スペシャルインタビュー / SPECIAL INTERVIEWS

金正奎×RENA

ラグビーと格闘技というまったく別のジャンルの違う道を歩んできた金正奎とRENA。
実は最近、ラグビー界では格闘技流のタックルを導入したことが知られている。
それだけに、双方には「タックル」を絡めた共通項が存在する。
その違いとは何か?また、そこに怖さや痛さ、怪我との関係はどうなっているのか?
トップアスリートならではの思いが詰まった対談は、意外な結末に……?

お二人は大阪出身なんですよね。

(大阪の)どこですか?

僕は枚方(ひらかた)ですね。

ああ、ひらかたパークのあるとこやん。

ひらパーの目の前ですね。

遊園地ですか?

そうです。大阪で1、2位を争う遊園地です(笑)。

ちょちょちょちょっと待って!(笑)

言い過ぎかな(笑)。

言い過ぎですね(笑)。

素朴な疑問ですけど、試合前のどの辺りからスイッチが入るものですか?

僕はグラウンドに入ったら、自然とスイッチが切り替わりますね。

私はちょいちょい集中している感じになりますね。家を出る前、会場に入って、試合直前のウォーミングアップ、入場の前、入場している時はリラックスして、ゴングが鳴ったら完全にスイッチが変わります。

格闘家で凄いと思うのは減量ですね。絶対に無理ッス。

落ちますて。メッチャ食べますか?

食べますね。(体重が)落ちないように食べてます。試合に向けて、どのくらい落とすんです?

だいたい5~7kgくらい。別人ですよ(笑)。

(試合の時は)もっと細いんですか?

今から5kg減りますからね。

エグい。どのくらいの期間で?

だいたい3週間くらいかな。

僕、毎年年末はテレビで(RENAの)試合を観ているんですよ。

ホントですか? ありがとうございます。

メッチャ強いですもんね。2年連続で観たんかな?

大晦日?

大晦日。ヤバい。メッチャ強いと思って。キックが痛そう。

そこまで痛くはないから大丈夫です。

いやいやいやいや、蹴られた相手、痛がってましたもん(笑)。

金正奎×RENA

格闘技と違って、ラグビーの場合は蹴られたりはしませんもんね。

蹴りはレッドカードをもらうからないですけど、タックルをもらうと痛いですね。怪我した時はとにかく痛いですからね。去年、ここ(ヒザ)を怪我したんですよ、3カ所。

痛そうですね。

これ、相手のタックルを一撃でもらって、それでなったんですよ。その時は痛すぎて。

よっぽどだったんですね。

RENAさんも、試合では怖さや痛さを感じることがありますか?

怖いはないですね。痛いはありますけど。

でも、あんまり(攻撃を)もらわなくないですか?いつも顔キレイで終わりません?

いまのところ(笑)。

それが凄いなって思います。顔、腫れる選手っているじゃないですか。

もしそうなったら、とかって考えますか?

試合前はあれですよ。鏡を見て確認して(笑)。

そうなん?(笑)

試合終わってまた鏡を見て、ちょっと青タンになってるけど、まあいっか、みたいな(笑)。一応、鏡チェックは入ります(笑)。

〜この後、実際にRENAからはキックを、金からはタックルをお互いに向けて放ってもらう〜

金正奎×RENA

金選手、どうでしたか、RENA選手のキックは?

メチャクチャ(キックが)強かったですね。

いやいや(笑)。

予想はしていたんですけど、その予想をあっさり超えてきたし、重かったですね。もう少し軽いのかなと思ってたんですけど、普通によろめくぐらいに行ったので(笑)。しかもあれで本気じゃなかったのがちょっとビックリした。

手加減をしてくれたと。

優しいですね(笑)。

金正奎×RENA

RENAさんはどうでしょう?

遠いところからのタックルってモロにもらうことがないので、衝撃が凄かったですね。そのままやったらウワーッて飛んで行きそうな。あれを毎回受けていたら、そらヒザに来るわって。

そうッスね。

でも、面白かったです。普段、こんな身長差のある人に持ち上げられることがないので、なかなか面白かったです。

さっき話に出てきた遊園地みたいな。

ひらパーク(笑)。働けるじゃないですか(笑)。

メチャクチャ大変ですよ。しかも人気なさそうなアトラクションやし(笑)。

金正奎×RENA

ラグビーのタックルと格闘技のタックルはちょっと違うと思うんです。

たぶん倒すっていう目的は同じなんですけど、入る距離が違いますよね。

根本的に、僕たちは(相手が)前に出られちゃいけないっていうのがあるから。でも、格闘技の場合は相手の横からだったり後ろからだったり、どこから入ってもいいと思うんです。僕らの場合はボールを持っている相手に対して真っ直ぐに入る。どちらかというと押し返すタックルなので。そこは違うと思いますね。もちろん技術も必要ですけど、パワーがかなり必要ですし。そこが大きく違うと思います。

