I.経営概況

 今期における情報通信市場では、光アクセスを中心にブロードバンドサービスの普及がさらに進む中、検索エンジンを核としたポータルサービスや映像配信サービス、EC(電子商取引)などが拡大するとともに、SNS(Social Networking Service)やブログなどの個人による情報発信を支援するサービスの利用者が急増し、ICT(Information and Communication Technology)が個人のライフスタイルや企業のビジネスモデルに大きな変化をもたらしています。
 同時に海外では米国におけるネット事業者を中心とした業界再編、欧州における通信キャリアの国境をまたがる合従連衡など、情報通信市場を取り巻く競争環境は着実に変化しています。
 当社は、こうした経営環境の変化に対応し、お客さまの経営課題を解決するICTソリューションをワンストップで提供し、お客さまとともに新たなライフスタイルやビジネスモデルを創造することを掲げ、「ソリューション」、「ネットワークマネジメント」、「セキュリティ」、「グローバル」、「ユビキタス」という5つの事業領域を柱として、具体的には、以下の取り組みを実施しました。
  • ソリューションサービスでは、ネットワークにおける当社の強みを活かしながら、企業のお客さまの経営課題やニーズに即応し、コンタクトセンターソリューションやネットワーク/サーバーオペレーションサービスなどをワンストップで提供するなど、お客さまの利便性向上と管理コストの削減に向けたソリューションを提供しました。個人のお客さまには、インターネット対応デジタルテレビなどの情報家電で生活情報の閲覧やショッピングができるポータルサイト「DoTV(ドゥー・ティ・ビー)」を開設するなど、より豊かで安心できるライフスタイルの実現を目指したサービスの充実を図りました。

  • ネットワークマネジメントサービスでは、企業のお客さま向けデータ通信サービスのアクセス回線にNTT東日本・西日本のイーサネットアクセスを利用したメニューを新たに加え、エンド・ツー・エンドのワンストップサービスとして提供するなどラインナップを充実しました。また、ICTインフラ管理、セキュリティ機能を組み合わせた高付加価値なホスティングサービス「AGILIT(アジリット)」の展開などにより、企業のお客さまの多様化するニーズに応えました。

  • セキュリティサービスでは、OCNサービスのお客さま向けに迷惑メールや詐欺(フィッシング)のメールを自動的に判定・隔離する「迷惑メールブロックサービス」を提供開始しました。また、企業のお客さまには、安全なデータ管理機能を持ったストレージサービス「セキュアスマートストレージ」において、ファイルの時限消去機能などの情報漏洩防止機能を新たに提供しました。

  • グローバルサービスでは、次世代国際イーサネットサービス「グローバルスーパーリンク」のサービス提供地域の拡大、および国際IP-VPNサービス(MPLSタイプ)のベトナムでの提供などに取り組み、国内外でのシームレスなサービスに対するお客さまのニーズに応えました。

  • ユビキタスサービスでは、当社が提供する「スマートBizキット」、「ホットスポット」をはじめとするモバイルソリューションをスマートフォンタイプの携帯端末から利用できるようにしました。また、携帯端末と企業内ネットワークをセキュアに接続するゲートウェイサービス「モバイルコネクト」において、世界160カ国以上のアクセスポイントから利用できるローミング機能を新たに提供し、より快適で便利なユビキタスワークスタイルを提供しました。
 また、昨年11月に発表した「NTTグループ中期経営戦略の推進について」に基づき、本年8月事業の効率化とお客さまにとって一層魅力あるサービス提供を図るため、ネットビジネス事業の提供体制を強化するとともに、NTTグループ内の法人のお客さまに対するアカウント体制の見直しを行い、全国・グローバル型の法人のお客さま対応を当社に一元化することで、お客さまの利便性向上を図りました。
 これに伴い、ネットビジネス事業については、ポータルサイト「goo」を提供しているNTTレゾナントおよびインターネット接続サービス、050IP電話サービス、TV向け映像配信サービスを提供しているぷららネットワークスを当社の子会社とするとともに、グループ内のネットビジネス全体のマーケティング・アライアンス戦略の策定や事業全体の統括をする「ネットビジネス事業本部」を新設しました。また、法人サービスについては、NTT東日本・NTT西日本のアカウントマネージャーやシステムエンジニアなど約1,200名が当社に転籍するとともに、新たに「第三法人営業本部」を新設しました。

II.経営成績

 以上のような事業展開の結果、依然として厳しい競争環境を反映し、営業収益については前年同期に比べ微減し、経常損益についても前年同期に比べ減少しました。

 具体的な営業成果などについては、以下のとおりです。

1.音声伝送収入(IP系除く)
 音声伝送収入(IP系除く)は、固定電話市場の縮小やIP電話の普及などによる競争の激化など、引き続き厳しい市場環境にあります。しかしながら国内電話については、「PL@TINUM LINE(プラチナ・ライン)」の提供やフリーダイヤルを中心とした多彩なラインアップの提案などにより、収入の維持に努めました。また、国際電話については、「世界割 withプラチナ・ライン」の提供など積極的な営業活動によるシェアの向上に努めました。
 この結果、IP系サービスを除く音声伝送サービスにおける営業収益は2,325億円(前年同期比39億円減 1.7%減)となりました。

2.IP系収入
 IP系収入は、お客さまからの強い支持を背景に順調に拡大しています。OCNについては、NTT東日本・西日本の「Bフレッツ」とのワンストップサービス「OCN 光 with フレッツ」などの販売強化やアプリケーションの充実などにより、2006年9月末現在で571万3千契約となりました。また、4種類のVPNサービスを適材適所に組み合わせ、企業のお客さまに最適なネットワークを提供する「統合VPN」ソリューションなどの販売推進に努めました。
 この結果、IP系サービスにおける営業収益は1,575億円(前年同期比75億円増 5.0%増)となりました。

3.データ通信収入(IP系除く)
 データ通信収入(IP系除く)は、品質などを重要視するお客さまからの根強いニーズに応え、信頼性の高いサービスの提供を通じ、収入の維持に努めましたが、より低廉なIP系サービスに移行する傾向にあることから減少しました。
 この結果、データ通信サービス(IP系除く)における営業収益は、810億円(前年同期比104億円減 11.4%減)となりました。

4.ソリューション収入
 ソリューション収入は、データセンター、コンタクトセンターソリューション、ネットワーク・サーバーオペレーションサービス(監視・運用サービス)、ブロードバンド映像配信ソリューション、EC-Webソリューションなど、お客さまのコミュニケーションインフラを支えるトータルソリューションを積極的に展開してきたことから、順調に拡大しています。
 この結果、ソリューション事業における営業収益は、593億円(前年同期比55億円増 10.2%増)となりました。

5.その他収入
 その他収入は、主に設備賃貸や商品販売代行などによるもので、これによる営業収益は169億円(前年同期比9億円増 5.9%増)となりました。

 以上の営業活動の結果、当中間期の営業収益は5,474億円(前年同期比4億円減 0.1%減)、営業利益は318億円(前年同期比25億円減 7.3%減)、経常利益は361億円(前年同期比19億円減 5.2%減)となりました。また、NTT Investment Singaporeの清算分配益 57億円を特別利益に計上するとともに、NTT Americaの株式評価損69億円を特別損失に計上したことにより、中間純利益は179億円(前年同期比151億円増 534.2%増)となりました。
 

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