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濱田 宇功 Takanori Hamada

フォワード・HO

成長著しい昨シーズン、トップリーグの舞台を経験。紆余曲折を経て今のHOのポジションにたどり着く。強気の姿勢で今シーズンレギュラー定着を狙う。従来のHOのスタイルにはとらわれないプレーを目指している。

濱田 宇功

アメフトをやる体作りのために始めたラグビー

――ラグビーを始めたのはいつ?

高校生の時に部活で始めました。親父が大学生の時にアメフトをやっていて、自分も大学からはアメフトをやろうという考えがあったので、アメフトのために体作りをしておこう、という軽い気持ちで始めました。

――その頃はアメフトに興味が?

親父の先輩や後輩が、よく家に遊びに来て試合のビデオを見せられたりしていました。自分ではプレーしたことは全くありませんが、試合はビデオでよく見ていました。親父は大学からアメフトを始めて、日本一にもなり、最終学年ではキャプテン、日本代表にも選ばれていたという話を周りの人から聞いたりして、親父ってすごいんだなって思って。それでアメフトに興味を持ちました。

――アメフトが目的だったはずが、どんどんラグビーにのめり込んでいったのですね。

1年生の終わりにはラグビーにはまっていましたね。というのも、僕が1年生の時の3年生が日体大に進学しました。それに刺激されて大学ラグビーも意識的に見るようになりました。練習メニューはキャプテンが決めていたのですが、2年生になった頃からそこにも自分から意見するようになり、海外の試合も見るようになって、自分の中で気持ちがどんどん高ぶってきて、強いチームで自分を試したい気持ちが出てきたんだと思います。

――高校生の時のポジションは?

SOとCTBをやっていました。

――そして強豪校の帝京大学に入学します。大学ラグビーに触れてみてどう思いましたか?

やっぱり、今の自分と差がありすぎるなと実感しました。入部した当初は70kgしかなかったので、他の部員たちを超えるためにはまずしっかりと体作りをしようと思いました。体が出来ていないから、試合に出てもすぐ怪我をしてしまうんです。それで1年生の時は怪我をしていた期間がすごく長かったので、1年間はひたすら体作りに徹した感じですね、ずっとウエイトトレーニングばかりしていました。その結果、2年生までには83kgくらいまで増えました。2年生になった時は、まだCTBをやっていました。その年の9月に対抗戦と同時にジュニア選手権というのが始まるのですが、そこで監督に「FLで出ろ」って言われて全くFWの経験がないのにパッと出されて。そのシーズンから、FLに転向しました。

――何故FLに抜擢されたのでしょう?

体が激変したからですかね?(笑)。監督に「FLやってみろ」って言われて。しかも当時D、Eチームだったのに、A、Bチームに急になったので、がむしゃらに1年間やっていたのを思い出します。

――いきなりFLを任されて対応できましたか?

対応できないです(笑)。ラインアウト、スクラムと仕事が増えましたから。

――それからFWに転向したんですね。

そうですね。そのままFLをやっていて、3年生の春からはAチームに絡むことが出来たのですが、対抗戦の初戦の試合で怪我をしてしまって、そのままシーズンは終わってしまいました。それから4年生に上がる前に監督に呼び出されて、「HOをやってみないか」って言われました。その時はHOで良い選手が抜けてしまって、逆にFLは良い選手がたくさんいたので、監督には今はHOをメインに考えてくれと言われて、4年生で初めてHOを経験しました。

――ご自身では当時はどこのポジションをやりたかったのですか?

やり始めたばかりですし、FLをやりたかったですね。HOという新たなポジションにチャレンジしながらFLでも使ってくれるという話だったので、HOでいい動きをしていればFLでも使ってもらえるかな、なんて甘いことを考えていました。

――HOへのコンバートに対して抵抗はありませんでしたか?

そうですね。他のポジションと違って誰か変わりに入れるポジションではない専門職ですし、ラインアウトにスクラムに仕事量が一段と増えますので抵抗はありました。

――HOはスクラムやラインアウトなどでは色々なスキルも要求されますよね?

最初の頃はラインアウトのスローイングが本当に酷かったです。スクラムもですが・・・。最近になってようやく感覚を掴めた感じです(笑)。でも大学で1年間HOをやった経験は大きかったと思います。その1年間が無くて、もし社会人になってからHOへコンバートしていたら、たぶんここまでスクラム組めなかったと思います。

――どんな練習をしていましたか?

帝京ってすごい数のスクラムを組むんですよ。毎週他の大学を呼んだりして、普通の練習の後に2時間くらいずっと組んでいて、それを週2回くらい。そんな中で揉まれたのでスクラムが組めるようになりましたね。大学ではとにかく練習量が多くて一日6時間とか練習してて、今考えると恐ろしいです(笑)。

――社会人になってもラグビーを続けていくイメージはありましたか?

無いです。もうこれ以上こんなしんどいことできない(笑)と最初は思っていました。でも3年生の終わり頃、就活を始めたぐらいになって、まだ極めてないのに終わってしまっていいのかという思いと、今まで頑張ってきたのにこのまま辞めてしまったら自分には何も残らないな、という思いがあったのでラグビーを続けようと決めました。それからラグビーを続けられる企業を探すようになりました。

今シーズンは、トップリーグ上位を目指したい。

――実際にShiningArcsに入団してみて印象は?

最初はイメージしていた通りでしたね。普通に仕事をして終わって練習みたいな。メニューも選手で決めていましたし、帝京大の練習とはギャップがありすぎて、イメージしてたもののラグビーする環境などに驚いた記憶があります。でも、スター選手もいたりしましたし、2年目には外国からすばらしい選手がきたりして、本格的に強化が進んできて、段々とラグビーがしやすい環境に変化してきました。

――チームが本格的に強化を始めて、改めて感じたことは?

スタッフ・コーチ陣・選手も充実してきて、今までは自分たちで練習を決めていた体制も変わって、選手全員のマインドがそこでパッと切り変わったと感じがします。このチームでトップリーグでも上位を狙えると本当に思えるようになったのは、去年です。今まではチーム内でもAチームとBチームには差があって、東芝、三洋、サントリーのBチームとやったらすごい大差で負けていました。でも去年のサテライトは、負けても1トライ差くらいなんですよね。その結果を見てわかるように、AとBの差が無くなってきています。シーズンは長いので、いつ誰が怪我をするかわかりません。誰が出ても戦えるチームになるために自分を含め底上げをしている選手が今年もキーになってくると思います。

――昨シーズンを終えて、トップリーグの手ごたえは?

ラインアウトは獲得率、ターンオーバー率共にトップリーグ上位と高かったですし、スクラムも安定したスクラムが組めていたので、FWとしては絶対に戦えると感じました。BKにもすばらしい選手が多いし、林ヘッドコーチのラグビーもすごい楽しみなので、今年は上位にどれだけ食い込んで、日本選手権でどれだけ戦えるのか、シーズンが始まるのがすごい楽しみです。

――濱田選手が目指すプレーヤー像は?

ボールを持ったらFL並みに走れるし、パスも出来て、その状況に応じて柔軟なプレーが出来る、No.8に次いで4番目のFLになれるようなプレーヤーですかね。

――今シーズンは、どんなプレーに注目してもらいたいですか?

スクラム、ラインアウトに自信を持っていますので、そこに注目してもらいたいです。あと、ボールを持った時のランプレー。自分のプレーでチームが生きるプレーができるように頑張っていきます。