伊予市さま

楽しく歩いてポイントもたまる!一石二鳥の「健康マイレージ」導入

健康マイレージ

導入前・導入後の比較

導入前の課題 導入後の成果
1 これまでの健康ポイント事業はアナログのポイントカードで高齢者が中心。若年層の取り込みが課題だった。 1 ドコモのスマホアプリ「健康マイレージ」を導入したことで若年層の参加拡大になり、加えて若い頃から健康づくりの意識向上へとつながった。
2 伊予市ではスマホアプリによる事業の前例がなかったため、プロジェクト実行に不安があった。 2 ドコモの営業担当がスケジュールや、やるべきことを明確に示してくれたので順調に進行でき、よい前例となった。
3 伊予市の最終目標は健康寿命の延伸。その入口である特定検診の受診率が低いという課題があった。 3 がん検診や特定検診受診でポイントが付くようにし、受診率アップの仕掛けが作れた。さらに毎日の目標達成ポイントの設定でモチベーションアップと習慣づけにも一役買うことに。

このページのトップへ

1. アプリによる健康ポイント事業を導入することで、若年層による参加の期待

愛媛県のほぼ中央に位置する伊予市。南は道後平野から西は風光明媚な瀬戸内海に面しており、県都松山市から約10km、南予の玄関口となっているエリアです。
伊予市で健康ポイント事業を導入したのは、3年ほど前の2016年。
伊予市長が表明する「市民の健康寿命の延伸に向けた予防・健康づくりの推進」を背景にはじまりました。

市民福祉部健康増進課 係長 平井隆雄さん

「当初は、市の指定管理施設で、歩いた距離やスポーツ教室などへの参加状況に応じてポイントを付与する事業を行っていました。たまったポイントは同施設の利用券や健康グッズと交換できるというものでした」(平井さん)

健康づくりの新しい一歩を踏み出す施策として約1年実施した結果、要望として挙がってきたのは、このモデルを伊予市全域で実施してほしいというものでした。

市民福祉部健康増進課 主任歯科衛生士 松浦あずささん

「当初のモデルは、結果として大変好評をいただきました。ただ、施設から距離が離れたエリアからの参加数は伸び悩んでいたこともあり、今後は伊予市全体で参加できる内容に刷新しようという方向が見えてきました。また、高齢者が中心になっていたので、若年層にももっと参加できる仕組みづくりも課題になりました」(松浦さん)

こうした課題を受け、健康増進課では新たな事業構想を練るなかで、さまざまな自治体での事例をリサーチ。
ヒントになったのは、宇和島市が取り入れていた、市民参加型のスマホアプリを活用したモデルだったそうです。

「スマホアプリなら、健康づくりのために市民が特定の施設に出向く必要がなく、伊予市全体での実施が可能です。ウォーキング推進においても、歩数計を用意することなく通勤や移動など日常活動の歩数が換算でき、若年層にも呼びかけられます。当初のモデルでは高齢者の参加が中心でしたが、スマホアプリ導入により若いうちから健康づくりを意識してもらえると感じました」と、平井さんは『健康マイレージ』導入の決め手を語ってくれました。

一方、伊予市は高齢化率の高いエリアでもあります。
「スマホを持たない人にも健康ポイント事業に参加していただけるよう、冊子タイプのポイントカードも用意しました」(平井さん)

このページのトップへ

2. 幅広い年齢層、さまざまな活動でポイントが取得できる仕組み

トライアルを経て、新たな構想を練り直してスタートした「ますますい~よ健康ポイント」。18歳以上の伊予市在住の方ならどなたでも無料で参加可能です。

アプリをダウンロードし、スマホの歩数計測機能を使って歩数を記録すると、歩数に応じてポイントが付与されます。
ポイントを累積すると500円相当の「達成券」がもらえ、市内の協力店で使用できるという流れになっています。

健康ポイント事業を刷新するにあたり、まずこだわったのは「ネーミング」と松浦さん、小倉さんはいいます。

「保健センター内でネーミングを募集し、そのなかから候補を絞って投票を行ったところ、『ますます伊予市』という市のキャッチフレーズを活用したネーミングに決まりました」

伊予市のご当地キャラ「あじの五勇士」

アプリ画面には、伊予市の伝説の食材をモチーフにしたご当地キャラ「あじの五勇士」(ミカンまる・おタイ・ビワひめ・クリべえ・ハモのすけ)がデザインされています。
歩数に応じて「あじの五勇士」のバッジやスタンプをコレクションできる楽しみも。

