試合日程・結果

1点差まで相手を追い詰めるも、惜敗!

ShiningArcs

23

VS

トヨタ自動車ヴェルブリッツ

24

10月27(土)、秩父宮ラグビー場。快晴。ウィンドウ・マンス前の最終戦、トップリーグ第8節vsトヨタ自動車ヴェルブリッツ戦。

2010年2月のトップイーストを勝ち上がっての日本選手権での対戦では、17-50と惨敗し、トップリーグの壁を感じさせられたと共に多くの課題が残った。その年のトップリーグ第5節では、勝ったものの試合は一方的に攻められていた場面が多く、相手がPGを狙わずトライに固執した結果の「奇跡の勝利」。2011年の対戦ではブレークダウンやセットプレーで互角に戦えるようになり、「番狂わせの勝利」を収めることが出来た。そして、迎えたこの一戦。

14時、トヨタ自動車ボールでキックオフ。風下に立つシャイニングアークス。3分CTB山下大悟選手の大きなゲインなどで敵陣22m内まで入り込む。連続攻撃を仕掛けるがトライには至らず。しかし、立ち上がりからいい形の連続アタックを見せるシャイニングアークス。この数試合、勝ってはいたものの前半あまりいいパフォーマンスを見せることが出来なかったが、この試合では、「試合の入り」が改善されていたように見える。しかし、6分相手の連続攻撃から守備ラインが崩れたところを、キープレイヤーのSOスティーブン・ブレッド選手に縦に突破され先制トライを奪われてしまう。ゴールも成功し、0-7。

14分にもトヨタ自動車ボールでのラインアウトから、ブレッド選手がパスダミーの後グラバーキックでボールを前に運び、自ら走り込んでキャッチしトライ。ゴールも成功し0-14。しかし、組織的に崩されたというよりは個人技にやられた格好。

両チームとも反則が少なく、見ごたえのある締った攻防が続く。20分、相手のCTBシリベヌシ選手がイエローカードの反則でシンビン、10分間の退場。22分、敵陣ゴール前のスクラムからCTBアレサナ・ツイランギ選手がトライ!かと見えたがノックオンの反則。スクラムやラインアウトのセットプレーで優位に進めるシャイニングアークス。26分、ハーフウェイ付近でのボールをFB栗原選手がタッチキックに出し、敵陣10m付近でのトヨタ自動車ボールでのラインアウト。これをLOアイザック・ロス選手がスチール。

ここから中央に返して展開し、SO君島良夫選手からツイランギ選手と渡ったボールをタックルを受けながらオフロードパスで一人飛ばして右タッチライン際を追走していたWTB沼尻大輝選手へ。沼尻選手が縦に走り切りトライ。君島選手のゴールも成功し、7-14。

この後も両チームとも反則もミスも少ない、引き締まった攻防が続く。39分、敵陣10m付近での相手ボールスクラムをタッチライン外へ押し込み、マイボールラインアウトに。ここで前半ラストプレーを告げるホーンが鳴る。マイボールラインアウトからの相手の反則に、SH鶴田諒選手がクイックスタート。ラックになったところでロス選手からHO種本選手へとボールが渡り、ロス選手へ相手ディフェンスが集中したギャップを突いてのトライ。

君島選手のゴールも成功し14-14。ここで前半終了。

君島選手のキックオフで後半開始。7分、自陣40m付近でのシャイニングアークスの反則。この時間帯に、この距離でPGを選択するトヨタ自動車。だが失敗。スコアは動かず。逆に9分、敵陣22m付近での相手のオフサイドにショットを選択した君島選手がゴールを決め、17-14。更に13分にも敵陣40m付近での相手反則からショットを選択した君島選手がゴールを決め、20-14とする。ここで相手は2011年度のワールドカップで優勝したニュージーランドの年間最優秀選手、ジェローム・カイノ選手を投入。14分、FL小峰徹也選手のジャッカル・ターンオーバーからツイランギ選手→WTB友井川拓選手へとボールが渡り、スピードでライン際を走り切りトライ!かと思われたがツイランギ選手からのパスがスローフォワードの反則。16分には、自陣ゴールライン直前まで攻め込まれたが、何とか守り切る。しかし23分、相手ボールでのハーフウェイ付近でのラインアウトから連続攻撃を仕掛けられ、トライを許してしまう。ゴールも決まり、20-21と逆転される。LOアイザック・ロス選手OUT、No.8トッド・クレバー選手IN。27分にはそのトッド選手がブレークダウンからジャッカルを狙いにいったところ、オーバーザトップの反則を取られてしまう。相手のPGが決まり、20-24。PR斉藤展士選手、SH鶴田諒選手OUT、PR山口泰生選手、SH岡健二選手IN。