RENAさんは試合ではあまりタックルをされるイメージがありませんけど、練習では結構ガッツリとされているんですかね。

ガッツリかどうかはわかりませんけど、練習はやってますね。難しいですけど、慣れてはきましたね。完全に倒し切るまで行かないといけないし、そこから先の展開も考えて倒さないといけないので、なかなか難しいですね。

格闘技のタックルってラグビーのタックルに比べて、速さが違うと思いますね。立っている状態から下がるスピードが、格闘技の選手ってメチャクチャ速いので、そこはラグビー選手も取り入れていかないといけないと思いますね。凄く速いですよ。消えたような感じで一瞬で下がって視界から消えるから。

特にラグビーに関しては、勢いや気迫みたいなものがないと、タックルには入れないイメージがある気がしますけど、どうなんでしょうか。

最初は僕もそう思っていましたし、結構メンタルが大事と言われるんですけど、技術がないとタックルって怪我しますよね、それこそ気持ちだけで行ったら。だから僕はタックルに関しては9割くらい技術なんじゃないかなって思いますね。気持ちは1割くらい乗っかっておけば成功するんじゃないかと。

タイミングが大事ですね。

RENAさん的には今後、タックルで仕留めてやろうみたいなことはありそうですかね?

総合格闘技での試合は、ルールでタックルは認められているので、効果的に出せたら面白いかなとは思いますね。前、1回だけ出せたんですよ。倒されへんかったけど(笑)。

残念。

タックルに行ってから相手のバックを取るっていう練習をやっていて、試合で使ったら、入るタイミングは最高やったんけど……。

倒しきれなかった?

そう。後ろに回らな、回らなって頭が先に行ってしまって、倒しきれずに失敗しました。

凄いですよね、格闘技の人はいろんなことを考えながら試合していて。

格闘技の場合は、相手のヒザが飛んでくる場合があるんですよ。

確かにそうや! タックルに入った時のヒザとかヤバそうやなと思いますね。

それがちょっと怖いと思いますね。それはちょっと覚悟が入りますね。エイッ!みたいな。

金正奎×RENA

怖いという部分でいうと、タックルから少し外れますけど、RENAさんが試合中に踏みつけを出していたじゃないですか。
ルールで認められているから反則ではない攻撃なんですけど。

ねえ?人間なんか踏まれへんと思って生きてきたけど、試合中に、1個、何かが切れましたね(笑)。

ハハハハハ!

でも学びましたよ。人間は踏んでも死なんもんやと(苦笑)。

凄いッスねえ。無理ッスねえ。(人間を)踏んだことないけど、許されているんですからやりますよねえ。

まあまあまあまあ。でも、気持ちいいもんではないですよ(苦笑)。

そうなんやね。でも、勝つのがすべてやから。

そうですね。

咄嗟の判断とはいえ、あれを出せる方は、相当のハートの強さがあるんだなと実感しました。

そうやと思います。

いやいやいや。

2020年は東京五輪が開催されますけど、意識はされていますか?

やっぱりスポーツをしている限り、そこは意識しますし、今まで注目されにくかった競技が注目されますから、日本にとってはいいことやと思いますね。僕自身はラグビーをやってますから2019年には日本でW杯がありますし。僕自身はそのW杯に出て、活躍できたらいいなとは思っていますね。

私自身がやっている総合格闘技やシュートボクシングは五輪競技ではないですけど、いろんなスポーツから刺激をもらえますから楽しみにはしていますね。東京で開催される五輪だから盛り上がると思いますし、同じスポーツのカテゴリーにいる身としては、その波に乗って、一緒に盛り上がれたらいいな、という意識はしています。

金正奎×RENA

格闘技の場合は、まず東京五輪の選考に外れた方がRENAさんの相手としてリングに登場する可能性はありますね?

総合の場合はレスリングからも柔道からも来れますから、もしかしたら、があるかもしれないですね。

ちなみに最近は女子ラグビーも流行っていますけど、RENAさんにもお声がかかったりはしませんか?

あ!でも言われた!誰やったかなあ。「ラグビー、五輪あるよ。女子は人数が足りてないけどどう?」みたいな(笑)。

で、どう答えたんですか?

「いやいやいやいや、大丈夫でーす(笑)」みたいな(笑)。

辞めといたほうがいいッスよ(笑)。

逆に金選手、格闘技はどうですか?

ないッスよ。厳しいですね。ホンマに怖いです。いや、機会があればやります、くらいにしとこかな(笑)。

是非(笑)。

その時は教えてください(笑)。

金正奎×RENA

(6月10日、シュートボクシング/シーザージム浅草にて 取材◉“Show”大谷泰顕)