スマホアプリTOP画面

「ほかの自治体が行っているアプリを見ていると、エリアを代表する街並みなどが背景になっていました。伊予市のイメージは?と考えたとき、市の特産物をキャラクターにした『あじの五勇士』を前面に出すことで、みなさんに親しみを持ってもらえるかなと考えました。伊予市らしく親しみやすいイメージが出来上がったと思っています」(平井さん)

さらに、「毎日の目標達成ポイント」を設けるという点も工夫しました。
「自分で1日の目標を決めてもらい、目標をクリアすると1ポイントが付与されます。これによりモチベーションを上げると同時に、毎日アプリをチェックする習慣づけをし、継続につながる仕組みをつくりました」(松浦さん)

また、伊予市では“特定健診の受診率が低い”という課題解決のために、2019年度から40歳以上の国民健康保険加入者の特定健診無料化を実施。この施策と健康ポイント事業とをリンクさせ、受診率向上をめざします。

市民福祉部健康増進課 保健師 小倉直子さん

「具体的にはがん検診受診や特定健診受診でポイントが付くようにし、受診率アップを図る仕組みをプラスしました。さらに特定健診を毎年連続受診するとボーナスポイントが付きます」(小倉さん)

導入にあたって苦労した点については、「前例がなかったこと」という平井さん。
「スマホアプリを使った健康増進事業の前例がなく、戸惑いながらも上司に確認を取り企画・実行してきました。そのようななかでもドコモの営業担当の方がスケジュールの管理ややるべきことをひとつずつ明確にしてくれたので、精一杯取組み、遂行できました」

本プロジェクトは、平井さんを中心に3、4名で進めてきたそうです。

このページのトップへ

3.市民のムーブメントとして楽しみながら健康づくり意識の向上を図る

導入にあたり、市民への周知にも力を注いでいます。

市の公式ホームページや広報誌、啓発チラシにアプリ登録用のバーコードを掲載しつつ、アプリ登録会の実施や市役所窓口でも随時説明するなど、サポート体制への配慮は欠かせません。

「こちらが広報に力を入れても、自ら登録してくださる方は多くはありません。誰かが参加しはじめると、私も一緒に!となりやすいので、市民が集まる施設での周知や登録のお手伝いをすることで、仲間で一緒にはじめてもらえるような流れをつくっています」(小倉さん)

実際の登録者からの声をうかがうと、保健センターの健康教室やサークルなど、仲間からの口コミの影響が大きいと、平井さんは感じているそうです。

「今後はこうした口コミを活用して上手く拡散していくなど、今の時代に合った周知を考えていかなければいけないと感じています」

今後は、地域の企業や店舗を巻き込み、健康ポイント事業と地域活性を上手く連動していきたいと考えています。

「この事業を行うもう一つの目的に“地域活性”があります。今後は地元の商店街などで、活発に『達成券(500円相当)』が使用できるよう、協力店を増やしていきたいですね。地元のいつものお店で達成券が使えるなら、もっと歩こう!とモチベーションにつながりますし、達成券を使ってもっとお買物をしよう!と店舗の活性にもつながります」(平井さん)

市民福祉部健康増進課 課長 下岡裕基さん

最後に下岡さんは、「我々がめざす最終目標は健康寿命の延伸です。その施策の一つである『ますますい~よ健康ポイント』の登録者が増えれば、より健康な市民が増えることにつながります。まずはその入り口である登録者を増やすようみんなで知恵を絞り、働きかけていきます」と事業の展望を語ってくださいました。

自治体の全域で多世代を対象にした事業を活性化するのは一筋縄ではいきません。スマホアプリを上手く活用し、ウォーキングを軸にした健康ポイント事業を推進する伊予市の先駆的な取組みは、今後もますます注目されるでしょう。

このページのトップへ

導入サービス

健康マイレージ

働き盛り世代をはじめ、幅広い世代の方が継続的に取組めるコンテンツを提供し、住民の皆様の生活習慣の改善につながる環境づくりに貢献します。
これまでの実績、ノウハウに基づき、安定したサービスをご提供いたします。

健康マイレージ について詳細を確認


伊予市さま

目的 健康経営
業種 公共機関
エリア 四国

※ 掲載内容は2022年7月以前の情報です。


関連リンク

注目の導入事例 最新のビジネスソリューション・ICT活用事例をご覧いただけます

このページのトップへ