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事例に学ぶ「RPA」の活かし方

事例に学ぶ「RPA」の活かし方

目次

RPAを導入する5つのメリット

「RPA」とは、「Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)」の略称で、人が手作業で行っている業務処理をソフトウェア型のロボット(「デジタルレイバー」とも呼ばれる)に代行させ、業務の大幅な効率化、あるいは自動化を実現することをいいます。さまざまな業界での人材不足が深刻化するなかで、RPAのソリューションへの関心は高まり、経済産業省の「2018年版中小企業白書」(*1)によると、2017年時点で、中小企業の約6割(59.3%)が「RPAという用語」を知っていると答えたといいます(図1)。

図1:ITキーワードの認知率
図1:ITキーワードの認知率
出典:経済産業省 中小企業庁「2018年版中小企業白書」をもとに編集部で作成

この認知率は、「AI」(認知率95.1%)や「IoT」(同82.4%)、「ビッグデータ」(同81.5%)に比べるとまだまだ低いといえます。とはいえ、RPAという言葉が日本で使われるようになったのは2016年ごろのことです。それを加味すると、RPAに対する認知は、かなりのスピードで拡がってきたといえるでしょう。またそこからは、この技術に対する企業の期待の大きさもうかがえます。

では、RPAの活用は、企業にどのようなメリットをもたらすのでしょうか。以下では、RPA導入の成功事例を参考にしながら、その答えの一端をご紹介します。

RPA活用が生んだ時間のゆとりで売上高を2.5倍増に

最初にご紹介するRPA導入の成功事例は、前出の中小企業白書で紹介されている人材紹介サービス事業者の例です。

保育士などの紹介サービスを展開している同社では、登録した保育士に対して希望する勤務地や待遇などの条件をヒアリングして、その希望条件に合致する施設を抽出。抽出した施設に対して求職者の情報をFAX送信して、面接などにつなげています。

事例に学ぶ「RPA」の活かし方

このうち、施設の抽出作業は表計算ソフトで行っており、以前は、FAX送信1件あたり約10分を施設抽出にかけていました。同社が施設に送信するFAX件数は、1か月あたり約1,000件。そのために、1日あたり4時間以上の時間を施設抽出に費やしていたといいます。

そこで同社では、RPAを導入し、表計算ソフトでの施設抽出作業を自動化しました。これにより、施設抽出に費やしてきた1日4時間以上の時間を別業務にあてられるようになり、売上高がRPA導入以前の2.5倍に増えたといいます。

受発注管理作業の6〜8割をRPAで代替

次にご紹介するのは、RPAツール「WinActor」の活用で成果を上げている店舗用販促グッズの企画・販売を手がける中小企業の例です。

WinActorは、利用者が作成した業務処理のシナリオに沿ってWindows(R)アプリケーションの操作を実行するロボットです。プログラミングの知識のない方でも、シナリオがかんたんに作れて、改変できるという活用ハードルの低さを特徴のひとつとしています。

事例に学ぶ「RPA」の活かし方

この会社では、品番が決まっている既製品への注文については、基幹の販売管理システムに直接受注入力を行っていましたが、オーダーメイド商品については、販売管理システムとは別の見積システムを使って受注内容をまとめ、そのデータを手作業で販売管理システムに入力(転記)する必要がありました。

転記するデータの点数は1日あたり250点から300点にもおよび、その転記作業に約5時間を要していたといいます。そうしたなかで、転記を受け持っていたスタッフが異動となり、業務の継続が困難になるという事態に直面しました。そこで同社は、WinActorの導入に踏み切り、欠員を補充することなく、日々の転記作業を滞りなく続けることに成功したといいます。ちなみにWinActorは、約5時間かかっていた転記作業の3~4時間分を担っており、その働きによって同社は、人材のパワーをより生産的な業務に振り向けることも可能になったとしています。

ドコモのお客さまでもWinActorの導入は進んでおり、ある農業協同組合のお客さまは、WinActorの活用で農業用肥料や資材などの受注販売業務の大幅な効率化を実現しています(*2)。

2 参考: 手書き注文書のシステム入力を「WinActor」で自動処理(下関農業協同組合様)

このお客さまでは、約3万人の組合員からFAXなどで送られてくる手書きの注文書をOCR(光学文字認識)装置で電子化した上で、注文データを購買システムに入力する作業をWinActorで自動化しました。これにより、注文処理に要する時間がおよそ8割圧縮されたほか、人的なミスも大きく減ったといいます。また、注文処理にかかる時間が短縮されたことで、商品をスピーディーに届けられるようになったとしています。

以上、少し駆け足で、RPA活用の成功事例をご紹介しました。RPAを使って効率化した業務は各者各様ですが、どの組織も、“必ずしも人が処理する必要のない定型業務”をRPAによって自動化し、相応の効果を手にしています。

また、RPAを適用しつつも、業務の大きな流れ自体は変えていない点も、上で紹介した成功事例に共通している点です。

実のところ、人手によるデータ処理の作業を減らす、あるいはなくすには、そのような作業が発生しないよう、システムそのものを作り変えてしまうという方法もあります。ただし、それには相応の手間やコストが発生しますし、場合によっては、組織内の業務の進め方を変更したり、取引先や顧客とのやりとりを変更したりしなければならなくなります。

それに対してRPAは、システム化によるそうした負の影響を生むことなく、業務の効率性だけを高めることができます。システム化の空白を埋めながら、限りある人的リソースの有効活用を図っていきたい。そうお考えなら、RPAによる業務の効率化・自動化に取組んでみてはいかがでしょうか。

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