INTERVIEW

2021.05.13

ニューノーマルをきっかけに見えてきたコミュニケーションの在り方

<C4BASE総合コーディネーターと考える明日のイノベーション>


新型コロナウイルスの感染拡大により、かつてない変革が進んでいます。
例えば、出社する機会が少なくなり、オンライン会議でのコミュニケーションが日常化したことで、遠方の人とコンタクトしやすくなった一方、細かな表情やニュアンスが伝わる対面での会話が減った結果コミュニケーションコストがかかるなど、様々な点に気づかされました。 今回は、そんなニューノーマル時代のコミュニケーションについて、C4BASE総合コーディネーターを担う藤元健太郎氏の寄稿をお届けします。

C4BASEの総合コーディネーター藤元氏 C4BASEの総合コーディネーター藤元氏

「コミュニケーションの現在を読み解く」

デジタル化が大きく遅れていた日本企業のワークスタイルのDXも、コロナ禍という破壊的なインパクトを経たことで不可逆に大きく変化することになった。ホワイトカラーの仕事がテレワーク中心のワークスタイルになったことにより、仕事は半ば強制的パソコンメインになったことは確かだが、それだけでは本格的なトランスフォーメーションができたかどうかは怪しいところもある。移動時間が無くなった分、会議と会議の間隔をあけずにひたすらオンライン会議だけを朝から晩まで詰め込んでいる企業もあるようだが、それでは会議ばかりしていたアナログな仕事の進め方と何も変わらない。
会議はメンバーの時間の「同期」を伴うコミュニケーションだ。オンライン会議により遠隔地でも場所を問わず開催できるようになったが、仕事の中で「同期」しなければいけないことと「非同期」でよいもののバランスを取ることが大事だろう。

そのためにはメールやチャットなど非同期コミュニケーションを増やすことも大事になる。しかし、メールはスパムも多く、受信量が多いと大事な連絡が埋もれてしまい、後で返事しようと思っていても時間が経つと忘れてしまうことも多い。そのため、SlackやTeamsなどのように、チャットやファイル共有といったコミュニケーションをプロジェクト単位で、かつオンラインでできるかどうかがとても重要になる。リアルタイムのオンライン会議は同期しなければ難しいアジェンダに絞ることができるからである。

実際ビジネスでは「情報共有」、「意思決定」、「アイデア創発」、「課題の相談」といった、イシューは存在しながらも、非同期でも行うことができるものも多い。しかし、「情報共有」であってもリーダーが自分のビジョンをしっかり共有したい時、「意思決定」であっても重要な意思決定を行う時、「アイデア創発」においてはブレーンストーミングなどライブ感がアイデアを生み出すような時、「課題の相談」の中でも深刻な場合は、やはり同期された会議体が望ましいだろう。逆に言えば、生産性をあげるためにはこのあたりの切りわけが今後とても大事になるということだ。ただ同期のコミュニケーションでも、現在のZoomやTeamsなどのインターフェイスはまだまだ改良の余地は大きい。
例えば、自身をアバター化することは、会議において役職やジェンダーバイアスなどをなくすことに効果があるという話も聞く。さらに、臨場感を出すという意味ではVRという選択肢もあり、ビジネス向けのコミュニケーションツールも出始めた。VR空間であれば、仮想の会議室だけでなく、店舗のシミュレーションや商品デザインの検討なども実現でき、業務そのものが劇的に変わる可能性を秘めている。

また2021年に入り、音声メディア「Clubhouse」が流行したことで改めて判明したのが、「同じ時間に偶然居合わせた人とのコミュニケーション」の価値である。Zoom会議やウェビナーなどの予定された会議とは異なる偶然の出会いやその同期性は、我々の社会活動では案外重要な役割を果たしていたことに気づかされる。コロナ禍では、会社の宴会でたまたま同じ席になった人と盛り上がることや、立食パーティでの偶然の出会いなどが喪失していたため、アジェンダが決まっていない会話や偶然の出会いから生まれる楽しさが実感されたのだろう。

こうしたニューノーマル時代のコミュニケーションは、これまで当たり前だと思われていたビジネスの進め方を改めて見直すきっかけにもなり、当たり前の中にあった価値の再発見などイノベーションの宝庫だ。そこには、生産性や創造性を爆発的に高めるための可能性や、多くのビジネスチャンスがあると言えるだろう。

C4BASE事務局 穐利理沙より考察

藤元氏が述べたように、ニューノーマルをきっかけにビジネスにおけるコミュニケーションは否応なしに変わり始めました。所感を読んで私たちが得たポイントは2点です。

・リアル世界でやってきたことをデジタル(オンライン)に置き換えただけではトランスフォーメーションは起きない。

・「Clubhouse」のようにオンラインで失われつつあった、リアルの本来の価値である「偶然の出会いとそこで生まれる同期性」をデジタル化できれば、新しいコミュニケーションとイノベーションが生まれるはず。

コロナ禍において、C4BASEは今まで行っていたセミナーをオフラインからオンラインへの切り替えました。オンラインは会場キャパシティの制約が無く、一度に参加していただける人数もリアルでの200人から1,000人前後に増え、C4BASEの活動をより多くの方に伝えられたことは、大きなメリットでした。

しかし、会員数が急増していく一方で、私たち事務局が悩んでいたのが、双方向コミュニケーションの減少です。ウェビナーのチャット機能やリアルタイム質問募集など試してみましたが、どれもオフラインでのコミュニケーションに比べると希薄感を覚え、C4BASEが目指す「会員同士が話題を持ち寄り、個⼈の好奇⼼を起点に共創社会・ビジネスを創る」というところにはなかなか行けず、どのようにして初対面の会員同士のコミュニケーションを創れるのか、試行錯誤を繰り返してきました。

そうした中で、2021年2月からオンラインでコーヒー交流会と題して、C4BASEオリジナルコーヒーを片手に初対面の会員様同士が語らう会を始めました。まさに、藤元氏の言う「偶然の出会いから生まれる楽しさ」を体感してもらう企画です。参加いただいた会員のみなさまからは「リラックスした環境で、様々なお題を他企業と話せる機会は貴重だ」と好評をいただいています。

ですが、そこには「デジタル化」に対する課題もまだまだあります。通信遅延によるもどかしさや、会話間の無音は、初対面で話す際に大きな心の障壁になりますし、リアルで会い「偶然の会話を楽しむこと」との差は大きいと感じます。

これらの課題の解決策として、単なるリアルの置き換え環境を目指すのではなく、デジタルの良さを追求し、リアルとは差別化した場所を模索中です。2021年はニューノーマル時代の「偶然の出会いとそこで生まれる同期性」の先にある共創社会を追い求めていきたいと思います。

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