Phase 01
事業参画
農産物の生産コストを可視化するために
きっかけは、設計のリーダーを務めた鈴木与一の知人だった。岩見沢スマート農業コンソーシアムが農林水産省のプロジェクトに参加することになり、その一画を担う農業系スタートアップ企業から声がかかったのだ。「われわれが手掛けるIoTプラットフォーム『Things Cloud®』の資料を見て、ぜひ力を貸してほしいとのことでした」と当時を振り返る鈴木与一。同コンソーシアムは農業活性化におけるさまざまな施策を計画しており、その中のひとつに「データに基づく農業経営の実現に向けた農産物の生産コストの可視化」というテーマがあった。現在、農家が一般的に利用しているアナログの農機では作業情報を取得することができず、生産コストの把握には大きな作業負担がかかる状況だった。既存農業の生産コストを可視化できなければ、スマート農業の成果を可視化することもできない。さらに、各メーカーがそれぞれ独自の仕様でデータを送信しているため、農作業に関わる多種多様なデータを一元管理することも容易ではなかった。だが、Things Cloud®ならそれができる。「このプロダクトの特徴は、あらゆるメーカーの農機と接続できること。その強みを発揮すれば、ありとあらゆる農作業のデータを蓄積することができます」。実証実験後、スマート農業を広く普及させることまで見据えれば、デバイスや農機を選ばず接続できるThings Cloud®の存在意義は決して軽くはなかった。
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