News Release
平成17年6月3日

次世代IPネットワーク技術(GMPLS技術)を適用した
オンデマンドネットワーク設定および自動障害回復の実証実験に成功

 

 NTTコミュニケーションズ(略称:NTT Com)は、固定電話や専用線サービスなどを収容している商用SDH(※1)網を用いて、次世代ネットワーク制御技術として研究開発が進められているGMPLS(※2)プロトコルによる、オンデマンドネットワーク設定機能と自動障害回復機能の東京・大阪間広域実証実験に成功しました。
 本実験により、広域SDH網でのGMPLS技術の有効性を明確化するとともに、GMPLS技術の商用サービス導入に向けた運用ノウハウを修得することができました。なお、本実験で得られた成果の一部は、6月8日から幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催される「Networld+Interop TOKYO2005」の展示会場(NTT Comブース)にて実演する予定です。

1.GMPLS技術を用いた広域SDH網の自律制御実験(別紙参照
(1)GMPLSによるオンデマンドネットワーク設定機能
 現在のSDH網では、お客さまからのサービス申し込みや需要変動にともなう速度変更などに対し、オペレータが収容設計を行った上で個々のノードに対し設定変更を実施しています。
 一方、GMPLS技術は、ネットワークが自律的なネットワーク制御機能を持つことにより、オペレータによる収容設計と個々のノードへの設定変更にかかる作業を大幅に削減することができます。
 今回の実験では、既存の商用SDH網にGMPLS技術を導入し、自律的なネットワーク設定機能を実証しました。この結果、ネットワークの設定変更が即時に実行できるため、お客さまからのサービス申し込みに対する迅速な対応が可能となるなど、サービス性を大幅に向上させます。なお、本機能については、SDH網へのオペレータからの操作だけでなく、後述するマルチレイヤ連携機能により、GMPLS対応ルータなどからも実行可能です。

(2)GMPLSによる自動障害回復機能
 現在のSDH網は固定的な冗長切替機能を持っており、障害発生時には、あらかじめ設定した予備経路に対して瞬時に切替を実施しています。しかし、固定ルートでの切替のため、現用/予備の重複故障や激甚災害時には、オペレータによる迂回経路設計や個々のノードへの迂回パス設定が必要となり、復旧まで非常に時間がかかります。
 一方、GMPLS技術では、障害時においても、自律制御機能により自動的な迂回経路計算と迂回パスの設定を実施することが可能となります。
 今回の実験では、従来の固定的な冗長切替機能とGMPLSによる自律迂回機能を連携して動作させることに成功しました。この結果から、例えば大規模災害により両方の経路が遮断され、ネットワークの復旧作業に長期間要するような場合でも、数分程度で自動的に復旧させることが可能であるなど、信頼性の向上に大きく貢献できることがわかりました。

(3)マルチレイヤ連携機能
 GMPLS技術では、SDH網やルータ網などレイヤの異なったネットワークに対して、共通の制御プレーン(※3)を構築するため、マルチレイヤで連携した制御が可能となります。今回の実験では、広域SDH網に対して、GMPLS対応ルータからの制御による自律的なネットワーク設定機能を実証しました。なお、ルータに用いたGMPLS技術はシスコシステムズの協力を得て検証に使用したプロトタイプであり,その結果はシスコシステムズの製品開発にフィードバックしています。

2.今後の予定
 NTT Comでは、このたびの実験結果を踏まえ、商用サービス導入を目指したGMPLS技術の開発、および各社製品の相互接続性の検証などに積極的に取り組んでいきます。


※1 SDH(Synchronous Digital Hierarchy):光ファイバーを用いた国際標準の高速デジタル通信方式。インターネットサービスプロバイダー間を結ぶインターネットのバックボーン回線などに用いられる

※2 GMPLS(Generalized Multi-Protocol Label Switching):IPネットワーク上に論理的なパケットスイッチ網を構成するMPLS技術を応用し、従来のMPLSラベル(識別標識)に加えて光波長などをラベルとしたスイッチ網を構成することで、統合的なネットワーク制御を可能にする通信技術。次世代の光ネットワークにおける重要な要素技術であるため、世界の通信会社や通信機器メーカーで開発が進められている

※3 制御プレーン:コネクションの設定や開放など、ネットワークの制御を実行するための制御信号を、ノード間で送受するための信号路。


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