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レストランもバーチャルに?「最新EC市場動向」

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新型コロナウイルス感染症の流行により、ライフスタイルが変化するなかでECサイトの利用が広がっています。最新のEC市場の動向を解説します。

1.コロナ禍で活気づくEC市場

ECとは、英語でelectronic commerce(e-commerce)、日本語では電子商取引と訳されます。インターネット上に開設された店舗である、ECサイトが普及したことで、直接店舗に行かなくても、時や場所を選ばずさまざまな商品がオンラインで簡単に入手できるようになりました。最近ではフリーマーケットサイトなどのC to C(Consumer to Consumer)のECサイトも活況を呈しています。

さらに、2020年の新型コロナウイルス感染症の流行により、その市場は拡大。緊急事態宣言の発令によるステイホーム期間に、ネットショッピングの利用世帯数が増加したのです。総務省の「家計消費状況調査」(※)によれば、2020年2月には、二人以上の世帯でのネットショッピングの利用率は42.5%でしたが、同年5月に50.5%と初めて半数を超えました。以降はほぼ50%以上をキープしており、2021年2月は51.5%になっています。

(※)総務省「家計消費状況調査」

総務省「家計消費状況調査」 を基に編集部で作成

(※)総務省「家計消費状況調査」を基に編集部で作成

興味深いのは、65歳以上の高齢世帯でも利用の割合が伸びていることです。ネットショッピングには、パソコンやスマートフォンなどのデバイスの利用が必要になることから、以前はそうしたデバイスを日頃から使いこなしている若い世代によるECサイトの利用が目立っており、65歳以上の高齢者世帯の利用割合は20%台に留まっていました。しかし、2020年5月以降は30%台に跳ね上がっています。今後もEC市場は幅広い世代での利用増が予想されます。

2.リアルとデジタルが融合した、新しい買い物の形

コロナ禍でEC市場が活気づき、私たちの生活にもさまざまな変化が起こりました。たとえば、2020年のステイホーム期間中に需要が拡大したのがデリバリーサービスです。多くの飲食店が休業や時短営業となるなかで、時にはちょっとした贅沢をしたい、プロが作る本格的な料理を食べたいというニーズに、マッチしたのです。最近では、実店舗を持たずにデリバリーのみを行う「バーチャルレストラン」と呼ばれる飲食店も登場しています。

さらに、ECの販売方法にも多様性が見られます。いわゆるネットショッピングだけでなく、個人同士で商品のやりとりをするオンラインのフリマやネットオーククションなども多くの人に利用されています。

リアルとデジタルが融合した、新しい買い物の形

サブスクと言われる定額制サービスでは、月単位などで決まった金額を支払うと、製品・サービスが使い放題になります。音楽や動画配信などのサブスクが有名ですが、その他にもバッグやアクセサリー、家電、ワークスペース、自動車などのサブスクサービスもあります。

不特定多数の人たちから資金を調達するクラウドファンディングも、オンラインにおける商取引の一つと言えるでしょう。新しい商品やサービスの販売をプロジェクトとして立ち上げ、資金を提供してくれた人に販売するという形によって、小規模でも想いやこだわりのある商品・サービスが世に出るきっかけになります。

ECの普及によって、店舗のあり方も変化しました。最近では商品をECサイトで選び、購入したものを店舗で受け取るというスタイルも増えてきています。これによって、実店舗は、買い物をする場というよりは、商品を保管しておくための倉庫としての役割が強くなります。

反対に、実物は店舗で見て、購入はECサイトで行うというケースもあります。いわば、店舗のショールーム化です。決済などはオンラインで行う方が便利でも、商品は実際に目で見たり、触ったりして確かめてから購入したいというニーズに応えています。さらに、web会議ツールなどの普及により、離れた場所にいても接客や商談が可能になりました。習い事のレッスンなど、今までは対面でしかできなかった体験も、オンラインで行われるようになりつつあります。

このように、実店舗とECの垣根はなくなりつつあります。リアルとデジタルを融合させて顧客体験を最大化させようとすることをOMO(Online Merges with Offline)と言います。OMOが進んでいる中国では、QRコード決済などは当たり前。他にも、スーパーマーケットでは野菜のQRコードをアプリで読み取ると、即座にトレーサビリティ情報やレシピ、必要な材料を表示。これをワンクリックで購入すると、品物が30分後に自宅に届くといった仕組みも存在します。

3.ECサイトは販路拡大の救世主になる?

こうしたECの急速な発展に、日本の中小企業はどう対応していったらいいのでしょうか。コロナ前から多くの中小企業が経営課題として捉えているのが「営業・販路開拓」(※)です。

(※)中小企業庁「2020年版 小規模企業白書」

これまでは、販路を拡大するためにはどうしてもマンパワーや距離の制約がありました。しかし、ECサイトであれば販売エリアは全国、消費者はもちろん企業相手にも自社商品やサービスの訴求ができる可能性があり、稼働は365日24時間です。

もちろん、これまでECを取り入れてこなかった企業にとっては、人材やノウハウの不足、社内理解、コストなどさまざまなハードルがあるでしょう。しかし、幅広い世代にリーチでき、今後ますます発展が期待できるEC事業をビジネス発展のチャンスと捉えて検討してみてもよいかもしれません。

もしECに参入しなかったとしても、自社の商品やサービスのターゲットを拡大できないか、あるいは感染予防や巣ごもり生活といった新しいライフスタイルに関連づけることができないかなど、新しいマーケットや生活様式を取り込んだ販売戦略を練ることは、きっと今後のビジネスの役に立つはずです。

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