Interview

2020.08.19

ニューノーマル時代を生き抜くために必要な「知の探索」とは?

<C4BASE総合コーディネーターと考える明日のイノベーション vol.1>

C4BASE 総合コーディネーター 藤元 健太郎


かつてより、変化が必要だと認識していながら、行動変容を起こせなかったですが、新型コロナウィルスという未知の敵の出現に加えて、猛暑やゲリラ豪雨などの異常気象により私たちは戸惑いながらも、想像以上のスピードで新しい生活様式を受け入れ、変化に順応しています。私たちが所属する企業におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)、ビジネス共創のスピードも加速し、ますます「知の探索」が必要になる世の中です。
そこでC4BASE Webサイトでは、C4BASEの総合コーディネータ―の藤元氏に「知の探索」を進めるためヒントについて連載いただきます。

レポートイメージ C4BASEの総合コーディネーター藤元氏

DX推進に絶好なタイミング、ニューノーマル時代とは

不可逆な変化の後に来る日常を「ニューノーマル」と我々は呼び始めている。しかしその変化のほとんどは加速するべき変化であり、多くの企業からすれば「やろうと思えばできるがまだ急ぐ必要は無い」と考えていたものと言える。オンライン会議や電子契約、EC、オンラインデリバリーなどそれらの多くはデジタルの力をベースにビジネスそのものを新しいステージへ導いてくれるDXと呼ばれるものだ。通常ICTの導入は特定の業務プロセスの省力化、効率化を狙って導入されるものが多いため、部分最適になりやすい。本質的なDXはそのビジネスのバリューチェーンや生態系全体の全体最適を意識する必要があるため、全社や社会全体での改革機運というものが必要になる。そういう意味では今回のコロナ禍がもたらした不可逆な変化は前向きに捉えれば本質的なDXを考える絶好の好機とも言える。

そもそもDXはベンチャーやスタートアップで使う言葉ではない。スタートアップは最初に組み立てる事業構造そのもの新規性で戦うことが基本だからだ。しかし大企業にとっては巨大な組織を維持してきた事業構造を本質的にDXするにはそもそも不向きな組織体と言える。そういう意味でも自らの意志で新しい「知の探索」に動き、変化を取り込む必要がある。その際に異能の有識者や専門家、スタートアップや異業種などとのオープンイノベーションはやはり重要な方法論になるだろう。C4BASEはそのためのコミュニティとして生まれているのだ。この連載はそうした大企業のニューノーマル時代における知の探索のヒントを様々な角度から紹介していきたいと考えている。

自己紹介

今回は連載の一回目でもあるので私自身の自己紹介も兼ねて過去に私が手がけてきた事例を紹介したい。私は1993年の12月にMosaicというブラウザの出現を体験した。学生時代から学術ネットワークとしてのインターネットに触れていたが、ビジネスとしての実用にはまだまだ時間がかかると感じていた頃である。

当時野村総合研究所に所属していた私は瞬間的にこれでビジネスの時代が来ると感じた。劇的に変化が加速すると予想される大企業達に声をかけて1995年にコンソーシアムを組織した。旅行代理店のJTB、カード会社のJCB、広告代理店の第一企画(現在のADK)、パソコン販売のソフマップ、放送局のTBS、携帯電話のNTTドコモなどとともにこれから来るインターネットによる大変化を様々に描いて、そこからバックキャストで今できる実験を色々提案し実施した。ECやオンラインリサーチや、大相撲のインターネット中継、チャットによるスポーツの応援など今では当たり前のことをプロトタイプを作って実験し、異業種間で共有したのだ。インターネットの出現のような大きな変化は自社の業界だけに限らず社会全体にインパクトを与える。異業種が共同で知を探索し共有する試みはとても有用であることを肌で感じた。その後のインターネットによる社会で現実におきた変化は言うまでもない。
1997年頃にはブロードバンド(ADSLサービス開始の2年ほど前)で同じように予備校、映像製作会社、広告ビジネスなどでまた新しく異業種コンソーシアムを組織し実験した。
インターネットが大容量になることで本格的な動画時代が来るときにどんなビジネスモデルが描けるのか。つまり私がやってきたことはオープンイノベーションで未来を描き、バックキャストで今できることを考え、PoCを作り実験するということをやっていたわけである。まさに大企業にとっての知の探索の場作りを手がけ、それがその後の新しい産業創造に一部を担ってこれた実感を感じている。

レポートイメージ 藤元氏が参画したプロジェクトのトップ画面イメージ

コロナ渦で加速する知の探索

その後も1999年の携帯インターネットの登場、2002年以降のSNSとCGMの台頭や2007年のiPhoneの登場など大きなターニングポイントがあり、そのたびに知の探索を様々な形で提供してきた。そして2015年以降はAI、IoT、XR、ロボティクスなど一気にテクノロジーのカンブリア爆発が起こっている状況である。
知の探索範囲も爆発的に増加し、ほぼ全ての企業にとって関係する状況が生まれ、探索からDXという実装も考えるべき段階にきていた。2015年から始まったC4BASE(当時は2020ビジネス創造研究会)はまさに大企業にとっては待ち望まれた組織体であると感じる。
その中で起きた今回のコロナ禍。加速する変化の中のニューノーマルは全ての企業があらゆる社会変化と技術変化と生活者の変化についての知の探索を行うべき時が来たと言えるのだろう。私のコンサルティング会社でも知を体系化し発信するためのシンクタンクFPRCを昨年から本格的に組織し、知の探索の一助になればと情報発信を強化している。今後この連載を通じても「知の探索についての気づき」がひとつでも見つかることを願いたい。

レポートイメージ C4BASEセミナーに登壇した藤元氏

SHARE

共創のご相談、記事や
イベントに関することなど、
お気軽にお問い合わせください

CONTACT

c4BASE

このページのトップへ

C4BASE

JOIN C4BASE
C4BASEに参加する
JOIN C4BASE
C4BASEに参加する

JOIN C4BASE
C4BASEに参加する
JOIN C4BASE
C4BASEに参加する