コロナ禍によりテレワークが普及したことで、顧客の企業に直接訪問するような「足で稼ぐ」営業スタイルは難しくなりました。これからの時代は、どのような営業手法が求められるのでしょうか。
1.テレワークで営業の生産性はコロナ前より落ちてしまった
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、ビジネスの現場はコロナ前とは大きく異なっています。
営業も例外ではありません。コロナ前は顧客のオフィスに直接訪問していたという人も多いでしょうが、テレワークが普及した現在、オフィスを訪れたり、オフィスに電話を掛けたとしても、相手が不在であることは珍しくありません。それどころか、自分自身がテレワークをしているため、外出できないというケースも多いでしょう。
パーソル総合研究所が行った生産性に関する調査(※)によると、テレワーク時の営業の生産性は81.1%で、職場に出勤して仕事をしていた頃よりも約20ポイント低い数値となりました。この数値は、営業を含めた職種全体平均の84.1%よりも低くなっています。
(※)パーソル総合研究所「第4回・新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査」
(※)パーソル総合研究所「第4回・新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査」
コロナ禍が終息したあとの企業のテレワーク動向は調査によってさまざまです。しかし、業務効率化やコスト削減、あるいは働き方改革という観点から、コロナ禍以前に完全に戻るとは考えづらいでしょう。
ニューノーマル時代には以前のようないわゆる“足で稼ぐ”営業スタイルとは違う、新しい営業手法が求められているのではないでしょうか。
2.対面の営業ができないなら、オンライン商談をすれば良い
ニューノーマル時代に求められる営業手法とは、どのようなものなのでしょうか?
その具体例の1つとしては、Web会議などリモート会議ツールを用いた「オンライン商談」が挙げられます。オンライン商談を用いれば、たとえ顧客がテレワーク中でオフィスにいなかったとしても、商談が可能です。移動のための時間や費用もかからないため、業務効率の向上やコスト削減効果も期待できます。もちろん、新型コロナウイルスなど感染症に対するリスクも抑えられます。
より多くの顧客を獲得したいのであれば、オンラインセミナー(ウェビナー)も有効です。新型コロナウイルスの流行により、大人数が集まる展示会やセミナーでの新規開拓営業は難しくなりましたが、オンラインでセミナーを開催すれば、ウェブ上で多くの見込み客(リード)が獲得できます。見込み客を獲得した後は、オンライン商談で話を進めれば良いだけです。
3.オンライン商談の成果を高めるためのツールがある
オンライン商談を行っている企業の中には、社内の会議で使うようなWeb会議システムを活用しているケースも多いでしょう。しかし中には、これまでの対面商談に比べてスムーズに話が進まず、成果があまり出ていない企業もあるかもしれません。
その場合は、一般的なWeb会議システムを使うのではなく、オンライン商談を円滑に進めるための機能を備えたオンライン商談のための専用ツールを使うというのも一つの方法です。
現在サービスがスタートしているオンライン商談ツールのなかには、自動で商談内容をテキスト化して記録するものや、画面上に表示した営業資料に文字や図形を書き込むなどの機能を備えたものがあります。こうした機能を活用すれば、顧客の意図が理解しやすくなり、顧客に対して商品やサービスをより詳しく伝えやすくなるでしょう。
もちろん従来のような対面での商談がなくなるわけではありません。顧客とじっくり話し合う必要がある商談はこれまで通り対面で行い、オンラインで完結できる商談であれば、専用のツールを使って手早く効率よく済ませる、というのがニューノーマル時代の営業スタイルといえそうです。