Phase 01
先行研究
未来を見据え、400Gbpsのエンジンを開発
当時、河原はNTT研究所にいた。最先端の技術研究員の一人として、400Gbpsネットワーク実現の核となるチップ、つまり伝送装置の“エンジン”の開発に没頭していたのだ。「プロジェクトが立ち上がる以前から、我々は次世代ネットワークに向けた研究を進めていました」と語る河原は、当時、通信量の爆発的な増加がひとつの社会課題になっていたと言う。「2030年には現在の約200倍の通信量になると言われていました。その時代が来た時、現代で言えば5Gやリモートワークなどの時代がきた時に、次世代ネットワークが完成していなければ社会は大混乱に陥ってしまいます」。探求心なのか、使命感なのか。河原は人知れずプロトタイプの開発、チューニングに心血を注いだ。そんなある日、一本の電話が入る。その声は「世界に先駆けて『最高水準のバックボーンネットワークにチャレンジしたい』というものだった。このプロジェクトが成功すれば、商用化としては世界初の事例である。ついに時が来た。
Phase 01