31分、敵陣40m付近で相手がコラプシングの反則。君島選手がショットを選択し、ゴール成功。23-24と、一点差に詰め寄る。お互いにミスや反則の許されない緊迫した攻防が続く。35分、右タッチライン際トヨタ自動車ボールのスクラムでの相手コラプシングから分厚い連続攻撃を仕掛けていくシャイニングアークス。37分、相手反則により、タッチへ蹴り出し敵陣ゴール前25mでのマイボールラインアウト。連続アタックを仕掛けて22m内に持ち込む。左側狭いサイドに集中してゴールに迫る。そして、中央から右サイドに展開。そして再び右サイドから左に展開。君島選手から一人飛ばして大外の友井川選手にパス。トライか思われたが相手も素早く反応。ゴールライン5m付近でラックになったボールをSH岡健二選手がパスダミーで相手を交わし、見事トライ!と思われたがノックオンの判定。そしてホーンが鳴った後に相手がタッチライン外に蹴り出して、ノーサイド。5連勝ならず。悔しい結果になってはしまったが、チームの地力が確実に上がったことを感じさせてくれた試合でもあった。

この第8節で、トップリーグは各国代表強化試合を行うための約一か月のお休み「ウィンドウ・マンス」に入ります。シャイニングアークスは、ここまで5勝3敗で、暫定6位。しかし、まだまだこれからです。トップリーグの次節は12月2日、大阪・花園ラグビー場でのvs神戸製鋼戦です。その前にまず、サテライトリーグ第2戦vsパナソニックワイルドナイツ戦が、11月17日(土)に行われます。こちらもぜひお見逃し無く!!また、グランドで会いましょう。

林雅人監督のコメント

林雅人監督

――今日の試合の感想を。

力が均衡していると想定しているトヨタ自動車との対戦で、大切な試合でしたので勝ちたかったのですが、勝てなくて残念です。相手のディフェンスは二人目の絡みが早い傾向があったので、ブレークダウンのところで継続できるように一人目のボールキャリア―の工夫をしました。そこは機能していたのかなと思っています。最初に2本トライを獲られてしまいましたが、そこからチームとして踏ん張れたのは良かったと思います。ハーフタイムには、前半風下で同点で折り返せたことはハッピーだから、後半は自分たちのアタックをしようと選手たちに伝えました。後半に6点リードしたところで、自陣での不用意なペナルティがふたつ続いて、そこからリズムを崩してしまいました。そのあたりは、まだまだ力不足だと感じています。いずれにしてもまだまだ試合は続きますので、いかにこの敗戦を次に結びつけるかということが大切だと考えております。ウィンドウ・マンス開けの次の神戸製鋼戦に向けて、いい準備をしていきます。

――最後のトライがノックオンに取られたことに関して。

あれは、僕の席からではわからなかったです。ただ、そこまで追い込まれたこと自体が力の無さだと思っています。レフリーにはすべてを委ねて試合をしていますので、判定に関しては全く何も無いです。自分たちがもっと引き離しておけなかったことが悔やまれますね。

――最後1点差の場面でPGやDGのオプションは有りませんでしたか?

そういう考えは無かったですね。敵陣22m内でアタックしトライするか、さらにいい位置で相手の反則を誘い、DGより確実なPGを狙えればと思っていました。

――ここまでの前半戦を振り返って。

一言で言えば、まずまずの結果だったと思います。私が勝手に言っているトップ3に一勝したいという思いがありましたが、パナソニック戦でそれが実現出来ました。それとトップ3を除いた中位の対戦相手7チームの中で4つ勝ちたいという思いがありました。今日は、その中位の戦いだと勝手に位置付けていましたので、勝てなかったことは残念です。ただシーズン前に目標にしていた8勝に向けて、まだ達成できるという感触は有ります。とりわけ、チームがタフになったなあということは感じています。今日も0-14になって、ともすれば崩れてしまうところで、前半風下でも最後は同点にできました。そういうところは、タフになってきたと思います。今日の試合で失ったのは結果だけで、チームワークも失っていなければ、自分たちのスキルも失っていません。全ての過去をいい未来につなげることが大切だと思っています。

――ウィンドウ・マンスの一カ月は、どこにフォーカスしていきますか?

