NTTコミュニケーションズ株式会社
古い習慣を変えることにより
旅費精算の手間をほぼゼロに改善
NTTコミュニケーションズ株式会社
第四営業本部 営業推進部門
担当課長
久野 陽平氏
Smart Go™の導入により、従業員満足度調査で働き方改革に関連した項目が平均10%以上改善し、8割近い従業員が評価しています
NTTコミュニケーションズ株式会社
第四営業本部
川島 美由紀氏
Smart Go™の導入で旅費申請にとられていた時間はほぼゼロになり、時間と心のゆとりにつながっています
NTTコミュニケーションズ株式会社
アプリケーション&コンテンツサービス部
スマートワークスタイル推進室
室長
川田 英司氏
古い慣習やルールに引きずられ、利便性がないがしろにされているのが、従業員向けサービスの現状です。我々は従業員ファーストでこの部分を変えていきたい
課題
働き方改革が進められていたが、旅費精算の手間が従業員の不満に
NTTコミュニケーションズでは従来、オフィス近隣の得意先への訪問から、宿泊をともなう国内外の出張まで、すべて同じシステムで処理していた。申請の流れは、まずは自分が実際に利用した行程をシステムに入力し、上長に申請、承認を受けるという流れである。しかし、実際の旅費申請の多くは少額で、わずか数百円の旅費精算のために、多くのコストが掛かってしまっていたのが現状だった。
久野 陽平氏はかねてからこうした疑問を抱いていたが、3年前に行った社内調査で確信に変わった。同調査では、従業員から働き方について多くの意見が出ていたが、なかでも旅費精算に対する不満は強く、「旅費システムを起動し、細かい行程を入力する時間と手間にストレスを感じる」という声が多く寄せられたためだ。
「弊社でも働き方改革が進んでおり、“限られた労働時間を生産業務に集中させたい”という思いが、これまで以上に強くなっています。旅費精算は、“非生産業務”の象徴的な業務の一つになっていました」(久野氏)
川島 美由紀氏も旅費精算に不満を抱く一人だった。「旅費申請の作業は、スケジューラーを見て『この日はどこに行ったか』を確認しながら入力するため、非常にわずらわしいものでした。我々営業は、同じ得意先にたびたび足を運ぶケースが多いですが、たとえ行き先が同じであっても、一件一件入力を求められるというのも面倒くさかったです。しかも、月締めで申請する必要があるため、締切は月末の忙しい時期に重なります。そのため、本来の業務と並行して申請しなければならず、非常に大変でした」(川島氏)
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対策
交通機関が提供する乗降履歴を利用する
Smart Go™の導入で申請を不要に
久野氏はこうした状況を打開するために、当時まだリリース前だった、あるサービスのトライアル導入を決意した。それが東日本旅客鉄道株式会社の協力により実現した、自社の新サービスである「Smart Go™」だ。これは携帯電話で交通系ICカード「Suica」の機能が使えるJR東日本の「モバイルSuica」の利用履歴を用いることで、旅費申請を省き、旅費管理を行うサービスである。
Smart Go™では、モバイルSuicaに法人用クレジットカードで予め金額をチャージする。従業員はそのモバイルSuicaを利用し、交通費を支払うため、従来のように従業員が旅費を立て替え払いする必要はない。利用履歴はSuicaの専用サーバーと連携しており、企業側は常に最新の利用状況を取得できる。
「Smart Go™には、利用内容が正しいかどうかを判定する簡易監査機能が付いていますし、乗降履歴も取得できます。従業員が行程を旅費システムで一件ずつ申請するのではなく、交通機関が提供する電車の乗降履歴そのものを明細として利用すれば十分なのではないかと考え、Smart Go™の導入を決めました」(久野氏)
本格導入前に、まずはトライアルとして、20名超の従業員による利用からスタート。川島氏もそのうちの1人だった。川島氏は個人所有のスマートフォンをBYODで業務にも使っているが、そのような形でもSmart Go™を利用することはできる。電車や地下鉄、バス、タクシーの支払いはモバイルSuicaをタッチすればよく、利用後の申請も不要である。
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効果
旅費精算の手間がほぼゼロに
経理部門のコスト削減にも寄与
導入された効果について、川島氏は「これまで旅費の申請は、一件あたり5~10分かかっており、それを複数登録するため、大きな手間がかかっていました。しかし、Smart Go™の導入で、旅費申請にとられていた時間は“ほぼ0”になりました。これが時間と心のゆとりにつながっています。私は子供を保育園へ送り迎えするため、業務時間が限られています。業務にも集中して取り組めるようになり、“働き方改革”を実感しています」と述べる。
さらに、従業員の稼働削減だけでなく、経理部門のコスト削減にも寄与している。「Smart Go™の利用者が増えたことで、従業員の銀行口座へ旅費を振り込む件数も削減されました。その結果、少額の精算でも必要だった数百円の振込手数料もカットできています。もちろん、そのオペレーションにあたる経理担当職員の稼働も削減されました」(久野氏)
Smart Go™の導入から運用という一連の流れを目にしてきた久野氏に、Smart Go™が大きな効果をもたらすポイントを聞くと、久野氏は「出張旅費を数多く精算する必要がある部署を優先し、スピード感を持って導入することが、Smart Go™で効果を出す秘訣といえるかもしれません」と述べた。
Smart Go™を企画した川田 英司氏は「コンシューマの世界では、数百円、数千円の支払いでも、クレジットカードを使うことはすでに珍しくありません。そのような時代に、なぜ従業員にはコーポレートカードを持たせてもらえないのか。それは、社内ルールがあるからです」と、旅費精算が面倒な理由を語った。
その上で「古い慣習やルールに引きずられ、利便性がないがしろにされているのが、従業員向けサービスの現状です。我々は従業員ファーストでこの部分を変えていきたい。コーポレートカードで経費精算すれば、利用履歴が残るので不正申請は難しくなりますし、経費精算の手間も軽減される。多くのメリットがあるわけです」と川田氏は話し、ルールを変えることで業務効率は改善できると説明した。
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NTTコミュニケーションズ株式会社
事業概要
クラウド、ネットワーク、セキュリティ、コンサルティングの提供を通し、お客さまのグローバルビジネスをサポート。
拠点は世界60カ国/地域以上に広がっており、約23,000名のスタッフを配している。
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