PROJECT12

2021.05.10

未来の食を守り抜く食産業のDX、拡大中!
ワールドピーコム×NTTコミュニケーションズから広がる共創の輪

<共創によるビジネスイノベーション vol.2>


コロナ禍で最も大きな打撃を受けた業界の一つ、外食産業。会食の制限と営業時間短縮の要請で多くの店の売上が減少し、残念ながら看板を下げざるをえない店もありました。
もっとも、フードテックの力で外食産業をサポートするワールドピーコム代表取締役・堀口正人さんは「この状況はたいへんな危機であると同時に“機会”でもある」と言います。その鍵の一つにもなるのが、同社とNTTコミュニケーションズの共創ビジネスにあります。両社の共創がどのように立ち上がり、どんな未来を描こうとしているのか、キーパーソン3名が語ります。

食産業をめぐるコロナ禍以前からの課題とは

約28兆円もの市場規模を持つ外食産業。しかし、この数字が年々下がり続けていることをご存知でしょうか? 「コロナ以前から業界には大きな課題がありましたからね」と言うのは、ワールドピーコムの代表取締役社長・堀口正人さんです。

課題の最たるものが「慢性的な人手不足」。少子高齢化で、飲食店を支えるスタッフ人材不足は慢性的です。人件費が高騰し、店舗運営を大きく圧迫させる一方、長引くデフレで消費者が「安さ」を求める風潮が根づいています。飲食店はこの厳しい板挟みにたえる必要がありました。そして、こうした外食業界の課題をDXによって解決してきたのが、堀口さん率いるワールドピーコムです。

同社は、外食大手コロワイドグループのIT戦略を担う企業。「かっぱ寿司」や「ステーキ宮」、「牛角」など同グループが展開する飲食店ブランドのシステム構築・運営などを担いつつ、タッチパネル式セルフオーダーシステム「メニウくん」を開発・運営。この飲食店の省力化ツールは、グループの枠を超えて多くの飲食店に採用され、トップシェアの地位を確立するほどです。

「加えて予約コールセンターや自動受付案内、厨房システムなど一貫して飲食店の省力化につながるソリューションを提供。人手不足によるコスト削減の課題をクリアするお手伝いをしてきた自負はあります。ただ……コロナ禍で状況は様変わりしました」(堀口さん/ワールドピーコム)

レポートイメージ 堀口 正人 ワールドピーコム株式会社 代表取締役社長|セルフオーダーシステム及び、周辺機器の企画、製造、販売や、ITシステムの企画、運用、保守、またコールセンター事業を行う。業界シェアNo.1「メニウくん」は3,600店舗に10万台を導入。コンセプトは『食で日本を元気にする!』

緊急事態宣言で会食は制限され、時短営業がデフォルトに。消費者は外食を控え、デリバリーや中食、自炊で食事をする機会を増やしました。会食のない寂しさを感じる人がいる一方で、「外食しなくても問題ない」「自炊のほうが安くて気楽だ」という意見も多く聞こえてきます。

「要は省力化だけの話ではなくなった。むしろ、あらためて外食の“価値”を問われるようになったんです。外食がない生活に慣れてしまうと、自炊のアウトソースとしての外食の価値はうんと低くなりましたから。しかしこの状況は、5年先、10年先に来るはずだった未来が早まって訪れただけとも言えます」(堀口さん/ワールドピーコム)

人口減少は確実で、人手不足のみならず消費者が減る一方なのは火を見るより明らか。人口に対して店が多く供給過多なうえ、若い世代を中心にお酒を飲まないライフスタイルの人が増えたため、接待や会食はそもそも減少傾向にあったからです。

「加えて言うならば、『外食』から『外』を取り、『食産業』として考えると、さらに大きな社会課題も見えていました」(堀口さん/ワールドピーコム)