今までチーム系のプレーを磨いてきましたが、もう一回、基礎になる一般プレーをやっていきたいと考えています。シーズン中は一週間ごとの準備ですので細かいところができません。アタックの形であったり、もう一回しっかりボール周りのディフェンスを整備したりという、一般スキルを磨いていきたいですね。あとは、弱い方からすれば、一カ月明けの神戸製鋼戦はチャンスだと思いますので、しっかり準備をしていきます。

――今年選手たちからも頻繁に使われる「シェイプ」という言葉について教えてください。

試合中のアタックの形で、ボールキャリア―の周りに2-3名程度の選手がチームとして練習してきたポジショニングをして、いつでもボールをもらえる形のことを言います。アタック側としては、相手ディフェンダー2人から同時にタックル(ダブルタックル)されることを避けたいですし、いい形(スペースのある)の1対1を作って少しでも前進したいという目標があります。そのためには誰がボールをもらうか分からないという陣形で攻撃をして、相手のディフェンダーがターゲットを絞り切れなくなくさせることが大切です。その攻撃の陣形をシェイプと言っています。エディさん(日本代表監督)の使っている意味とまったく同じです。

友井川拓キャプテンのコメント

友井川拓キャプテン

この秩父宮ラグビー場で、多くのファンの方々の前でラグビーができたことをうれしく思っています。試合中きびしい状況が続きましたが、ファンの皆さんの声援が後押ししてくれました。トヨタ自動車も我々も非常にシンプルなチームなので、この一週間フィジカルの部分で勝とうとみんなで準備してきました。本当にFWはフィジカルに戦ってくれましたし、ディフェンスで体を張ってくれました。ただ所々でのタックルミスがそのままトライに繋がったりと、反省すべき点も多々あります。これから一カ月ウィンドウ・マンスがありますので、更に上を目指して、神戸製鋼にしっかりチャレンジできるように準備していきます。

――最後の相手のペナルティでPGを狙わなかったのは?

まず、狙うには難しい位置だったということがあります。相手はジャッカルを狙ってくることが多かったのですが、しっかりと敵陣深くに入れれば、1点差ですのでペナルティができないので、マイボールキープしていればプレッシャーをかけることが出来ると考えていました。それが選択の理由です。最終的にノックオンになりましたが、あそこまで持って行けたことも事実ですし、みんなで選んだ選択肢でしたので、間違いではなかったと思います。

――キャプテンとして、自分たちのベースが上がってきたという手応えは?

まずディフェンスがかなり整備されてトライされる数が少なくなったことが自信になっていますし、これからの強みになっていくと思います。あとは、ゲームの中で我慢するところは我慢して崩れることが無くなったので、今日は落としましたが、接戦で勝てるところまでチームの地力が上がってきたことを感じます。

斉藤展士選手のコメント

斉藤展士選手

勝ちたかったですね。勝てなかったのは残念ですが、監督がいつも言っている「勝ちに偶然の勝ちあり。負けに偶然の負けなし」というその通りで、4連勝して少し慢心しているところがチームにあったんじゃないかと思います。しかし、勝負どころがわかっている選手も増えましたし、全体的に運動量も増えましたし、ゲームプランもシンプルにわかりやすくやっていますので、目の前の仕事に集中できてすごくやりやすいです。スクラムに関しては、良くはなってきているんですが、まだムラがあるので全然納得はしていないです。そこは修正したいと思っています。スクラムは、外から見ればただ単に当たっているとしか見えないと思うのですが、相手とどう組みたいのかなどの駆け引きがあるんですね。じゃんけんと一緒でスクラムにも相性があって、こういう組み方をすると綻びが出るというようなことがあるのですが、その相性をなるべくあいこにしたいんですね。完全にコントロールできたはずなのに、コントロールできないスクラムがあったので、それはムラだと思いますので、そういうムラを無くしていきたいです。スクラムは特にフロントローが重要になるのですが、なるべく考え方にムラが出ないように週に一回か二回はフロントローだけの話し合いをやっています。それで誰が入ってもある程度は意思統一ができてきたと思います。この一カ月でしっかり怪我も直して、またいいスクラムを組みたいですね。

*試合写真は、公式facebookページにも多数掲載しています。

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