、最も美しい動き方をする野生動物に着目しました。荒野を走る姿が非常に美しく無駄がない。その美しさの原理を徹底的に研究し、理想的な動きを具象化したモデルを創作しました。そのモデルを我々は「御神体」と呼んでいます。KODOデザインの原理モデルです。

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また、クルマに美しいフォルムを与える為に、独自のアプローチに挑戦してきました。カーデザインの開発期間は大体17ヶ月。その期間短縮、効率化は大命題です。一度個別の車種デザイン開発がスタートすると自由な創作に掛ける時間が足らない。なので、車両デザイン開発と切り離した、徹底的に美を追求する創作活動を行うプロセスを持つことにしました。

マツダデザインの強みは立体造形力だと思っています。手間をかけ無駄を惜しまず、手作りであることに徹してこだわっています。クレイモデルにはロウに近い素材を使いますが、クレイモデラーたちは自ら提案して削りにくい硬質な素材で精度の高い立体を作ることを選びました。削りにくい素材で作るほど手間はかかりますが、完成度は確実に上がる。立体造形では誰にも負けない!その選択に彼らの思いが込められています。

 

マツダデザインの志、ユニークネスを世界に伝えていく取り組みの中で、挑戦の甲斐もあってかグローバルに様々なデザイン大賞をいただいています。プロダクトが世界中で認められてきたことは大変嬉しいことですし、また社内のいろんな人たちが、自分もその一員になりたいと思ってくれるようになった。全員がアーティストだという志を持つ、共創の風土ができてきたと思っています。

そしてブランドを作っていくうえで、もう一つ大切なことがあります。それはブランド様式を創り込むこと。車に共通の形や色を持たせてブランドを認知してもらうことが第一義ですが、その車をどう綺麗に見せるか?その周りの環境はどうか、同じトンマナで描かれているか?それを考えるのも我々カーデザイナーの重要な仕事だと考えています。そこで、VI/CIに留まらず、新しい販売店のデザインも監修するようになりました。

日本から世界トップのデザインブランドへ

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2016年から我々は新たなフェーズに入りました。そこで次なる目標を「世界で最も美しい車」を作る世界トップのデザインブランドを目指す事とし、「CAR AS AN ART(車はアート)」をスローガンに掲げました。美しいデザインを生み出す事、そして日本で生まれたブランドであることを意識し、日本の美意識の根底にある独特で繊細な感覚を体現したデザインを探究したいと思っています。

 

そして2017年に公開したコンセプトカーのVISION COUPEでは、「余白」や「移ろい」という日本固有の感性にフォーカスしたフォルム創りを行いました。足し算ではなく、色んな要素を徹して削り落し、そこに生まれた余白に、創りたい美しい光を込めていくという手法を取りました。クレイモデリングとデジタルシミュレーションを繰り返し、2年かけて光の動きで生命感を表現したアートフルなフォルムを創ることができました。このモデルは、世界で大きな反響を呼び、欧州で栄えある大賞「Most Beautiful Concept Car of the Year」を、欧州ブランド以外で初めて受賞することが出来ました。

技術もデザインも商品も、イノベーションによって新しい意味的な価値が生まれる、または新しい価値を創造するためのイノベーションならばそれは大事にすべきですが、イノベーションそのものが目的ではありません。
日本は世界屈指の老舗企業の保有国ですが、伝統よりも変化、進化を求める風潮が強く、特に自動車業界では変ることが価値だという考え方が進行していると感じます。一方ヨーロッパでは、100年以上続いた歴史を大事にしようという風潮が根強く、それがクルマ文化に繋がっています。日本企業も、歴史、伝統に裏打ちされた固有の美意識やノウハウをもっと大事に活かしていくべきではないでしょうか。それが、メイドインJAPANが普遍的な強さを持ち、勢いのある新興国に打ち勝つ源泉になるのでは?と思います。

2019年7月18日(木)

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