“食”に幅を広げれば、日本は年間約643万トンもの食料を廃棄しているフードロス大国。食べることなく捨てている食糧は、国連から途上国への食糧支援量の約1.7倍(※)にあたり、問題視されていました。また食料自給率はカロリーベースで38%と、世界的に見ると極めて低い状況です。日本は人口減少の一途を辿っていますが、世界の人口は増え続けているため、現在輸入で賄えている食糧は、将来的に高騰することも十分予見されています。
※内閣府「第316回消費者委員会本会議」より。

「食に関しては、いまだ生産から消費者のもとへ届けるまで最適な流れができていない状況にあります。そのため、食材も飲食店のオペレーションも、どこに何がどれくらい足りないのか、あるいは十分なのか、改善のためにどうすべきなのか、誰も把握できていませんでした」(堀口さん/ワールドピーコム)

だからこそ、横串としてデータを通し、最適な流れを生み出す。それこそがワールドピーコムとNTTコミュニケーションズの共創の目的となったのです。

1社では解決できない。だから選んだ共創の道

「実は以前から、堀口社長にはそうした外食産業の本質的な課題を伺っていて、『日本の食を変えていこう』と誘われるとともに、ディスカッションを続けていました」(藤澤真理奈/NTTコミュニケーションズ)

レポートイメージ 藤澤 真理奈 NTTコミュニケーションズ株式会社 ビジネスソリューション本部 第四ビジネスソリューション部|共創DXビジネス創出を担うDX LanderとしてDX案件の新規創出・収益拡大に従事。コンサルタント経験を活かし、顧客の経営課題や業界課題に着眼し、主に小売業界・流通業界・飲食業界向け共創DXに取り組む。

ワールドピーコムとNTTコミュニケーションズとの出会いは4年前。コロワイドが積極的にM&Aで飲食ブランドを増やしていたタイミングの頃でした。多様な業態をもつ巨大な店舗網が生まれましたが、会社が違っていただけに、各チェーンの会計や顧客データなど基幹システムはバラバラ。この絡んだネットワークを解きほぐして、最適な流れを生み出す。そのミッションをNTTコミュニケーションズが担い、形にしたことから関係が始まったのです。

「NTTコミュニケーションズの担当者の方々は、私がそれまでNTTグループに抱いていたイメージといい意味で異なり、みなさんとてもやわらかくて(笑)。議論をふっかけるとおもしろがって乗ってくれます。そんな関係性もあり、私の方からもいろんな場面で意見を求めるようになっていきました」(堀口さん/ワールドピーコム)

こうして共創への助走がゆるやかにスタート。前述のように、堀口さんは外食産業が今抱えている課題や、5年〜10年後に出くわすであろうハードルを超えるための仕組みや未来に向けたアイデアの芽を手書きして、清水邦彦をはじめNTTコミュニケーションズの営業担当に提示していたといいます。

「一枚の手書きメモからはじまって、2時間くらい議論する。そんなことが日常茶飯事でした。僕は一時、ワールドピーコムに週5日通い、自分の席があったほどです(笑)」(清水邦彦/NTTコミュニケーションズ)

レポートイメージ 清水 邦彦 NTTコミュニケーションズ株式会社 ビジネスソリューション本部 第四ビジネスソリューション部|アカウント営業として長期に渡って外食産業のお客様を担当し、その業界に精通。個社課題のみならず業界課題を視野に入れた課題解決型の提案活動を行っている。

議論の中から生まれ、形になったのが、来店客のスマートフォンでQRアプリを読み取るだけでメニューのオーダーができる「モバイルオーダーシステム」です。特徴は、アプリのインストールやアカウント作成などの手間がなく、簡単に使えること。店に設置された従来型の端末を触れる必要がないことは、コロナ禍において極めて大きいメリットとなります。

「『モバイルオーダーシステム』では、省力化を実現しながら非接触でオーダーができます。自分自身のスマートフォンで料理を注文することができれば、新型コロナウイルスの感染リスクが極めて低くなります。しかも店舗へハードの設置が必要ない分、導入のコストも低いです」(藤澤/NTTコミュニケーションズ)

