テレワークが普及したことで、企業における労務管理は複雑化しています。クラウド勤怠管理システム「KING OF TIME」を活用した、労務管理のポイントをお伝えします。
1.テレワークで得られた効果と課題
新型コロナウィルスのまん延を機に、テレワークが拡大しています。当初は感染予防のために導入したという企業が多かったと思いますが、アフターコロナにおいても、テレワークの活用はスタンダードになっていくのではないかと予想されています。実際、総務省が2020年7〜8月に行った調査(※)によると、「コロナ収束後もテレワークを活用する予定」と回答した企業は40.5%、検討中は38.2%で、テレワークの継続に対して前向きな企業が少なくないことが伺えます。
(※)総務省「テレワークの最新動向と総務省の政策展開」

(※)総務省「テレワークの最新動向と総務省の政策展開」
テレワークは、企業にとって、さまざまなメリットをもたらしています。厚生労働省の資料(※)によると、テレワークが「優秀な人材の確保や雇用継続につながった」「資料の電子化や業務改善の機会となった」「通勤費やオフィス維持費などを削減できた」といった声がありました。感染予防はもちろん、人材確保や業務改善、コストの削減など多方面で、企業の改革のきっかけとなっているようです。
(※) 厚生労働省
その一方で、課題も見えてきました。企業が感じている問題点としては、「労働時間の管理が難しい」「情報セキュリティの確保」「業務の進捗管理が難しい」「コミュニケーションに問題がある」など。アフターコロナを見据えて、こうした課題をクリアしながら、より効果的なテレワーク環境の構築を目指す必要があるといえるでしょう。
2.テレワークを導入するなら、就業ルールの再整備を
テレワークには多くのメリットがありますが、課題の一つとして労務管理の難しさがあります。大前提として、在宅勤務者も、オフィスで勤務している従業員と同様に、労働基準法など労働関係法令の適用を受けます。同時に、在宅勤務者も企業が定める就業規制を守らなければなりません。そのため、オフィス以外の場所で仕事をする場合も想定し、就業ルールを再整備する必要があります。
特に注意したい点としては、どのような従業員を在宅勤務の対象とするのか。就業場所の範囲は自宅のみか、そのほかの場所も認めるのか。通信費や情報通信機器の費用負担をどうするのか。情報漏えいのリスクにどう対応するのか、といったポイントです。日常的にはテレワークを実施せず、コロナ禍のような緊急事態のみ採用するという場合でも、あらかじめルールを設定しておけば、トラブルを未然に防ぐことができます。

さらに、長時間労働が発生しやすいのも、テレワークによる課題の一つです。テレワークは仕事とプライベートの境界線が曖昧になり、結果的に長時間労働に陥ってしまうケースが少なくありません。こうした問題を防ぐためには、休日や深夜を含む時間外の労働を禁止する、メールの送受信を労働時間内に限定する、といったルールの設定が有効です。場合によっては、システムへのアクセスに制限をかけるといった措置も検討すべきでしょう。もちろん、日頃から長時間労働や深夜労働をしないように注意喚起をすることも大切です。

3.テレワーク中の労働時間を適切に把握できる、クラウド勤怠管理システム
快適かつ効率的なテレワークを実施するためにルールを策定することは重要です。同時に、KING OF TIMEのようなクラウド型の勤怠管理システムを活用し、適正に労働時間を管理することも必要です。
以前は、出勤時と退勤時にタイムカードを押すことで、労務管理を行っている企業も多かったと思いますが、テレワークには不向きです。クラウド型の勤怠管理システムであれば、パソコンやスマートフォン、タブレットなどを使ってどこからでも打刻でき、管理者はこれをリアルタイムで確認することができます。今後ますます働き方の多様化が拡大していくとしても、こうしたツールがあれば、スムーズに対応できるでしょう。

4.事業場外みなし労働時間制においても、クラウド勤怠管理システムが有効
自社で多様な働き方を取り入れるのであれば、クラウド勤怠管理システムを活用し、適正に労務管理を行うことが重要です。さらに、もう一つ注意すべきなのは、「事業場外みなし労働時間制」です。労働者が実際に働いた時間ではなく、あらかじめ定めた時間を「労働時間」とみなす制度の一つです。
本来、企業は従業員の労働時間を適切に把握・管理する義務がありますが、労働者がオフィス以外の場所で労働し、会社の指揮監督がおよばず、労働時間を算定することが難しい場合に、その義務を例外的に免除し、従業員が一定時間労働したとみなします。
在宅勤務の場合も、「在宅勤務が起居寝食等私生活を営む自宅で行われていること」「在宅勤務に使用しているパソコンが会社の指示により常時通信可能な状態となっていないこと」「在宅勤務が随時会社の具体的な指示に基づいて行われていないこと」という三つの条件を満たせば、この制度を適用することができます。
ただし、事業場外みなし労働時間制を採用したとしても、すべての時間の把握・管理義務が免除されるわけではありません。基本は在宅勤務であっても、急きょオフィスに出社した場合や、深夜および法定休日の労働時間については、企業側が把握する必要があります。

つまり、事業場外みなし労働時間制を適用したとしても、テレワークの勤怠管理は複雑です。こうした管理をスマートに行うためにも、KING OF TIMEのようなクラウド勤怠管理システムの導入が必要になるのです。たとえば、KING OF TIMEには、出退勤や休憩開始などの打刻を忘れた場合はメールで通知する機能があります。さらに、残業時間の管理や注意喚起も、アラート機能や通知機能を使って行うことができます。
テレワークをはじめ、多様な働き方が広がることで、労務管理は複雑になりがちです。一方で、社会的には、企業の労務管理に対する目は年々厳しくなっています。KING OF TIMEのようなツールを活用し、効率的で適正な管理を行いたいものです。