Interview

2020.12.02

新しいビジネスを生み出せる人ってどんな人?

<C4BASE総合コーディネーターと考える明日のイノベーション vol.2 後編>

C4BASE 総合コーディネーター 藤元 健太郎
C4BASE 企画委員 渡辺 徳生 氏(株式会社QUICK イノベーションセンター長)


前編に引き続きC4BASEの企画委員もしているQUICK社渡辺氏(イノベーションセンター長)にお話を伺った。後編は、QUICK社において具体的にどのような取り組みをして進めているのか詳しく伺った。

レポートイメージ C4BASE 企画委員 渡辺氏

新規事業を生み出す方法論については如何でしょうか?

様々な方法論がありますが、先述のビジネス・イノベーション委員会(BI委員会)では、各自がアイデアを形にする際「Working Backwards」という方法を取り入れています。これはAmazonなどが新規事業を生み出す時に取り入れているので有名ですよね。
これはプレスリリースを先につくり、「顧客はそのサービスを利用することで何を得られるのか?」、「サービスがどのようにして顧客課題を解決するのか?」などをペーパーに具体的に記載し、それをもとに徹底的に議論するというやり方です。一般的なサービス企画書と異なるのは、顧客視点でストーリーを描くという事です。プレスリリースに続いてFAQも作成すると、より具体的な会話が社内外で出来るようになります。

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こうして製品開発より先にプレスリリースやFAQを書くことでイシュー(解くべき課題)が明確になります。新事業やサービスを作るうえでこのイシューを明確にすることが非常に大切だと思います。勿論、それでも失敗は沢山出てきます。我々は「正しい失敗」と呼んでいますが、イシューを定義した上での失敗は「正しい失敗」です。イシューを定義することで、どこで間違ったのかを後で検証することが出来ますし、そのナレッジを共有することで、次の成功確率を上げることが可能になります。

イノベーションを産み出すために大企業の社員が持つべき行動原理とは?

単純に言えば、探求心を持つことと自分のアイデンティティをしっかり語れることでしょうか。探求心を持って、自身の価値観をしっかり語り、自分の夢や希望を上手に伝えられることは大切です。一方、サラリーマンの多くは、自身の興味や夢を仕事上で表現することは少ないですよね。これはこれで既存事業を運営する上では必要なのですが、今までにはない発想を形にしたり、新機軸を打ち出すためには先のマインドは大切だと思います。

イノベーション人材は育てますか?それとも連れてきますか?

色々な方法を取り入れています。わかり易い例ではオーストリアの経済学者シュンペーターの5分類方法も活用しています。両方必要ですが、まずは社内の人材をきちんと育成することは大切だと思います。イノベーション=新事業という意味で言うと、種まきが上手い人、育てることに長けている人、運営することが得意な人など、様々な段階で適正な人材が必要になります。企業は永続的にそれを意識して人材育成に取り組むべきと考えます。勿論、全く異なる事業ノウハウが必要な場合は新たな人材や組織を持ってくる必要があるかも知れませんね。

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どのような資質が求められますか?

求められる素質は様々ですが、共通して求められるのは、「何がイシュー(課題)なのか?」を定義できる力は大切ですね。会社員はついつい目の前の問題を解くことに集中してしまいがちです。しかし、物事を俯瞰的に見る力を身につけることで、本来やるべきことを選別したり、失敗のリスクを回避できたりします。要は社員自身が「今の指示通りにやっていて本当に大丈夫か?」と問い質すことがとても大事になってきていると感じています。

KPI主義の弊害はありますか?

トップダウンで目標を達成するピラミッド型の組織では、売上や利益と言ったKPIはうまく機能しますが、新しい知の探索をするような新規事業部門には別のKPIがあっても良いのではないでしょうか。例えば、私の組織では「交通費」や「出張費」の利用頻度をKPIすることも検討したことがあります(笑)。知の探索をするには、新たな人と出会うのが一番ですからね。私の経験上、多くの人に会った社員の方がより気付きも多く、チャンスを掴んでくる可能性が高いと思います。KGI・KPIは人を動かす指標でもあるので、売上や利益だけでなく、その組織にあった指標を作ると良いと思います。

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イノベーションについて社内評価をどのように考えますか?

企業内では先のKGI・KPIを設けてもやはり最終的には売上や収益への貢献が求められると思います。特に新事業を立ち上げる場合、売上や収益がある程度ないと揶揄されることも多いですよね。ベンチャーの社長なら資金があれば信念をもって何年も頑張ることが出来ますが、サラリーマンの場合、何年も評価されないと息切れしてくるのが殆どだと思います。
ですので、企業がイノベーションに取り組むなら、結果の出にくいブルーオーシャン(0→1)に取り組むべきではないと考えています。我々はピンクオーシャンと呼んでいますが、レッドオーシャンの手前にある顧客ニーズをいち早く掴むことが大切だと思います。

弊社で言えば、90年代からインターネットやWeb技術の進化に着目し、国内でいち早くインターネット証券向けのサービスを立ち上げました。立上げ当初は「金食い虫」と揶揄されることもありましたが、現在は立派な稼ぎ頭に育っています。もう少し言えば、日頃から「知の探索」をすることで、こうしたピンクオーシャンの目利きが出来るようになるのではないでしょうか?

ニューノーマルな状況をどう見ていますか?

現時点ではまだ手探りの状態です。オンラインで新しい人と会ったり、大人数での意見を発散させたりするのは少し難しい状況ですが、人はその状況にもどんどん慣れていくと思います。もう少し言えば、オンラインでも人と積極的に関わっていくマインドが何より大事ですね。

これからやってみたいことはありますか?

社員一人ひとりが裁量と責任を持って、常に新しいことにチャレンジする文化を社内に醸成したいと考えています。今の社内にある文化も充分良いのですが、個々が新たな時代に柔軟に対応していく意識を持ち続けられるようにしたいですし、それを推進するのが今の自分の役目だと考えています。

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C4BASEにこれから期待することは?

イノベーションの推進に関して、大企業が持つ課題は概ね共通しています。C4BASEのような社外のコミュニティでは、そうした課題を共有し共に突破する方法を共有できると良いと思います。みんな色々なことをやってみたいが箍があっても、一人では動けていないことが多いですしね。

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