レポートイメージ ワールドピーコムとNTTコミュニケーションズで開発した「モバイルオーダーシステム」。2020年9月にプレリリース版の提供を開始。

実現の裏には、数多のデータベースを簡便かつスピーディに連携できるNTTコミュニケーションズのAPIサービス「API Gateway Service」(APIGW)と、ワールドピーコムが「メニウくん」で培ってきた店舗オペレーションや、厨房管理などと連携した高度なPOSデータの活用ノウハウの組み合わせがあります。

「『モバイルオーダーシステム』を使えば、店の端末でも、店舗スタッフのハンディでも、お客様のスマートフォンでも、簡単にPOSデータと連携できます。データを統合することで、無駄のない注文、無駄のないオペレーションを可能にできます」(清水/NTTコミュニケーションズ)

こうしてあらゆるデータベースと連携することができれば、食材を生産する農業の現場や食品を加工する製造工場、物流過程などともデータ連携が容易に。食べられる量を適切に製造・流通させるための、ダイナミックな食の生産ラインを生み出すこともできるようになります。さらに、消費者のデータから嗜好や行動まで汲みとってパーソナライズできるようになれば、一人ひとりに適した、豊かな食の体験を提供できる未来も見えてきます。「モバイルオーダーシステム」は、これから描いていく壮大なプロジェクトの一端に過ぎません。

「グルメ評価サイトに集客を頼り、コストパフォーマンスの良さに振り切ったメニューを置いて、効率化の名のもとにお客さんに負荷をあたえる。そうしたこれまでの外食業界の、いわば押し付けをはぎとって、もっと自由なユーザーフレンドリーな食の設計ができるようになる。最初に言った“新しい外食の価値”を創造できる。そう信じています」(堀口さん/ワールドピーコム)

レポートイメージ

C4BASEにも期待する、食の未来の描き方

「もちろん、そこまでの未来を実現するには、ワールドピーコムとNTTコミュニケーションズだけの座組では難しいでしょう。1社や2社では解決できない大きな社会課題ですからね。
もっと多彩なプレイヤーに参画してもらう必要があるからこそ、まずNTTコミュニケーションズと共創したいと思いました」(堀口さん/ワールドピーコム)

堀口さんが描くのは、農業、物流、テクノロジーと、幅広い分野に携わりながら「食」にまつわる包括的なネットワークを再構築する大仕事。共創の輪を広げようと考えたとき、すでに多様な業種とのネットワークを築いているNTTグループの底力と信用は、大きなアドバンテージになります。

「さまざまな業界の方々に参画してもらうとしたら、本当に大きなプラットフォームが必要になるでしょう。“競争”ではなく“共創”していくための座組をつくるのならば、ほとんどの業界とは異なるレイヤーに位置する、ニュートラルなNTTコミュニケーションズがパートナーであることはとても心強いです」(堀口さん/ワールドピーコム)

「すでに共創の輪は拡大中で、飲食に関わる周辺業界はもちろん、一見遠く思える業界の企業もこの輪に繋がり始めています。まだまだこの輪は広げていきたいですし、C4BASEに所属する企業の方々にも、ぜひいろいろなアイデアをいただきたいです」(藤澤/NTTコミュニケーションズ)

「特にアイデアが浮かばなそうだな……と尻込みする必要はまったくありません。社内でもよく言っているのですが、“思いつきが大事”なんですよ。形式的に企画書などにまとめるよりも、『こんなことを思っている』『こんなことができるといい』といった、思いつきのような自由でやわらかい着想のほうが、ワクワクする未来の芽が生まれることも大いにあるんじゃないかと思います」(堀口さん/ワールドピーコム)

やわらかな思いつきが、ワクワクする未来をつくり、それがまた共創をドライブさせていく。最も大切な心得のようでもあります。そしてぜひ、あなたもこの壮大な未来をドライブさせていく側になってみませんか? ワールドピーコム堀口さんと、NTTコミュニケーションズとともに「食の未来」を築いていきたい方は、こちらからお問い合わせください。

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