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2019年7月18日(木)UP

「モノより意味の時代」における競争優位

 

独立研究者、著作家、パブリックスピーカー 山口 周氏

コモディティ化する「正解」の時代に

第一部では、アート的思考や感性をテーマに著作家の山口周さんに社会通念における価値観の変化についてお話しいただきました。
デザインは美しいことが論点になりますが、ビジネスは社会的・経済的な正しさを判断しなければなりません。その判断の拠り所には「理性とサイエンス」、「感性とアート」の両軸があります。理性とサイエンスは、論理、法律、市場調査など自分の外側に判断のポイントがあり、一方で感性とアートは、自分の感性と審美眼による直感に基づいて判断されます。

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物の価値の考え方には「過剰と希少」があります。昭和時代の三種の神器(冷蔵庫、洗濯機、テレビ)や新三種の神器(クーラー、カラーテレビ、車)は、物が腐るのを防ぎたい、冬の寒空で洗濯するのを何とかしたいなど、なんらかの問題を解決するために生まれた物でした。ですが、それら普及率が100%となった今、物が過剰になり溢れかえってしまっています。世の中のさまざまな現象を見てみると、果たしてこれからも物を作り続けることが正しいのでしょうか。

 

片づけコンサルタントの近藤麻理恵さんは、物がない方がより豊かだというミニマリズムの考え方で物質主義のアメリカで圧倒的な支持を集めました。行き過ぎた便利さよりも、多少不便であったり情緒やロマンがあったりする方がいいという価値観が台頭してきているということなんですね。

日本はこれまで理性が圧倒的に重要視され、論理的に物事を考えて早く正解が出せる人が求められてきましたが、正解そのものを出すことに価値がなくなってきています。この大きな変化に追い打ちをかけているのが人工知能です。IBMの人工知能ワトソンは、当時アメリカで人気のクイズ番組で歴代のチャンピオンに圧倒的な大差で優勝しました。このことは、これまで人間が優秀さの証として考えてきた論理的に正解を出す能力が、機械で代替できる可能性を意味します。

 

アップルのiPhoneが携帯電話市場に参入してきた2007年。当時の日本の携帯電話モデルを並べて見てみると、どれも同じような形をしていて見分けがつきませんでした。各メーカーそれぞれに美意識や感性があるにもかかわらず、実際に出てきたものはインターフェイスも機能も価格も同じもの。これは大規模な消費者調査をかけて解析し、顧客が求めているもの開発した結果で、つまり携帯電話の正解がコモディティ化されたということになります。

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コモディティ化したマーケットで戦うときは、あえて正解を外していくか、同じ正解でも安く早く出すかの2パターンがあります。当時の日本の各携帯電話会社は安く早くのパターンにドリフトして、年に2回新商品を出していました。そうして彼らが正解を出した結果、市場調査をほとんどやらない西海岸の会社にたった3年間で市場シェアの50%を取られてしまった。
物が足りない時代は役に立つものが正解でしたが、いまはそれらは評価されなくなり「意味的な価値」を持つものが求められるようになったのです。

「役に立つ」から「意味のある」へ

世の中に売られている物は「役に立つか/意味があるか」という2つの価値軸で評価ですることができます。「役に立つ」というのは、機能的な要件を満たしていることで、「意味がある」とは感性を刺激するストーリーがあるかということです。例えば、大衆自動車の多くは「役に立つけど意味がない」というところにあります。荷物がたくさん積める、価格が安いなど、移動手段としては優秀ですが、そこに心が動かされるような意味的な価値を感じるかというと、そういうものではないでよね。

 

対して、フラッグシップモデルはハンドルを握ると自分を取り戻したり、ガレージに止まっていると仕事を頑張れたりと意味的な価値を持っていて、例えば欧州メーカーに目を向けると日本車の4倍の価格にも関わらず売れるのです。いわば、機能のユーティリティより意味的な価値が求められる時代がきていると言えます。

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意味的な価値が求められることでそれぞれにファンが生まれ、多様なブランドが生き残ります。それをよく表しているのがコンビニエンスストアです。限られたスペースの中で、効率よく売れるものを置かなければならないので、ハサミやノリなど「正解」を出す商品は通常1種類しか置いてありません。しかし、同一ジャンルで、しかも特定の人しか買わないのに200種類以上ある商品がありますが何だと思いますか? そう、タバコです。 つまり、人の嗜好や感性に訴える商品はその人の感じる意味合いや感覚によって、どんどん多様化し、生き残っていくということです。

これは「文明と文化」の関係にも言い換えられます。便利で快適にするのが文明で、文明がある程度発展すると文化として定着し、お金が流れます。文明にはコストパフォーマンスが大切ですから、より安く役に立つものが出てくればポジションはどんどん変わっていきます。 例えば、日本でクオーツという画期的な技術が開発されたとき、スイスの時計メーカーのほとんどが潰れました。生き残った少数の会社はスポーツカーと組んでル・マンに出るなど、意味的な情報を与える努力をして価値をつけた結果、桁違いに高く売れるようになったのです。

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今、先進国12億人のニッチ市場、いわゆるグローバルニッチというポジショニングが様々な領域で起こっています。先進国12億人の5%のニッチ市場と日本の1.2億人の50%のメジャー市場のターゲット人口はどちらも同じ、6000万人です。まだ日本にはグローバルニッチを獲得している企業は多くありません。これからの時代はグローバルのニッチ市場を狙い、高い値付けで意味のあるものを生みだせば、サスティナブルなビジネスモデルを構築できるのではないでしょうか。

2019年7月18日(木)

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