近年、研修やマニュアルに動画を活用する企業が増えています。ドコモのオンライン学習サービスgaccoを人材教育に役立てている、株式会社プロントコーポレーションの事例を紹介します。
1.“会えない時代”の人材育成は動画で行おう
企業にとって、研修やマニュアル作成は社員を育てたり、仕事のノウハウを共有したりするために重要なものです。しかし、研修などを行う際には、さまざまなコストも生じます。たとえば、集合研修であれば、会場や講師の手配に加え、各地にいる社員を一箇所に集めるための交通費などもかかります。さらに、スケジュールや地理的な理由で参加できない社員についても考慮しなければなりません。加えて、コロナ禍においては、大人数を集めて研修を行うこと自体が難しいという問題もあります。
そうした課題を解決する一つの手段として注目されているのが、動画配信サービスの活用です。ドコモgaccoが運営するオンライン学習サービス(gacco MOOC・gacco ASP・gacco Training)もその1つです。特に企業が独自に作成した動画コンテンツをクローズドな環境で配信できるgacco ASPは、動画による研修やマニュアルなどの活用に適しています。
2.プロントは紙のマニュアルを動画に変えた
人材教育において、動画の活用はさまざまなメリットがあります。では、実際にどのような効果があるのか、gacco ASPの導入で、オンラインによる人材教育の充実化を実現した、株式会社プロントコーポレーションの事例を紹介します。
同社は、2021年5月現在、全国で300店舗以上のカフェやサカバ(酒場)を展開しています。従来の人材教育としては、集合研修や巡回型研修が行われてきましたが、店舗数の拡大につれて、それらの運用が本社スタッフにとって大きな負担となっていました。加えて、応対マナーやメニューが多様化し、忙しい店舗での業務をこなしながらそれらを身につけていくことの困難さもあり、スタッフのスキルにばらつきが生じるようになっていました。
こうした課題の解決に向けて、さまざまな施策を試みるなかで行き着いたのがgacco ASPでした。重視したのは、スタッフの負担を軽減できること、費用面、セキュリティ―の高さです。
最初は、Wi-Fiなどの視聴環境の整備がハードルになったものの、3〜4か月の準備期間を経て、研修の一部に動画配信サービスを導入しました。動画では、店舗スタッフ向けのお客様対応や調理手順などをマニュアル化して配信。
これにより、各店舗への情報共有が容易になり、本社スタッフ、店舗スタッフの負担軽減を実現することができました。スタッフにとっても、動画であれば空いた時間に繰り返し学ぶことができるので、知識の定着・平準化につながります。実際に、視聴率が高いスタッフほど店舗のオペレーション浸透度も高いという評価が出ているといいます。
3.社内の独自動画配信によりエンゲージメント向上の効果も
プロントでは、動画配信によって、スタッフの負担軽減やスキルの定着などを図ったほか、社内イベントにも活用しました。同社では毎年、サービスや商品クオリティ、技能等の社内コンテストが行われていますが、こうしたコンテストの模様や結果などが社員に十分に周知されていないことが課題となっていました。
そこで、社内コンテストの授賞式の様子をgacco ASPを通じた動画配信で展開。全国のさまざまな店舗で働くスタッフへ、コンテストの周知やPRを効果的に行うことが可能になりました。さらに、コンテストの練習用にも動画が活用されています。こうした取り組みは、大会への参加意識の醸成やエンゲージメントの向上につながりました。
プロントにおいて、gaccoを用いた人材教育は、業務効率化や従業員のモチベーションアップなどの効果を見せました。同社では、現状で紙ベースになっているマニュアルを動画化するなど、引き続き、動画を活用した人材教育の充実や利便性向上のための取り組みを進めています。
企業にとって重要な意味を持つ人材教育やエンゲージメントの向上。その運用体制を効率的かつ利便性の高いものにするため、gaccoによるオンライン動画研修を検討してみてはいかがでしょうか。