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いよいよスタート「5G」はビジネスをどう変えるのか?

2020年5月掲載

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スマホなどの最新移動通信システムとして注目されている「5G」。連日ニュースをにぎわせていることもあって、目や耳にしたことがある人も多いでしょう。すでに導入されている国も多い中、いよいよ日本でもサービスの提供が開始されました。

5Gは、モバイル通信だけでなく、自動車の自動運転やロボットの遠隔操作といった技術革新や、エンターテインメントの分野にも、大きな影響を与えると考えられています。そんな5Gが普及すると私たちの生活にどういったメリットをもたらすのでしょうか。知っておきたい5Gの基本情報とメリット、リスクについて紹介します。

5Gってよく聞くけれど、どういうものなのか?

5Gとは、第5世代の移動通信システムのことで「ファイブジー」と読みます。アナログ方式だった1G(第1世代)から始まり 2G(第2世代)でデジタル化されて、3G(第3世代)では高速データ通信が可能になったことで、携帯電話の普及を後押ししました。

そして3Gをベースに段階的な発展をしてきた4G(第4世代)が、現在の移動通信システムです。移動通信システムの最大通信速度は約10年ごとに大きく変化し、ここ30年間で約10倍になりました。

そして5Gは、4Gをさらに発展させて、2020年代のモバイルネットワークの高速化や大容量化を見据えたスペックへと変化したシステムです。5Gは4Gと比べて、最高伝送速度が10Gbps(現行LTEの100倍)、1㎢あたりの接続機器数が100万台(現行LTEの100倍)、遅延が1mm秒程度(現行LTEの10分の1)といった優位点があります。用途としては、自動車の自動運転やロボットの遠隔操作、IoTなどが想定されています。

私たちの日常生活においても5Gの特徴を生かした変化が生まれることが予測されます。たとえば、IoTシステムの普及によって住宅内の電化製品を外出先からスマホで操作したり、医療機器のオンラインシステムを利用し、地方に住んでいても高度医療を受けられたり、安定的な通信速度と低遅延により質の高いVRやARを楽しめる、といった変化が予想されます。

ニュースでは、5Gの超高速化という部分にスポットが当たりがちです。しかし5Gは、1つの基地により多数の機器を接続できて、データの遅延も低いという、新たな機能を備えた次世代の移動通信システムなのです。

5Gはアメリカや中国、韓国、欧州で、2019年4月頃から順次導入されています。日本では2020年、本格的に導入・展開される予定です。

5Gは私たちの生活をどう変えるのか?

5Gのメリットは、4Gに比べて通信速度がさらに高速化され、低遅延による安定した通信が継続的に利用できる点にあります。産業の視点では、以下のようなメリットが想定されます。

  • 自動車の自動運転
  • 車外センサーによって集めたビッグデータを使ったより的確な渋滞予想
  • ドローンの自動制御運転による3Dデータを使った地形の正確な把握
  • IoT技術による建設技術のオートメーション化
    (具体的には、機械が自ら判断・作業する自立運転型ロボットの導入、遅延の少ない映像を活用した遠隔操作、無線化によるレイアウトフリーな生産ラインの構築など)
  • 商業施設内のセンサーから分析した人の導線データをもとにしたマーケティング立案

5Gには、携帯電話業者の全国的なサービスとは別に、地域や個別のニーズに応じて、企業や自治体が主体となり構築・導入ができる、場所を限定した5Gネットワーク「ローカル5G」というものもあります。

ローカル5Gを構築すれば、たとえ通信事業者の5Gエリア展開が進んでいない地域であったとしても、ビルや工場、土地の管理者が自前で5G免許を取得すれば、地域限定で5Gネットワークが利用できます。通信事業者の5Gと比べても、通信障害や災害の影響を受けにくいというメリットもあります。

5Gではこのほか、基地局1台から同時に接続できる端末の数も増えました。従来は数個だったのが、5Gではより多くの端末が接続数できるようになります。情報通信研究機構の実験では、約2万台の同時接続が可能になったといいます。そのため、リモートワークも従来よりも容易になります。テレワークなど、働き方改革の推進にもつながることが予想されます。

通信システムの進化はすべてを変える

こうした多くのメリットがある一方で、5Gの導入によるリスクについても把握しておかなければいけません。

特に注意しなければならないのが、セキュリティの問題です。5Gによって、1つの基地に多くの機器が接続されることになるため、セキュリティシステムをかいくぐってハッキングされた場合、これまでよりも被害が甚大化する可能性が考えられます。

間接的な影響としては、5G導入のタイムラグによる“格差”の問題も起こるかもしれません。5Gの導入は都市部から順次展開されていくので、都市部と地方との地域間格差が生まれてしまいます。そのため、5Gを求める人が都市部に集中してしまい、都市部への一極集中化・地方の過疎化が促進されてしまう懸念もあります。

さらに、5Gによってデータ需要が大幅に増加する影響で、ネットワークが受ける負担も大きくなります。いずれ処理能力が追い付かなくなることが予想されるため、世界ではすでにその次の世代である6Gの研究開発が進んでいます。

6Gは5Gよりもさらに高速で大容量の移動通信システムです。6Gが生活に溶け込むことで、「通信する」という概念自体が不要なほどのシステムになるのではないかと予想されています。具体的には、よりリアルな仮想現実体験や、店舗の無人化、自動車だけでなく多様な機器の自律運転などへの展開でしょう。

通信システムの進化は、我々の生活やビジネスの至るところに、大きな変化をもたらします。その変化に早く対応できなければ、ビジネスチャンスを逃すことにもなりますが、逆に早く対応できれば、企業規模に関わらず、ビジネスチャンスが生まれることになります。5Gのメリットを、自社のビジネスにどのように活かすべきか、早い段階から準備を進めておいたほうが良いでしょう。

参考書籍
『5Gビジネス』(亀井卓也)

『5Gビジネス』(日本経済新聞出版社刊)の著者でもあり、通信技術にも詳しい野村総合研究所の亀井卓也氏が、本ページでも紹介している5Gの概要および新たに”5GのDXへの影響”について解説したホワイトペーパーを下記からダウンロードいただけます。

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